4月2日からの「発達障害啓発週間」を前に、一般・発達障がい児の保護者双方へ意識調査を実施 子どもの発達障がいが「周囲から理解されている」と感じる保護者、わずか3割依然として「発達障がい」の認知・理解が低い状況が明らかに

プレスリリース発表元企業:株式会社ウイングル

配信日時: 2014-03-27 16:00:00

障がいがある方を対象とする就労支援センター、子ども一人ひとりの状況に即したオーダーメイドの幼児教室・学習塾を全国展開する株式会社ウイングル(本社:東京都目黒区、代表取締役社長:長谷川 敦弥)は、厚生労働省が定める「発達障害啓発週間」(4月2日~8日)を前に、「発達障がいに関する意識調査」を実施いたしました。調査は、インターネットを利用し、ウイングルが運営する発達障がい児や発達が気になるお子様をもつ家族向けのコミュニティサイト「ふぁみえーる」の会員330名と、一般の20~60代男女300名を対象に「ふぁみえーる」会員と一般の方とで別々の質問をおこないました。

「発達障がいに関する意識調査」詳細
http://www.atpress.ne.jp/releases/44761/att_44761_1.pdf


【調査結果のポイント】
http://www.atpress.ne.jp/releases/44761/img_44761_1.jpg

(1) 「ふぁみえーる」会員への調査から
A) 子どもの発達障がいについて、「周囲から理解されている」と感じる保護者はわずか3割
B) 約半数の保護者が、子どもの発達障がいがわかったとき、「自分の育て方が悪いせい」と感じた経験がある。さらに子どもの発達障がいについて、周囲から「保護者の育て方が悪いせい」と指摘された経験がある母親も半数近くに上り、発達障がいへの理解度の低さが浮き彫りに
C) 発達障がいの子育てに関する情報は「足りていない」が約7割。情報は「インターネット」・「専門機関や医療関係者」から主に入手しており、情報の信頼性では「専門機関や医療関係者」がトップ

(2) 一般への調査から
A) 発達障がいについて「特徴まで含めて知っている」のは約4割。6割弱が「発達障がい」について名前以上の知識を持っていない
B) 発達障がいについて「特徴まで含めて知っている」と回答した人でも、その原因や治療について誤解を持つ人が存在、女性に比べて男性で誤解度が高い傾向にあることがうかがえる


【調査結果のポイントデータ】
■「ふぁみえーる」会員への調査
A.子どもの発達障がいについて、「周囲から理解されている」と感じる保護者はわずか3割

Q.お子様の発達障がいについて、周囲から理解されていると感じますか(n=246)
 グラフ: http://www.atpress.ne.jp/releases/44761/img_44761_2.jpg
 ・十分理解されていると感じる   ( 4.1%)
 ・やや理解されていると感じる   (26.4%)
 ・どちらともいえない       (30.5%)
 ・あまり理解されていないと感じる (32.5%)
 ・まったく理解されていないと感じる( 6.5%)

子どもの発達障がいについて、周囲から理解を得られていると感じられるかを尋ねたところ、「理解されている」と回答した保護者(「(十分/やや)理解されていると感じる」と回答)は30.5%で、「理解されていない」と回答した保護者(「(あまり/まったく)理解されていないと感じる」と回答)の39.0%を下回り、保護者自身の実感として、周囲の理解不足を感じることが多いことが分かりました。


B.約半数の保護者が、子どもが発達障がいと分かったときに、「自身の育て方に原因がある」と捉えており、同じく約半数が、周囲から「自身の育て方が原因」と指摘を受けた経験がある

Q.お子様が発達障がいと分かったとき、ご自身の育て方に原因があると思いましたか(n=246)
 グラフ: http://www.atpress.ne.jp/releases/44761/img_44761_3.jpg
 ・とてもそう思った    (34.6%)
 ・ややそう思った     (14.6%)
 ・あまりそう思わなかった (37.4%)
 ・まったくそう思わなかった(13.4%)

Q.お子様の発達障がいについて、「自身の育て方に原因がある」と周囲から指摘された経験がありますか(n=246)
 グラフ: http://www.atpress.ne.jp/releases/44761/img_44761_4.jpg
 ・ある(47.6%)
 ・ない(52.4%)

発達障がいは、先天的な脳機能障害が原因であり、育て方やしつけなど、保護者の育て方が原因ではありませんが、子どもが発達障がいと診断された際に、「自身の育て方に原因がある」と感じた保護者(「『とても/やや』そう思う」と回答)が半数近く(49.2%)に上りました。さらに、半数近くの保護者(47.6%)が、周囲から子どもの発達障がいについて「自身の育て方に原因がある」と指摘を受けた経験があると回答しており、発達障がいに関する正しい知識が不十分なことから、保護者が必要以上に自分を責めてしまう状況になりがちであることが示唆されます。


C.「子どもの発達」に関する情報入手は専門家や書籍を抑えて「インターネット」がトップに、しかし7割近くが「情報が足りていない」と回答

Q.お子様の子育てや発達に関する情報はどこから入手しますか(複数回答) n=330
 グラフ: http://www.atpress.ne.jp/releases/44761/img_44761_5.jpg
 ・専門機関・医師など医療従事者から     (75.2%)
 ・幼稚園・保育園、小学校の先生から     (27.9%)
 ・自身や配偶者の父親・母親から       ( 9.7%)
 ・発達が気になるお子さんを持つ友人・知人から(43.9%)
 ・その他の友人・知人から          (10.6%)
 ・インターネットから            (76.1%)
 ・発達障がいに関する書籍から        (64.2%)
 ・テレビ・新聞などのマスメディアから    (22.7%)

Q.その中で最も有効と感じる情報源はどれですか(単数回答) n=330
 グラフ: http://www.atpress.ne.jp/releases/44761/img_44761_6.jpg
 ・専門機関・医師など医療従事者から     (43.0%)
 ・幼稚園・保育園、小学校の先生から     ( 4.5%)
 ・自身や配偶者の父親・母親から       ( 1.8%)
 ・発達が気になるお子さんを持つ友人・知人から(13.3%)
 ・その他の友人・知人から          ( 1.8%)
 ・インターネットから            (18.5%)
 ・発達障がいに関する書籍から        (12.7%)
 ・テレビ・新聞などのマスメディアから    ( 0.6%)
 ・その他                  ( 3.6%)

Q.お子様の子育てや発達に関する情報は、足りていると思いますか(単数回答) n=330
 グラフ: http://www.atpress.ne.jp/releases/44761/img_44761_7.jpg
 ・十分足りている   ( 2.7%)
 ・やや足りている   (27.6%)
 ・あまり足りていない (51.5%)
 ・まったく足りていない(18.2%)

 子どもの育て方や発達に関する情報の入手経路について尋ねたところ、「専門機関・医師など医療従事者から」(75.2%)をわずかに上回り「インターネットから」(76.1%)がトップとなり、子どもの発達について気軽に相談できる人が周囲に少ないなかで、インターネットが貴重な情報源になっていることが分かりました。「もっとも有効な情報源」では「専門機関や医療関係者」が43.0%と他を引き離してトップとなり、インターネットを活用して広く情報を集めるとともに、身近な専門機関や医療関係者の声からの情報を重視する保護者の姿が浮かび上がりました。
 一方で、子育てや発達に関する情報が「足りていない」と回答した保護者(「(あまり/まったく)足りていない」と回答)も、69.7%と7割近くに上っており、より一層、発達障がいの子どもを持つ保護者が子育ての参考にできる情報を増やしていくことが重要と思われます。


■一般への調査
1.いまだに低い発達障がいの認知率。6割弱は「発達障がい」について名前以上の知識がない

Q.あなたは「発達障がい」という言葉を知っていますか(単数回答) n=300
 グラフ: http://www.atpress.ne.jp/releases/44761/img_44761_8.jpg
 ・具体的な特徴も含めて知っている     ( 7.3%)
 ・ある程度の特徴も含めて知っている    (35.0%)
 ・名前だけは知っている          (38.0%)
 ・名前だけは聞いたことがあるような気がする(13.3%)
 ・知らない/聞いたことがない       ( 6.3%)

「発達障がい」ということばの認知度を尋ねたところ、その特徴も含めて「(具体的に/ある程度)知っている」と回答したのは42.3%と、過半数が発達障がいについて名前以上の知識を持っていないことが明らかになりました。男女別で見ると男性が38.7%、女性が46.6%となり、男性に比べてやや女性の認知度が高いことも分かりました。


今回の調査では、一般の方への質問から「発達障がい」について正しい理解をしている人は半数に満たないことが分かりました。また、周囲から「育て方に原因がある」と指摘された経験を持つ発達障がい児の保護者も半数近くに上っており、今後さらに、「発達障がい」に関して正しい理解の促進が必要であると考えます。

ウイングルでは、「障害者という言葉がない社会をつくる」というビジョンのもと、障がいのある方を対象とする就労支援センターを全国38箇所で展開しており、子ども一人ひとりの状況に即したオーダーメイド学習教室「Leaf」を首都圏計35箇所で展開しています。また、発達障がい児や発達が気になるお子さまを持つ家族の応援サイト「ふぁみえーる」の運営も行っており、1万2千人を超える会員登録をいただいています。今後も、障がいのある方や子どもの支援とともに、その家族にとってもよりよい生活を送っていただけるように、必要な情報を発信してまいります。


【調査概要】
(1) 「ふぁみえーる」会員への調査
■調査対象:発達障がい児または発達が気になる子どもを持つ保護者330名

・調査対象者(保護者)の年代 (男性:31名、女性:299名)
 10代~20代:5名
 30代   :124名
 40代   :178名
 50代以上 :23名

・調査対象者(保護者)の「発達障がい」または「発達が気になる」子どもの現年齢
 0~2歳 :14名
 3~5歳 :71名
 6~8歳 :98名
 9~11歳 :92名
 12歳以上:55名

・調査対象者の子どもの診断状況
 発達障がいと診断されたことがある       :246名
 発達障がいと診断されていないが、発達が気になる:84名

■調査手法:「ふぁみえーる」会員へのメールから
      アンケートフォームにて回答
■調査期間:2014年3月上旬


(2) 一般への調査
■調査対象:20代~60代の男女300名(性・年代均等割付)
■調査手法:インターネット調査
■調査期間:2014年3月上旬


【ウイングルについて】
 ウイングルは、2005年12月設立以来、日本における社会問題としての「障がい者雇用」分野に着目し、一法人としては全国最多となる全国38拠点(2014年3月時点)で事業所を展開しています。企業向けの障がい者雇用支援から始まった事業は、現在では障がい者向け職業訓練事業、そして障がい者の家族向け事業や教育事業など、その領域を広げています。幼児教室「Leafジュニア」を首都圏22箇所、学習指導施設「Leafプログレス」を首都圏13箇所(2014年3月時点)で開校しています。詳細は http://www.wingle.co.jp/ をご覧ください。

詳細はこちら
プレスリリース提供元:@Press