「3D航空気象アプリ」で航空機の安全かつ効率的な運航の実現へ
配信日時: 2021-07-27 15:04:09
―ANA、エムティーアイ、JAXAの共同開発により、気象現象予測を「3D化」し航空機運航に活用―
全日本空輸株式会社(代表取締役社長:平子裕志、以下「ANA」)、株式会社エムティーアイ(代表取締役社長:前多俊宏、以下「エムティーアイ」)、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(理事長:山川宏、以下「JAXA」)は、航空機の安全かつ効率的な運航の実現を目指し、先進的な3D気象可視化技術を活用した気象情報アプリ「3DARVI」(スリーディーアーヴィー)の運用を2021年8月より開始します。
本3DARVIは、ANAのオペレーションノウハウ、エムティーアイの3D気象可視化技術、JAXAの世界初となる被雷危険領域(誘発雷)予測技術を搭載しており、気象現象・予測を3Dで可視化することで、迅速な情報把握を可能にします。
[画像1: https://prtimes.jp/i/2943/967/resize/d2943-967-f3547eb236ddeb6a8238-0.png ]
◆ANAのオペレーションノウハウとエムティーアイの3D気象可視化技術を活用した『ARVI』を融合
現在、ANAの運航乗務員や運航管理者は、文字情報や各種天気図などの様々な2次元の気象情報を立体的に捉えながら業務に取り組んでいます。
エムティーアイでは、気象現象を3Dで可視化する技術のノウハウと、容量の大きい3Dの気象データをリアルタイムに配信できる技術を有しています。
本アプリでは、ANAのオペレーションノウハウとエムティーアイの3D気象可視化技術を融合し、航空機の運航に影響のある雨・雲・気温・雷などの気象現象が立体的な3Dで可視化されることで、直感的かつ迅速な情報の把握が可能となり、運航に影響のある悪天候を回避して、安定的な運航ダイヤを維持するとともに、お客様により快適な運航を提供していきます。
※被雷危険領域・雨・雲の3D画像についてはエムティーアイが意匠登録出願中です。
◆JAXAの「被雷危険性予測技術」を活用
今回の可視化における特徴は、JAXAが開発を行っている被雷危険性予測技術(※)を活用することです。これは、過去の航空機被雷実績と気象データの分析により、航空機被雷が発生しうる領域を予測する世界初の技術です。
JAXAでは3年以上にわたり収集した気象データの分析を通して得られた知見を基に、航空機被雷が発生する危険性が高い領域を検出する技術を開発しました。この技術をもとにJAXAとエムティーアイでは、2019年11月より航空機の被雷回避に向けた共同研究を実施しており、被雷予測エリアの可視化に成功しています。
今回、ANAオペレーションの知見を加味することで、被雷可能性が高いエリアをより高い精度で特定し、実際の運航に活用できるようアルゴリズムの調整を行いました。そのアルゴリズムによって導き出される被雷の可能性の高いエリアを、エムティーアイの3D表示技術を利用して可視化すると同時に、リアルタイムで算出することに成功しました。これにより、被雷回避による最適な運航ルートの選択が可能となります。
※:JAXA 「WEATHER-Eyeビジョン」
https://www.weather-eye.jp/files/pdf/WEATHER-Eye-Vision_rev3_final.pdf
<JAXA 被雷危険性予測技術について研究発表>
Yoshikawa, E., & Ushio, T. (2019). Tactical Decision-Making Support Information for Aircraft Lightning Avoidance: Feasibility Study in Area of Winter Lightning, Bulletin of the American Meteorological Society, 100(8), 1443-1452. Retrieved May 17, 2021, from
https://journals.ametsoc.org/view/journals/bams/100/8/bams-d-18-0078.1.xml
<航空気象システム『ARVI』について>
『ARVI』は、今回の『3DARVI』のもととなる、エムティーアイが提供する航空気象総合システムです。
航空機の運航に必要なあらゆる気象・災害情報が揃っており、ルートやフライトプラン、トラッキングデータ(一部オプション機能)をひとつの画面でまとめて確認ができます。すでに、国内のエアラインに導入され、活用されています。
『ARVI』は、「air + vision」から作った造語です。「明瞭に先を見通して頂きながら、安全運航をサポートさせて頂きたい」という想いから命名し、航空機の安全な運航をサポートするとともに、業務効率化を図ります。
[画像2: https://prtimes.jp/i/2943/967/resize/d2943-967-8be0f1e76fe1a43cfce9-1.jpg ]
★サービスの詳細につきましては、以下のサイトをご参照ください。
https://www.aviavi-arvi.com/#p-point
★『ARVI』導入に関する問い合わせ先:
株式会社エムティーアイ コンタクトセンター
E-mail:arvi_support@cc.mti.co.jp
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