「深いかなしみや苦しみがあっても人は必ず生きていける」。大阪教育大学附属池田小学校児童殺傷事件で愛娘を殺された母親が、グリーフケアと出会って他者のケアをする今だから伝えたいこと

プレスリリース発表元企業:株式会社主婦の友社

配信日時: 2022-10-31 16:56:08

株式会社主婦の友社は、 2022年10月31日(月)に『かなしみとともに生きる~悲しみのグラデーション~』(https://www.amazon.co.jp/dp/4074497921)を発売いたしました。



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著者の本郷さんは大阪教育大学附属池田小学校児童殺傷事件で小学2年生だった愛娘を亡くしました。現在は受刑者やかなしみ、喪失を経験し、苦しんでいる方に寄り添う活動を全国で行っています。本書は、被害者遺族でありながら、なぜ今はケアをする側に回っているのか、苦しみの日々から何を見出したのかを綴った手記です。



人生を根底から覆すほどの大きな喪失体験

著者はわずか6年の間に、阪神・淡路大震災で被災。さらに大阪教育大学附属池田小学校児童殺傷事件でお嬢さんを亡くされています。

なかでも児童8名が殺害され、児童13名・教師2名が重軽傷を負った事件は世間を震撼させました。阪神・淡路大震災で「この子の命を大切に守り育てていかなければ」と思ったお嬢さんを、人を殺せば死刑になれると思った加害者の凶行によって奪われることになりました。

お嬢さんの帰宅後に一緒にクッキーを焼く約束をしたその日、カーラジオから流れてきたのは、刃物を持った男が学校に侵入し、低学年の子どもたちが多数傷を負っているニュースでした。事件現場でお嬢さんを必死に探すものの見つからず、やがて無言の対面を果たすことになります。

突然大切な人の命を奪われた著者の時間は止まってしまいました。そして生きる希望を失ってしまったのです。


精神的な瀕死状態で出会ったグリーフケア


そんな著者が事件後の早い段階で出会ったのがグリーフケア。
グリーフは悲嘆、深いかなしみや苦悩のことです。大切な人の死、愛着を感じる存在や環境、自己の役割や身体的機能を喪失したときに起こる情緒的反応をいいます。グリーフケアはグリーフに寄り添い、癒やすケアのことです。

加害者への憎しみや怒り、経験したことのない感情や体の反応が起こる著者の元に、13人が殺されたアメリカのコロンバイン高校銃乱射事件の被害者遺族からの手紙が届きます。この遺族との手紙のやり取りで、いま自分に起こっていることが当たり前の反応であり、他者の助けを求めてもいい、自分なりの対処法を見つけていくことが必要であること、時間がかかることを理解します。
そして自分の気持ちをじっと聞いてくれる多くの友人・知人たちの存在が救いになり、著者は本格的にグリーフケアを学び、他者のケアをすることになっていきます。



事件で負傷した当時の児童、著者の次女の気持ち

この本では著者の気持ちに加えて、当時負傷したお子さんふたりも登場します。被害者が多くを発信することはあまりありません。ましてや事件当時に子どもだった方たちが何かを発言することはないに等しいのですが、事件を風化させてはいけないという強い思いのもとに、これまでとこれからを語っていらっしゃいます。

また亡くなったお嬢さんの妹さんの気持ちの変化も描かれています。死の意味がわからない年齢でお姉さんが目の前から消えてしまい、「〇〇ちゃんの妹」として周りに気遣われ続け、自分の存在がわからなくなってしまう中で彼女が自分を取り戻していく姿は感動的です。


著者が伝えていきたいこと

著者はいま東京都台東区で「グリーフケアライブラリー ひこばえ」を開いています。かなしみをいやすグリーフケアの本や絵本が置かれている空間です。
また、落語や紙芝居を通して、かなしい気持ちをゆるめたりほぐしたりする場を作ったり、全国で「いのちの授業」やグリーフケアの講演会を多数行っています。

精神的な「いのち」は、薬ではどうすることもできないことが多く、人とのつながり=いのちのつながりによってケアされるものではないか。

つらいこと、苦しいこと、大切な人を亡くした喪失感の中にある方、助けてと言えずに一人で苦しんでいる方、お子さんの悩みや苦しみにどう向き合ったらいいのかについてヒントの欲しい方に是非読んでいただきたい本です。


目次紹介


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著者紹介

本郷由美子
グリーフパートナー歩み代表、下町グリーフサポート響和国「ひこばえ」代表
1995年阪神・淡路大震災で被災し、大阪府池田市に転居。2001年に大阪教育大学附属池田小児童殺傷事件で、当時小学校2年生だった愛娘を亡くす。翌年グリーフケアと出会い、心のケア活動を開始。2005年に精神対話士の資格を取得。その後、上智大学グリーフケア研究所で3年間学び、日本スピリチュアルケア学会スピリチュアルケア師(専門)認定を受けた。現在は、事件や事故の被害者、被災者、身近な人を亡くした方、終末期を迎える方、障がいを持つ方々など多様なかなしみに寄り添う活動のほか、グリーフケア、グリーフサポートを広める講演や研修、いのちの重さ・大切さを伝える講演や授業を行っている。岡山県 心と命のサポート事業 登録講師、公益財団法人全日本仏教会 第34期・第35期社会・人権審議会委員。著書に『虹とひまわりの娘』(講談社)。NHK『ハートネットTV』『事件の涙』、毎日新聞、「家庭画報」「致知」など多数のメディアで紹介されている。


書誌情報


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タイトル:『かなしみとともに生きる~悲しみのグラデーション~』
著者:本郷由美子
定価:1595円(10%税込)
サイズ、ページ数:四六判、224ページ
発行:主婦の友社
発売日:2022年10月31日(月)
ISBN:9784074497928
電子書籍も同時発売
【Amazon】https://www.amazon.co.jp/dp/4074497921
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