楽天、慶應義塾大学医学部によるAMED研究プロジェクトに協力し、社会的PCR検査のコンセプトに則ったPCR検査を個人向けに提供開始

プレスリリース発表元企業:楽天株式会社

配信日時: 2021-03-31 16:01:44

- 10検体によるプーリング方式のPCR検査により、他者への感染性の有無を判定 -

 楽天株式会社(本社:東京都世田谷区、代表取締役会長兼社長:三木谷 浩史、以下「楽天」)は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下「AMED」)の公募において採択された慶應義塾大学医学部の西原 広史教授を研究開発代表者とする「COVID-19に対する唾液を用いた社会的検査体制を構築する研究」(以下「本研究」)(注1)に協力し、本研究において提唱される社会的PCR検査のコンセプトに則った「新型コロナウイルス唾液PCR検査キット プーリング方式10検体」(以下「本検査」)を、本日から個人向けに提供開始します(注2)。



 本研究では、経済活動と新型コロナウイルス感染症の感染抑制の両立を図るために、各個人を対象とした新型コロナウイルス感染症の他者への感染性の有無を判定することを目的とする社会的PCR検査のコンセプトを提唱しています(注3)。社会的PCR検査のコンセプトに則り、慶應義塾大学医学部が考案した検査方式「SocRtes」(読み:ソクラテス、SOCial pcR TESt)(注4)では、ウイルス量を判定する検査数値(Ct値)に基づいて受検者の対応に関する判断基準が明確化されました。また、10検体によるプーリング方式(注5)を用いることで、PCR検査を簡便かつ安価、大量に実施することを可能とします。より多くの方に他者への感染性を把握してもらうことで、無症状者からの感染拡大防止や早期の治療による感染者の減少に役立てることができます。

 本検査の実施を希望する方は「楽天市場」の店舗から申し込むことができ、価格は5,880円(税込6,468円)となります(注6)。感染の拡大予防には定期的な検査の実施が望ましいことから、自社の利益を追求するのではなく、個人のお客様の経済的負担を抑えるために利用しやすい販売価格を設定しました。
 受検者は指定した場所に配送される検査キットを使って唾液検体を採取後に返送することで、楽天から自身の感染状況や他者への感染性の有無の目安となる検査数値(Ct値)(注7)を含む検査結果が通知されます(注8)(注9)。また、隔離の必要性が疑われる結果が出た受検者に対しては、提携医療機関による診断(別費用)や、保健所への届け出等のフォローなどの体制も用意しました(注10)。なお、検査結果は検体提出時点での感染状況に関するものであり、感染早期のためウイルスが検知されない可能性やその後の感染の可能性があるため、定期的に検査を受け、政府・自治体からの要請等に従い、予防をこころがけていただくことを前提としています。

 楽天はこれまで、社会的PCR検査を実施するためのインフラ構築を目指し、西原教授を研究開発代表者とする本研究に昨年11月から協力しています。本研究では、企業・団体および個人向けに販売中のタカラバイオ株式会社(本社:滋賀県草津市、代表取締役社長:仲尾功一)と共同開発した「新型コロナウイルス唾液PCR検査キット」(以下、「本PCR検査用キット」)の提供や(注11)、ウェブサイトまたはスマートフォンから検査を申し込んだ方が検査結果をオンライン上で受け取れるようにする「個人向けPCR検査システム」の開発を行いました。

 新型コロナウイルス感染症の拡大防止には、検査者の負担を減らしつつ、より多くの方に検査を受けてもらうためのスクリーニング検査の仕組みが求められています。一方、従来の医学的PCR検査体制を使って大規模検査を行った場合、医療リソースへの負担等が懸念されています。本研究で確立を目指した社会的PCR検査は、社会を支える自治体や企業・団体内において、他者への感染性を有する感染者を日常的な定期検査で早期に発見できるようにし、感染拡大防止を図るとともに、他者への感染性のない受検者については活動の継続を可能にするといった社会インフラとしてのスクリーニング検査となります。

 楽天は今後も、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のための検査体制の拡充に努め、一日も早い新型コロナウイルス感染症の収束に向けて支援を続けてまいります。

(注1) 令和2年度 「ウイルス等感染症対策技術開発事業」(3次公募)の採択課題について
https://www.amed.go.jp/koubo/12/01/1201C_00002.html
(注2)本検査は楽天から提供しており、慶應義塾大学医学部は本検査に関して一切責任を負うものではありません。
(注3)慶應義塾大学医学部からのプレスリリースを参照してください。
https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/2021/3/31/28-78947/index.html
(注4)各個人を対象とした新型コロナウイルス感染症の他者への感染性の有無を判定することを目的とした検査方式です。
(注5)10検体を1度に混ぜて検査し、混ぜた検体が陰性の場合は10検体すべてを陰性と判断し、陽性検出の場合には別途保存している10検体を改めて個別に検査し陽性者を特定します。
(注6)「楽天市場」での販売は、「楽天検査キット販売ストア」にて本日より開始しています。
https://item.rakuten.co.jp/health-incubation/10000023/
(注7)検査結果に明記される検査数値(Ct値)および行動規範は、慶應義塾大学医学部の西原 広史教授が樹立した社会的PCR検査のコンセプトに準拠しています。本資料に記載の「■社会的PCR検査について」もご参照ください。
(注8)検査結果は、専用サイトを通じて楽天よりお客様に通知されます。個人情報および検査結果は、検査申込時にお客様が選択された提携医療機関もしくは医師・衛生検査所・楽天において、お客様に事前に同意を得た範囲で取り扱います。
(注9)慶應義塾大学医学部の研究における利用に同意されたお客様の検査結果およびこれに付随する情報は同大学にも共有されますが、当該情報だけで個人を特定することはできません。
(注10)届け出等の対応については、診断結果に基づき提携医療機関より行われることとなっています。なお、本検査では提携医療機関より陰性証明書の発行を行うことはできません。ご希望の方は、当社より別途販売している「新型コロナウイルス唾液PCR検査キット」の通常方式またはプーリング方式4検体をご利用ください。
https://corp.rakuten.co.jp/news/press/2021/0128_03.html
(注11)楽天、自宅等で検体採取が可能な「新型コロナウイルス唾液PCR検査キット」を提携医療機関のもと企業・団体対象に提供開始
https://corp.rakuten.co.jp/news/press/2020/1125_01.html


■社会的PCR検査について
慶應義塾大学医学部の西原 広史教授が提唱する社会的PCR検査とは、社会的検査基準の設定によるプーリング方式でのPCR検査です。検査数値(Ct値)を検査結果に明記し、検査数値に基づき他者への感染性の有無ととるべき行動の規範を示します。なお、本検査では他者へ感染を拡大する可能性のあるウイルス量を保有しているかどうかを判断するために、Ct=35を検査閾値(しきい値)としています。
[画像: https://prtimes.jp/i/5889/1432/resize/d5889-1432-516670-0.png ]

■「COVID-19に対する唾液を用いた社会的検査体制を構築する研究」概要
代表機関: 慶應義塾大学
研究開発代表者: 慶應義塾大学医学部 西原 広史教授
プレスリリース:
https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/2021/3/31/28-78947/index.html
概要:
国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の「ウイルス等感染症対策技術開発事業」の一環である「早期・大量の感染症検査の実現に向けて、新しい検査手法やシステム等の確立を目的とする開発・実証研究支援」の公募に対して、慶應義塾大学の「COVID-19に対する唾液を用いた社会的検査体制を構築する研究」が採択されました。本研究は、経済活動と新型コロナウイルス感染症の感染抑制の両立を図るために、他者への感染性を有していないことを証明する社会的検査としてのスクリーニング検査体制を構築することを目的に、2020年11月から2021年3月までの期間で実施するものです。

※記載されている会社名・製品名・サービス名などは、各社の登録商標または商標です。

以 上

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