横河電機 1細胞解析に革命をもたらす細胞内サンプリングシステム「SS2000」を開発

プレスリリース発表元企業:Yokogawa Electric Corporation

配信日時: 2021-12-01 13:28:00

横河電機 1細胞解析に革命をもたらす細胞内サンプリングシステム「SS2000」を開発



(東京)-(ビジネスワイヤ) -- 横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:奈良 寿)は、培養中の細胞を共焦点顕微鏡で高精細に撮像し、特定の細胞や1細胞内成分のサンプリング工程を自動で正確に実行する Single Cellome™ System (シングル・セローム・システム)「 SS2000」を開発したことをお知らせします。2022年2月から日本、米国、中国での販売を開始し、欧州他の地域でも順次販売していく予定です。

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Single Cellome System SS2000 (Photo: Yokogawa Electric Corporation)Single Cellome System SS2000 (Photo: Yokogawa Electric Corporation)

開発の背景:

生物を構成する最小の単位である細胞はそれぞれに個性があるため、細胞を集団ではなく、個々の細胞でとらえる1細胞解析への注目が高まっています。また近年では、分析技術が向上したこともあり、1細胞だけでなく細胞内にある特定の分子を目的とした解析も求められています。細胞の特性や機能を解明し、細胞が変質する理由や仕組みを研究することは、疾病の原因究明やその予防、薬効薬理の検証に非常に有効であり、創薬研究や個別化医療、再生医療の発展には欠かせません。

しかし、細胞内成分の解析においては、おもに細胞を集めて破砕する手法で行われるため、1細胞単位でサンプリングすることが出来ず、回収できない成分も数多くありました。また、細胞が存在していた場所や従来の形状についての情報も、失われている状態にありました。さらに、手動で行うサンプリングの作業はベテランの研究員であっても、熟練の技術が必要で、スループットが悪いという課題がありました。

生きた細胞のわずかな現象も逃さずリアルタイムに解析する当社のイメージングのコア技術をベースに、自動で正確にサンプリングの操作を制御する新技術を取り入れたSingle Cellome System 「SS2000」は、最先端のライフサイエンス分野の研究を支えます。

特長:

共焦点顕微鏡技術によって細胞を生きた状態で、低ダメージに高速で撮像します。高精細な3D画像を高感度で分析しながら、精密な位置決め技術を用いて、自動で正確にサンプリングします。

1. 設定条件から細胞や1細胞内の最適な領域を選択
対象の範囲にある多数の細胞の画像解析を行い、細胞質の面積や核の大きさというように設定した条件で分類します。そして、目的に合う細胞の選択とサンプリングのための位置を決定します。1細胞内においても、特定の部位の画像処理を行い、核からの距離というように設定した条件において、最適な領域を選択します。

2. 目的とする細胞や1細胞内の成分の確実なサンプリング
細胞を剥離することなく、位置情報や形態情報を保持した状態で、目的とする細胞のみを直接サンプリングします。1細胞内の成分サンプリングでは高精細な3D画像と精密な位置決めにより、目的とする細胞小器官や細胞質を選択的に採取することができます。

3. サンプルは様々な分析に利用することが可能
採取した細胞や1細胞内の成分は、遺伝子解析や質量分析など様々に利用することが可能です。目的のサンプルを最適な状態で効率的に集めることができるため、分析の感度が向上します。また、丸ごとサンプリングした細胞は生かしたまま回収することができ、そのまま培養することもできます。

横河電機 執行役員ライフ事業本部長の中尾寛は、次のように述べています。「今回開発した細胞内サンプリングシステム『SS2000』は、細胞研究の未来を支えるソリューションです。1細胞の特性だけでなく、細胞間のネットワークやコミュニケーションが理解できれば、病態のメカニズムの解明につながっていきます。人生が100年という時代、人々の命、健康、安全を守るためのソリューションの開発、提供をますます加速させていきます。」

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E-Mail: Yokogawa-pr@cs.jp.yokogawa.com

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