第12回 日本認知症予防学会学術集会において音楽療養コンテンツ『健康王国』を使用した音楽療法と運動療法が高齢者の認知機能向上への有効性を発表

プレスリリース発表元企業:株式会社エクシング

配信日時: 2023-09-27 13:00:00

株式会社エクシング(本社:名古屋市瑞穂区、代表取締役社長:水谷 靖)が展開する音楽療養コンテンツ「健康王国」(※1)を使用して行われた「音楽療法と運動療法を組み合わせた高齢者の認知機能向上」についての臨床試験(※2)の結果が、9月 16 日(土)に新潟県朱鷺メッセで開催された「第12回日本認知症予防学会学術集会」において、名古屋芸術大学 久保田進子氏より発表されました。



[画像1: https://prtimes.jp/i/4747/2182/resize/d4747-2182-d3b30cc3aba2a7fce2a5-0.png ]

この臨床試験は、公益社団法人虹の会および社会福祉法人福寿園との共同研究として、株式会社トータルブレインケア並びに弊社の協力の下で音楽療法と運動療法が認知機能向上効果を検証することを目的として実施されました。具体的には、公益社団法人虹の会が展開する「心音レインボートレーニング」(※3)を、同会認定の「音楽健康福祉士」(※4)が、「JOYSOUND FESTA2(型番:JS-H1W)」(※5)を用いてレクリエーションとして実施し、実施しなかった集団と比較することで認知機能の変化が確かめられました。

弊社は、このたびの臨床試験の結果をもとに、認知機能が健常な高齢者の機能維持や、認知症の疑いのある方、および軽度認知障害(MCI)の方の症状の改善効果が高いコンテンツを更に充実させるとともに、幅広い範囲で研究を継続し、超高齢社会に向け、介護予防並びに健康寿命延伸、業界従事者の労務軽減に貢献してまいります。

『第12回日本認知症予防学会学術集会 発表内容』 ※発表資料から引用

○ 臨床試験概要
社会福祉法人福寿園が運営する高齢者施設のうち、2施設を参加群(M施設)と対象群(T施設)と位置付け、それぞれの施設の入所・通所利用者の本人、家族の同意が得られた合計95名を対象に2022年6月から8月の3か月間、参加群の53名には音楽療法と運動療法を中心とした「心音レインボートレーニング」(表1)を音楽健康福祉士が週2回(1回30分)を実施し、対照群の42名には通常レクリエーション(ラジオ体操等)を継続していただきました。

○ 検査・測定内容
測定項目:実施期間の前後に、CogEvo検査(※6)により5つの項目(見当識、記憶力、計画力、注意力、空間認識力)の認知機能を測定しました。
分析対象:参加群は「心音レインボートレーニング」への参加率が50%以上の方、対照群は同等期間 通常レクリエーションに参加された方とし、また、いずれの群も、実施期間の前後での測定を受けて頂けた方とし、結果、参加群は26名、対象群は33名の計59名のデータを採用しました。

○ 心音レインボートレーニング(参加群用レクリエーション)内容
[画像2: https://prtimes.jp/i/4747/2182/resize/d4747-2182-3f16a14a0de813acef10-1.png ]



○ 結果の要約
結果1.CogEvo指数の変化値
[画像3: https://prtimes.jp/i/4747/2182/resize/d4747-2182-18f0f960f55a0c856d95-1.png ]

参加群は92.4±20.6より98.2±15.2へ上昇し、対照群は103.3±11.1より101.9±10.8へ下降した(図1)。分散分析の結果、参加群に有意差[F(1,57)=4.59,P<0.05]、また、「心音レインボートレーニング」前後の有意差[F(1,57)=3.63, P<0.05]がみられた。
Bonferroni法による下位検定の結果、参加群が対照群に比較して、「心音レインボートレーニング」実施終了後に有意に高い値を示した(P<0.05)。

結果2.CogEvo指数の増減率
CogEvo指数の増減率を調べた結果、 「心音レインボートレーニング」参加群は対照群よりCogEvo指数の上昇率が15%以上高くなる割合が多いこと(参加群:35%、対照群:6%)、さらに数値が減少する割合は低くなることが判明した(図2、3)。


[画像4: https://prtimes.jp/i/4747/2182/resize/d4747-2182-2b85381aa563585cd134-1.png ]



結果3.CogEvo5項目得点評価
見当識得点について、 「心音レインボートレーニング」参加群は191.7±100.4より215.1±90.5へ上昇を示し(図5)、対照群は283.2±71.1より259.6±87.3へ下降を示した(図6)。分散分析の結果、参加群に有意差F(1,57)=12.95 P<0.001がみられた。
Bonferroni法による下位検定の結果、 「心音レインボートレーニング」参加群が対照群に比較して、実施終了後に有意に高い値P<0.001を示した。記憶力の項目は、 「心音レインボートレーニング」参加群と対照群の間に有意差 F(1,57)=7.466 P<0.01が、計画力の項目に有意差F(1,57)=4.39 P<0.05がみられた。
空間認識力及び注意力の項目には、有意差はみられなかった。


[画像5: https://prtimes.jp/i/4747/2182/resize/d4747-2182-739ac25f5dfd3510d3f4-1.png ]

○ 結論
「健康王国」を使用して「心音レインボートレーニング」を実施した参加群は対照群と比較して、CogEvo評価指数が有意に上昇を示した。また5つの項目の中でも見当識、記憶力、計画力が有意に上昇を示した。以上の結果、認知機能の維持・改善が得られたと考えられる。今回の試験により、高齢者に適度な運動を組み合わせた音楽療法プログラムを提供することは、大きな意義を持つと考えられる。


 当社は本取り組みへの協力を通じて、高齢者の健康づくりと介護予防に関わる方のサポートをはじめ、健康寿命の延伸、健康格差の縮小、また各地域のソーシャルピタル(人と人とのつながり)の構成など、超高齢社会における共通課題に積極的に取り組んでまいります。



(※1)「健康王国」とは、弊社が提供する音楽療養コンテンツ群の名称です。「体を動かす」,「観る・癒す」,「遊ぶ」,「歌う」の4ジャンルで1,000以上(2023年9月現在)のコンテンツを提供しており、高齢者施設や介護施設等のご利用者様が楽しみながら介護予防や機能訓練に取り組めます。
(※2)本臨床試験ならびに研究は、杉正人氏(虹の会理事)を代表とし、久保田進子氏(名古屋芸術大学名誉教授)を共同研究者、和合治久氏(虹の会理事長)を監修者として、社会福祉法人福寿園の「みなみ福寿園」様と「武豊福寿園」様並びに両施設のご利用者様ご家族様と公益社団法人虹の会の共同研究により実施されました。
杉正人氏の略歴は以下の通りです。
・東京大学農学系研究科 農芸化学博士課程修了(1975年)・東燃株式会社 技術開発研究所 所長代理(2000年)
・株式会社ライフサイエンス研究所 常務取締役研究所長(2013年)・公益社団法人虹の会 理事(現任)
久保田進子氏の略歴は以下の通りです。
・愛知淑徳大学大学院博士後期課程修了(生体情報心理学)(2001年)・名古屋芸術大学教授(2002年)
・名古屋芸術大学名誉教授(現任)・国立研究開発法人国立長寿医療研究センター 認定コグニサイズ 指導者
・一般社団法人日本音楽療法学会代議員および認定音楽療法士 ・神経学的音楽療法士およびフェロー(コロラド州立大学)他
和合治久氏の略歴は以下の通りです。
・東京農工大学大学院修了(1975年)・京都大学にて理学博士取得(1982年)・埼玉医科大学短期大学教授(1989年)
・埼玉医科大学教授・初代学科長(2006年)・埼玉医科大学大学院教授(2010年)
・埼玉医科大学短期大学名誉教授、松本大学客員教授(現任)・一般社団法人まつもとユニバーサルデザイン研究会理事長
・日本臨床音楽研究会理事 ・一般社団法人国際個別化医療学会顧問 ・公益社団法人虹の会理事長 他
(※3)「心音(こころね)レインボートレーニング」とは公益社団法人虹の会が開発した補完代替医療に基づいたプログラムであり、高齢者の認知機能向上効果が認められる音楽療法をベースに、運動、食事療法、アロマセラピーなどを組み合わせることで“未病”と呼ばれる病気の前段階で健康な体に戻し、五感を健全な状況に保つことで認知障害などの問題を予防するとともに、高齢者のQOL向上と健康寿命の延伸を図ろうとする予防療法プログラムです。
(※4)「音楽健康福祉士」とは高齢者の病気予防として「心音レインボートレーニング」の指導が行えるようになるためのWebでの基礎研修(2級)と実習研修(1級)の修了者に与えられる公益社団法人虹の会が認定する資格です。資格所有者は、高齢者の五感や体の機能活性化によるQOLの維持、認知症をはじめとした老化に伴う病気・怪我の予防について理論から実践まで を統合的に習得しており、老健施設をはじめ高齢者が集う施設で「心音レインボートレーニング」を楽しく実践・指導されています。
(※5)「JOYSOUND FESTA2(型番:JS-H1W)」とは健康王国のみならず業務用カラオケシステムの機能を合わせ持ち、高齢者施設等のスタッフ様がご利用者様に対してレクリエーションや機能訓練等の提供業務をサポートするトータルヘルスケア支援機器です。
(※6)「CogEvo」は認知機能のチェックとトレーニングができる株式会社トータルブレインケアが開発したクラウドサービスです。「CogEvo検査」では認知機能を「見当識」、「記憶力」、「計画力」、「注意力」、「空間認識力」の5つに分類しています。高次脳機能の専門家が監修した12種の楽しいタスクで、エビデンスに基づいた質の高いトレーニングを提供。ゲーム感覚のように、それぞれの認知機能が点数化、グラフ化され、受験者の認知機能がどのようなレベルにあるのかが一目でわかります。

▽ 公益社団法人 虹の会様のWebサイト: https://www.nijinokai.or.jp 
▽ 社会福祉法人 福寿園様のWebサイト: https://www.fukujuen.or.jp/ 
▽ 株式会社トータルブレインケア様のWebサイト: https://tbcare.jp/ 
▽ 一般社団法人日本認知症予防学会様のWebサイト: http://ninchishou.jp/ 
▽ 健康王国Webサイト: https://joysound.biz/kenkou-oukoku/ 
▽ 株式会社エクシング Webサイト: https://xing.co.jp/

PR TIMESプレスリリース詳細へ