小学校の英語授業「目標の3観点に沿った評価」とは?
配信日時: 2021-04-16 12:00:00
ワールド・ファミリー バイリンガル サイエンス研究所(※以下、IBS)<東京都新宿区 所長:大井静雄>は、2021年3月28日(日)に小学校教諭・教育関係者を対象としたオンライン勉強会(計2時間/受講料:無料)を開催しました。テーマは、「4月からの英語授業 こうやってみよう!」。全国各地から約150名の申し込みがあり、事前に多くの質問が寄せられました。IBSでは参加者からの回答をシェアしながら行われた講義内容について、抜粋した記事を公開しました。
「小学校英語教育の現場で日々奮闘している先生方の一助になりたい」と企画された同勉強会の講師を務めてくださったのは、長年に渡り日本の英語教育に携わってこられた佐藤 久美子氏(玉川大学・大学院教育学研究科 名誉教授)と瀧沢 広人氏(岐阜大学 教育学部教育学研究科 准教授)のおふたりです。
■ 第1部「具体的なアクティビティに基づく授業づくりと評価の仕方」
■ 講師:佐藤久美子氏(玉川大学・大学院教育学研究科名誉教授)
佐藤教授は、文部科学省による学習指導要領の内容を整理したうえで、具体的なアクティビティや評価場面の例を挙げながら、効果的な授業づくりと評価の方法を紹介しました。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/255936/img_255936_1.jpg
Q)言語活動とは?
「実際に英語を使用して互いの考えや気持ちを伝え合う活動」です。
この言語活動には、コミュニケーションの目的や場面、状況などを設定しなければいけません。ここで注意しなければならないことは、「練習」と「言語活動」を区別することです。
発音練習や歌、ゲームなどは「練習」であり、必要な活動ですが、考えや気持ちを伝え合う要素を入れた「言語活動」も加えましょう。
Q)授業はどうやって組み立てる?
1年生から6年生まで、[Warm-up](例:色が登場する歌やチャンツ)→ [Practice](例:色の名前や目標表現I like~を練習)→ [Activity](例:好きな色を集めるお店屋さんゲーム)→ [Presentation](例:好きな色でTシャツをつくって発表)というように、授業の流れ(構成)を一定にすることが大切です。
ALT・JTEの先生との役割分担がしやすく、子どもたちも安心します。
Q)評価基準「目標の3観点に沿った評価」とは?
目標の3観点とは、「知識及び技能」、「思考力、判断力、表現力等」、「学びに向かう力、人間性等」です。これらの観点に沿って、子どもたちにどのような力が身についたのか、という成果を的確に捉える必要があります。さらに、その成果に基づいて授業改善を図る、というPDCAサイクルを確立させましょう。
このほか
Q)どのようなタイミングで評価する?
Q)どのような方法で評価する?
Q)評価の基準はどうやって決める?
など様々な疑問に回答しました。
■ 第2部「スモールトークを入れた授業構成と具体的事例紹介」
講師:瀧沢広人氏(岐阜大学 教育学部教育学研究科 准教授)
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/255936/img_255936_2.jpg
英語の授業の冒頭には、その授業で取り扱うテーマについて教師が英語で話をしたり、子どもたちがペアになって自分の考えや気持ちを伝え合ったりする活動「スモールトーク」があります。瀧沢准教授は、実際の授業映像やゲームのアイデアを見せながら、この「スモールトーク」のやり方やねらい、そして、子どもたちが楽しめる授業の組み立て方を紹介しました。
Q)スモールトークのねらいは?
文部科学省によって示されているねらいは、二つあります。
一つ目は、既習事項の定着です。子どもたちは、英語を学んでも、使う機会がなければ忘れてしまうため、スモールトークで着実に身につけさせることができます。
二つ目は、“What do you like?” - “I like apples.” というようなやりとりだけで終わらないよう、対話を続けていく方法を学ぶことです。さらには、授業内で英語を話す雰囲気をつくるなど、ほかにもさまざまな効果があると思います。
Q)スモールトークのやり方は?
基本的な型として、「【1】Teacher’s Talk」、「【2】児童同士のSmall Talk」、「【3】中間評価」、「【4】児童同士のSmall Talk」という4段階があります。これで約10分間です。
Q)Teacher's Talkのポイントは?
例えば、はじめに教師が実際の写真を見せながら「おととい、徳島に行ってホテルに泊まりました。これは私がホテルで食べた朝食です」と英語で話します。そのあとに、朝ごはんに何を食べるか、何が好きか、といった質問を子どもたちに投げかけることがポイントです。
この反応によって、既習の単語や表現を思い出せているかどうかを確認できるからです。この確認をしてから、”Let’s talk about breakfast!” というふうに子どもたちをペアにしてやりとりをさせます。
このほか
Q)子どもたちが楽しめる授業にするには?
Q)1時間の授業の組み立て方は?
など具体的な質問に回答しました。
講義中にもたくさんの質問や相談が寄せられ、時間が許す限り回答させていただきましたが、今後は、今回カバーしきれなかったテーマを扱ったり、1つのテーマを深く掘り下げたりする勉強会の開催も企画しています。
より詳しい内容はIBS研究所で公開中の下記記事をご覧ください。
■小学校教員向け勉強会「4月からの英語授業 こうやってみよう!」を開催しました
https://bilingualscience.com/event/%e5%b0%8f%e5%ad%a6%e6%a0%a1%e6%95%99%e5%93%a1%e5%90%91%e3%81%91%e5%8b%89%e5%bc%b7%e4%bc%9a%e3%80%8c4%e6%9c%88%e3%81%8b%e3%82%89%e3%81%ae%e8%8b%b1%e8%aa%9e%e6%8e%88%e6%a5%ad-%e3%81%93%e3%81%86%e3%82%84/
■ワールド・ファミリーバイリンガル サイエンス研究所(World Family's Institute Of Bilingual Science)
事業内容:教育に関する研究機関
所 長:大井静雄(脳神経外科医・発達脳科学研究者)
所 在 地:〒160-0023 東京都新宿区西新宿4-15-7 パシフィックマークス新宿パークサイド1階
設 立:2016年10 月
URL:https://bilingualscience.com/
詳細はこちら
プレスリリース提供元:@Press
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