拠り所のない時代に「こころの支え」となる、生きるための言葉。『永遠の詩2 茨木のり子』
配信日時: 2022-05-20 12:00:00
詩集では異例の12刷突破!!
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「今だから響く」「元気が出る」「迷いがなくなる」「色あせない感性」・・・茨木のり子の詩が時を超えて愛される理由。
戦後を代表する女性詩人・茨木のり子の詩集が今、売れている。没後16年経っても尚、人気を博している理由はなんなのか。
茨木のり子は、1926年大阪に生まれた。第二次世界大戦敗戦の年には19歳。若い女性の視点から、戦中・戦後の実相をすくい取った。2006年に79歳で亡くなるまで、多数の叙情詩を創作した。
本書で各詩の鑑賞解説をしている高橋順子は、茨木のことを「生きかたについて示唆してくれる数少ない女性詩人」 と評す。
«荒廃した国土の中で誰もが萎縮していたときに、自分と他人を勇気づける詩を書いた。名詩「根府川の海」「わたしが一番きれいだったとき」などは、時代を超えて人々の感銘を呼び、心を揺さぶる。»
(本書「時代を超えて、りんと」より/高橋順子)
茨木の詩には弱った心を勇気づける力がある。混迷する社会で格差や分断が進み、己の環境を呪いたくなることもあるが、茨木からの“檄”が、みずからの弱さや甘えを浮き彫りにし、凝り固まったマインドをリセットするきっかけをくれる。ここに一部抜粋する「自分の感受性くらい」は、人を“鼓舞する”茨木の象徴ともいえる詩だ。
«初心消えかかるのを
暮しのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった
駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄
自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ»
(本書「自分の感受性くらい」より抜粋)
弱さを乗り越えるために、自分自身を奮い立たせているかのような彼女の言葉は、まっすぐで力強く、それでいてあたたかい。先行き不透明な時代でも、自分らしく生きるには何が必要かを教えてくれる。
ヒューマニズム溢れる名詩から、亡夫を想う挽歌までの36篇を、鑑賞解説付きで収録。
「嘘がつけない人だった。詩においても、生活においても」――谷川俊太郎(詩人)
「言葉が滅んだ時代に、なお発光し続ける言葉がここにある」――後藤正治(ノンフィクション作家)
「よく生きたい――心底そう願うとき、このひとの詩が背中を押す」――梯久美子(ノンフィクション作家)
〈目次〉
根府川の海
対話
方言辞典
見えない配達夫
ぎらりと光るダイヤのような日
六月
わたしが一番きれいだったとき
小さな娘が思ったこと
怒るときと許すとき
女の子のマーチ
汲む
一人は賑やか
みずうみ
握手
兄弟
吹抜保
自分の感受性くらい
知命
木の実
幾千年
落ちこぼれ
この失敗にもかかわらず
花ゲリラ
寸志
隣国語の森
答
さゆ
食卓に珈琲の匂い流れ
時代おくれ
倚りかからず
ある一行
夢
恋唄
急がなくては
(存在)
歳月
高橋順子「時代を超えて、りんと」
天野祐吉「茨木さんの素顔」
主著・参考文献
茨木のり子年譜
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『永遠の詩2
茨木のり子
著/茨木のり子 選・鑑賞解説/高橋順子
定価:1320円(税込)
判型/頁:4-6/128頁
ISBN978-4-09-677212-6
小学館より発売中
本書の紹介ページはこちらです↓↓↓
https://www.shogakukan.co.jp/books/09677212
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【著者プロフィール】
茨木のり子(いばらぎ・のりこ)
1926年(大正15)~2006年(平成18)。敗戦後、結婚前後から詩を書き始め、川崎洋とともに詩の同人誌「櫂」を創刊。ヒューマニズムと批評精神溢れる詩で多くの読者の心を鼓舞した。戦後を代表する女性詩人にして、エッセイスト、童話作家でもあった。
[画像3: https://prtimes.jp/i/13640/1672/resize/d13640-1672-8ce721ac11b60a818f72-1.jpg ]
★「永遠の詩」シリーズ全巻はこちら↓↓↓
https://www.shogakukan.co.jp/books/volume/21482
永遠の詩シリーズは、今日的に意義のある詩人をとりあげ、代表作を厳選したものです。わかりやすい解説で、詩があなたにもっと近くなります。
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