サーモフィッシャーサイエンティフィック、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症の診断補助に有用な体外診断用医薬品「イムノキャップ アレルゲンコンポーネント m218 Asp f 1(アスペルギルス由来)」が保険適用を取得

プレスリリース発表元企業:サーモフィッシャーサイエンティフィック ジャパングループ

配信日時: 2021-06-18 09:30:00

サーモフィッシャーサイエンティフィック ジャパングループ(グループ本社:東京都港区、代表:室田 博夫)は、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(以下、ABPA)の診断補助に有用な、血清中の特異的IgEを測定する体外診断用医薬品「イムノキャップ アレルゲンコンポーネント m218 Asp f 1(アスペルギルス由来)(以下、本製品)」について、2021年5月6日付で医薬品製造販売承認を取得し、2021年6月18日に保険適用されたことを発表します。
本製品は、2021年10月中旬の販売開始を予定しています。


本製品は、蛍光酵素免疫測定法(FEIA)を原理とし、コウジカビの一種であるアスペルギルス・フミガーツス由来の単離タンパク質(コンポーネント)であるAsp f 1(アスプ エフ ワン)をアレルゲンとして採用しています。本製品を用いて血清中の特異的IgEを測定することで、ABPAの診断を補助します。

真菌、いわゆるカビは日常身の回りに普遍的に存在し、ヒトに対して感染症、アレルギー、毒性反応などさまざまな健康障害の原因となることがあります(*1)。真菌の一種であるアスペルギルス属は、他の環境真菌より比較的乾燥に強く、胞子の直径が5μm以下と小さいことから、末梢気道に到達しやすい(*2)、また特にアスペルギルス・フミガーツスは高温性であり、他の真菌と異なり35度以上でも発育しやすい(*2) という特徴があります。このため、気道上皮傷害のある患者、特に喘息患者の下気道において腐生(持続生息)しやすく、アレルギー性気管支肺真菌症(以下、ABPM)の原因になりやすいと言われています(*2)。
ABPM のうちアスペルギルス属を原因とするものをABPAと呼び、アスペルギルス・フミガーツスは、アスペルギルス属の中でABPAの原因真菌として割合が多い(*3)、と報告されています。

ABPAはアスペルギルスが気道内で発芽、定着(腐生)することでアレルギー反応を誘発し、発症します。アスペルギルスは胞子の状態で気道内に吸入されますが、Asp f 1はアスペルギルス・フミガーツスの胞子中には存在せず、発芽後間もない時期に産生されます(*4)。このため、Asp f 1に対する特異的IgEが血清中に存在することにより、アスペルギルス・フミガーツスが体内で発芽し、定着してABPAの原因となっていることが強く疑われます(*5)。

ABPAは喘息を基礎疾患として有する患者が発症することが多く、日本国内における推定患者数は1万5千人とされています(*3)。本製品によるAsp f 1への感作の確認は、ABPAが疑われる患者におけるアスペルギルスの気道内腐生を示唆することから適切な治療判断に有用です。診断までの期間を短縮することで、早期における疾患へのフォローアップが可能となり、患者様におけるQOLの向上と予後の改善に貢献します。


■参考文献
(*1) 福冨 友馬 アレルギー 2016; 65: 113-117
(*2) 谷口 正実、福冨 友馬 監修 吸入性アレルゲンの同定と対策 メディカルレビュー社
(*3) 日本アレルギー学会 日本呼吸器学会監修「アレルギー性気管支肺真菌症」研究班 アレルギー性気管支肺真菌症の診療の手引き 医学書院 2019
(*4) Arruda L. K. et al. The Journal of Immunology 1992; 149; 3354-3359
(*5) Sporik RB. et al. Clinical Experimental Allergy 1993; 23; 326-331


■製品概要
一般的名称 :アレルゲンコンポーネント特異的免疫グロブリンEキット
販売名 :イムノキャップ アレルゲンコンポーネント
m218 Asp f 1(アスペルギルス由来)
測定原理 :蛍光酵素免疫測定法(FEIA)
使用目的 :血清中のアスペルギルスアレルゲンコンポーネント
(Asp f 1)に対する特異的IgEの測定(ABPAの診断補助)
保険点数 :110点
一部変更承認日:2021年5月6日
承認番号 :23000EZX00034000
製造販売元 :サーモフィッシャーダイアグノスティックス株式会社


■サーモフィッシャーサイエンティフィック インコーポレイテッドについて
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