「美しすぎる○○」がだめな理由、わかりますか?『失敗しないためのジェンダー表現ガイドブック』発売!
配信日時: 2022-03-22 10:00:00
現役の新聞記者たちが自省の念を込めて贈る“気づきの書”。巷にあふれる&自らの中にある、無意識の差別や偏見を自覚することから始めませんか?
[画像: https://prtimes.jp/i/13640/1590/resize/d13640-1590-61cf2bd5cca192b3ab83-1.jpg ]
『失敗しないためのジェンダー表現ガイドブック』
著:新聞労連ジェンダー表現ガイドブック編集チーム
発行:小学館
定価:1650円(税込)
2022年3月22日発売
https://www.shogakukan.co.jp/books/09311510
メディアだけじゃない!SNS、企業のオウンドメディアや広告、今や誰もが“発信者”
ジェンダー平等を日本で早く実現したい。それにはまず、メディアが発信する記事から見直さなければならないーー。この本は、現役の新聞記者やフリージャーナリストの強い危機感から生まれたものです。
今やSNSや広告、宣伝などで誰もが発信者になる時代、ジェンダー表現のリテラシーを高めることは必須。本書はその手引き書的な一冊です。
ジェンダーに関するリテラシーは、SDGs時代の常識です
「ジェンダーギャップ指数2021」で世界156か国中120位という日本の現状(2021年世界経済フォーラムWEFより)。ジェンダー平等は今や地球規模のテーマであり、SDGs、持続可能な開発目標のひとつです。
世界の中でもかなり後れているといわざるを得ない日本のジェンダー問題、まずは表現、言い回しや書き方から見直していきましょう。
女医、女子アナ……その「女」必要ですか?
以下に心当たりのある方、要注意です。この本の一読をおすすめします。
□女医、女子アナと普通に言っている
□「美しすぎる○○」ってだめなの!?
□「女性ならではの気配り」は褒め言葉?
□「薄着の季節だから痴漢に注意」のどこがNG?
□女の子の出産祝いはピンクでしょ?
□「ご主人の職業は?」って聞いちゃいますけど
□「ビジネスマンやOLに調査しました」何が問題?
□「尾瀬は山ガールに人気です」よく聞くよね
□「あの子、女子力高いね」よく言うよね
□「当社は子育てとの両立で女性社員に配慮しています」…炎上しました
□「LGBTらしい繊細さを感じる小説だ」配慮したつもりです
「ノーバン投球」「スク水揚げ」……メディアと受け手の共犯関係、もうやめよう
女性著名人が野球の始球式に登板したときのニュースでよく使われる「ノーバン投球」。
ノーバウンド、つまり一度も地面に着くことなくキャッチャーミットに投げられたという表現ですが、この記事の真意はそこにはありません。
「ノーパン投球」ノーパン、つまり下着なしという意味の言葉と空目することを狙った、セクハラ的なタイトルなのです。
この表現が男性著名人の場合に使われることはなく、浮かび上がるのは、メディアとそれを読む男性読者のいわば共犯関係。いかにも日本的で非常に恥ずかしいことだと思いませんか。
「スク水揚げ」は南方の海でスクという小魚の収穫が始まったという季節の記事に使われる見出し。これがなぜか毎年twitterのトレンドに上がります。
正しくは「スク、水揚げ」なのですが「スク水揚げ」、スク水→スクール水着のネットスラングを連想させるからです。
記事が配信されるとユーザーがスクール水着の女の子のイラスト画像をアップするという流れが10年ほど続いています。メディアも受け手も確信犯だと思います。
「キャバクラに飲みに行ったり、一緒に下品なことをやったりして、秘密の共有で仲良くなるというのに近い関係性」だと、この本に登場いただいている芸人のモバイルプリンスさんは語ります。
いわゆる“言葉狩り”ではありません。表現だけの問題でもありません
組織や集団の中で、女性の割合が3割を超えると、ジェンダー平等の視点から様々な課題を「見える化」しやすくなると言われています。ジェンダーは、表現、言葉だけの問題ではないのです。逆に女性が多い集団の中で、男性が関わる「生きづらさ」も最近課題に挙がっています。
表現や言葉においても、これはだめ、あれはNGと、○×をつけられるほど、ことは単純ではありません。
こういう言い方はおかしくない?
実は偏見に基づいていないか。
誰かを不当に貶めたり差別を助長させたりすることにつながっていないだろうか。
その視点を常にもつこと。それだけで世界は変わっていく、そう信じています。
本書を読み終えたとき、普段の生活で触れる新聞や雑誌、ニュースやポスター等で使われている言葉やデザインなど、今まで当たり前だと思って見てきた表現に「あれ?」と違和感を抱くようになり、心がざわつき始めることでしょう。
そのような「気づき」「違和感」を持っていただけたら、本書に携わった者としてはとても嬉しく思います。
【著者プロフィール】
新聞労連ジェンダー表現ガイドブック編集チーム
日本新聞労働組合連合(新聞労連)に加盟する全国紙や地方紙、通信社や個人加盟の労働組合の組合員20人で構成。新聞業界全体のジェンダー平等意識と表現の向上を目指して、北海道から沖縄まで各地の記者らが2020年から活動を始めた。チームメンバーを中心に、業界内外でジェンダー平等に関する対話を進めるため、シンポジウムなども開催。新聞労連は、全国の新聞関連産業の労組が加入する日本で唯一の産業別労働組合。現在86の組合が加盟、約1万8千人が登録(21年12月1日時点)。
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