台湾の再生可能エネルギー産業の振り返りと今後の展望2021年第2四半期<ワイズ機械業界ジャーナル2021年9月第3週号発行>
配信日時: 2021-09-16 11:55:16
~台湾機械業界の最新動向と分析~
ワイズコンサルティング グループ(本社:中華民国台北市、代表取締役:吉本康志)は台湾機械業界専門誌「ワイズ機械業界ジャーナル」の9月第3週号を発行しました。今週号では、エネルギー業界、台湾工業総会産業白書、自動車部品メーカーの吉茂精密、工作機械業界を紹介します。
[画像1: https://prtimes.jp/i/59899/94/resize/d59899-94-efd668136feb99e029c1-0.jpg ]
<210916号内容>
[表: https://prtimes.jp/data/corp/59899/table/94_1_e03263d0847c558741e7d0fe5b7ffad3.jpg ]
●今週号記事の一部を紹介します。
台湾の再生可能エネルギー産業の振り返りと今後の展望2021年第2四半期
一、産業概況
1.太陽光発電産業
2021年第2四半期は、海外で新型コロナウイルス感染症の流行拡大が落ち着いていたことから、米国及び欧州市場におけるシリコン電池需要が増加した。また、第2四半期は台湾太陽光発電産業の需要期に当たることに加えて、20年に見送られた設備調達が再開したこと、大型太陽光発電所工事が開始されたことなどから、21年第2四半期の産業全体の出荷量が成長した。さらに原材料価格の高騰を受けて、台湾太陽光発電メーカーが製品価格を引き上げたため、21年第2四半期の台湾当産業の生産額は前期比17.8%増の182億3,000万台湾元となった。
2.風力発電産業
2021年第2四半期は世界風力発電市場の需要が小幅回復し、風力発電機の原材料及び部品メーカーの海外出荷量が前期比で成長した。
台湾市場は洋上風力発電関連の需要が中心で、洋上風力発電機向け水中基礎の出荷は安定しているものの、21年第1四半期のタワー及び水中基礎の出荷量が多かったため、21年第2四半期の出荷量は前期比で減少した。海外市場では、台湾当産業メーカーは主に中国に生産拠点を置き、中国の風力発電機メーカーや中国に工場を設置する欧米系風力発電機メーカーに製品を供給している。
総合すると、2021年第2四半期の台湾当産業の生産額は前期比12.5%減、前年同期比21.4%増の88億8,000万台湾元だった。第3四半期と第4四半期の出荷量は大幅増加すると予測される。
3.その他産業
燃料電池産業は、水素エネルギーへの関心が世界的に高まったことに加えて、米国での需要増加、韓国のインフラ整備と発電所での燃料電池増設の政策推進などが要因となり、燃料電池部品の受注が安定して成長した。このため、2021年第2四半期の生産額は前期比6.6%増となった。バイオ燃料産業は、新型コロナウイルス感染症の流行が落ち着きつつあることに加えて、原油価格の上昇を受けて需要が増加したことから、21年第2四半期の生産額は前年同期比5%増となった。総合すると、燃料電池産業とバイオ燃料産業の合計生産額は前期比6.9%増の7億9,000万台湾元だった。
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二、今後の展望
1.太陽光発電産業
第3四半期は台湾太陽光発電産業の需要期に当たるが、原材料である多結晶シリコンの価格上昇に伴って電池モジュールも値上がりしたため、EPC(設計・調達・建設)業者の調達意欲が低下している。しかし、多結晶シリコンの価格上昇が落ち着きつつあることから、関連製品の出荷量は成長傾向を回復しているため、2021年第3四半期の台湾当産業の生産額は前期比4.3%増の190億1,000万台湾元と予測される。
また、新型コロナウイルス感染症の流行拡大を受けて見送られた太陽光発電装置の整備再開に加えて、大型太陽光発電所工事の実施によって台湾当産業の需要は増加し、2021年通年の生産額は前年比20.8%増の682億4,000万台湾元となる見通しだ。
2.風力発電産業
台湾風力発電産業は世界市場の動向に影響されやすい。2020年は中国及び欧米市場の主要顧客が調達規模を拡大して、21年の風力発電機の新設工事に備えたため、21年第3四半期の風力発電機原材料と部品など既存製品の出荷は減少するとみられる。しかし、新製品の需要が増加して減少した生産額の一部を相殺する見込みだ。
また、2021年下半期に洋上風力発電機部品の組立工場が稼働開始するが、出荷が21年第4四半期から22年第1四半期になることから、今年度の生産額への貢献は限りがあるだろう。このため、21年通年の台湾当産業の生産額は前年比21.8%増の408億5,000万台湾元と予測される。
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