オーストラリア・タスマニア州の遺伝子組み換え作物モラトリアム継続の決定を受け、タスマニア州副知事に手紙を出しました
配信日時: 2014-01-29 15:13:15
生活クラブ連合会は、オーストラリアのタスマニア州政府が発表した遺伝子組み換え作物の栽培モラトリアム(期限付き栽培禁止)継続の方針を歓迎するため、タスマニア州副知事に手紙を出しました。
生活クラブ連合会は、タスマニア州(オーストラリア)が遺伝子組み換え作物のモラトリアム(期限付き栽培禁止)を実施していることから、タスマニア島の生産者が出資する出荷会社との直接の提携関係強化をすすめています。現在のモラトリアムの期限は2014年11月であり、州政府はその見直し作業を行っていましたが、1月9日、モラトリアムの無期限延長を発表しました。
生活クラブ連合会は1月21日の理事会で、この決定を歓迎する手紙をタスマニア州副知事に出すことを決めました。以下その全文です。
2014年1月21日
生活クラブ連合会は貴州が1月9日、遺伝子組み換え作物と動物の禁止を継続すると発表したことを、大変喜ばしく思っています。
生活クラブ連合会は、東日本を中心とする33の会員組織からなる生活クラブ生協の連合組織であり、組合員は合計で約34万人です。私たちは、タスマニア州の遺伝子組み換え作物モラトリアムの見直しについて、添付のような意見を10月10日に提出しました。私たちは貴州とのNON-GMナタネの取組みを開始したところであり、この取組みが長期的に継続することを望んでいます。
遺伝子組み換えナタネが貴州でいったん栽培されれば、こぼれ落ちなどによってNON-GMナタネが汚染される危険は非常に高いことから、私たちはモラトリアムの継続を強く望んできました。モラトリアムの継続を歓迎するとともに、私たちにNON-GMナタネを供給しつづけていただくことをお願いするために、大臣にお手紙を差し上げることにしました。
生活クラブは自分たちが取り扱う食材について、遺伝子組み換え原料を原則的に使わない方針をとっています。それには3つの理由があります。私たちは遺伝子組み換え食品について、1.食品としての安全性が不確かであり、2.環境への影響が制御できず、3.多国籍企業の種子支配につながる、と考えているからです。
日本人はナタネ油を日常的に料理に使います。生活クラブで取り扱うナタネ油を製造する米澤製油は、原料のナタネをカナダから輸入していましたが、1996年にカナダで遺伝子組み換え作物の栽培が始まり、NON-GMナタネの確保がカナダではできなくなったことから、1997年、西オーストラリア州からのNON-GMナタネの輸入を始めました。現在、5000トンのNON-GMナタネを毎年、西オーストラリア州から輸入しています。
その西オーストラリア州では2008年から遺伝子組み換えナタネの作付が始まりました。それ以来、IPハンドリングでNON-GMナタネの輸入を行なっていますが、遺伝子組み換え作物のモラトリアムを行なっているタスマニアからもNON-GMナタネを輸入できないかと、貴州のTAP社と直接契約を結び、NON-GMナタネの輸入を始めたところです。今後も貴州との持続的なビジネスの継続を強く望んでおり、今回のモラトリアム継続の知らせに、たいへん勇気づけられています。
今後とも遺伝子組み換え作物には慎重な姿勢を維持し、私たちのタスマニア州との関係をご支援くださいますよう、よろしくお願いします。
以上
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