オクタファルマ:血液悪性腫瘍患者における続発性抗体欠損症の治療に関する新しいコンセンサス勧告
配信日時: 2021-02-25 22:45:00
オクタファルマ:血液悪性腫瘍患者における続発性抗体欠損症の治療に関する新しいコンセンサス勧告
(スイス・ラッヘン)-(ビジネスワイヤ) -- 血液悪性腫瘍と続発性抗体欠損症(SAD)を患っている患者での免疫グロブリン補充療法(IgRT)の使用に関し、新しいエキスパートコンセンサスガイドラインが最近、European Journal of Haematology誌に掲載されました。
オクタファルマがスポンサーとなった本ガイドラインの発表は、血液悪性腫瘍に続発する低ガンマグロブリン血症の患者でのIgRTの使用に関して、初の汎欧州コンセンサスガイダンスとなるもので、欧州全域で臨床診療の整合性を支えることが狙いです。
オクタファルマは、続発性免疫不全症(SID)患者の管理を改善することに長年にわたり傾倒しており、2020年には慢性リンパ性白血病(CLL)患者で免疫グロブリン静注療法(IVIg)による一次感染予防を検討する第3相臨床試験のPRO-SIDを開始しました。これらの活動は、SID患者での感染リスクを管理するための充実した臨床データと統一ガイダンスという両方のニーズに対応するものです。
ガイダンス不在は患者をリスクにさらす
SADは、CLLや多発性骨髄腫(MM)などの血液悪性腫瘍の患者によく見られる合併症です。CLL患者の最大85%、くすぶり型MM患者の最大83%は免疫グロブリン値が低く、そのため感染症にかかりやすくなっています1,2。感染症はMM患者の22%、CLL患者の最大50%で死因となっている可能性があります3,4。IgRTは、血液悪性腫瘍の患者で感染症のリスクを低減する上で有効です5。
2019年にEMAはSID患者で使用できるようIVIgの使用拡大を承認しました6。ただし血液悪性腫瘍とSADを持つ患者でのIgRTの使用に関する詳細な欧州ガイドラインは存在しませんでした。IgRTによる治療開始、投与方法、中止のためのさまざまな戦略を含め、感染による負担を減らすための治療手法の差は、欧州全体で依然として大きなものです。
本ガイドラインの筆頭著者を務めたStephen Jolles教授(英国、カーディフ、ウェールズ免疫不全治療センター)は、次のように述べています。「続発性抗体欠損症(SAD)でのIgRTの使用に関するコンセンサスガイドラインの策定は、血液悪性腫瘍とSADを抱える患者さんを対象とする治療勧告をめぐっての大きなニーズに対処することが目的です。IgRTはこれら患者の一定グループで罹患率と死亡率を減らすことができ、医師がこのグループを特徴付けるとともに、感染リスクを管理するための一貫したガイダンスを手に入れることは重要です。」
免疫学と血液腫瘍学の専門家8人から構成されるタスクフォースがIgRTの重要側面に関する記述を作成し、欧州の専門家32人から構成されるパネルがこの記述を審査しました。このデルファイ法によるコンセンサス形成により、血液悪性腫瘍が原因のSADに対する明確な勧告が策定されました。例えば、抗がん治療の開始時におけるIgG値の測定、単回の重度感染症の最中または後に適切な抗感染療法を受けたか再発性または持続性の感染症の最中でIgG値が4 g/lを下回るか試験的予防接種が失敗した患者でのIgRT治療の開始、体重1kg当たり0.4 gを3~4週ごとに投与するという最小のIgG投与量にてのIgRT開始、最低6カ月間感染症がなく免疫学的回復の証拠を伴う場合のIgRT中止です。21項目のコンセンサスステートメントは、再発性または持続性の重度感染症を患ったSAD患者に対するIgRTの重要性を強調しており、IgRTの開始、投与法、中止に加え、IgG値の測定および皮下注射用免疫グロブリン(SCIg)治療の使用に関する指針を提供します。発表されたガイドラインはオープンアクセス(「血液悪性腫瘍患者における続発性抗体欠損症の治療:欧州エクスパートコンセンサス」(Treating Secondary Antibody Deficiency in Patients with Haematological Malignancy: European Expert Consensus))を通じてご覧いただけます。
最近のコンセンサスガイドラインに関する詳細情報を含め、血液悪性腫瘍患者におけるSIDに関する詳細情報はhttps://www.secondaryimmunodeficiency.com/でご確認ください。
PRO-SID試験の患者募集は継続中
CLLとSIDを患った患者でIVIgを検討する第3相PRO-SID試験(NCT04502030)の患者募集は、7カ国の22施設で進行中です。PRO-SID試験は、CLLとSIDを持つ患者で一次予防としてのIVIg(Panzyga®)の有効性と安全性を検討中です。IVIgを使用した二次予防は、血液悪性腫瘍とSADを患った患者で感染症の発生率を低減する手法として確立していますが、一次感染予防、すなわち重大な感染が発生する前の予防法としてのIVIgに関する充実したデータが必要とされています7。
オクタファルマの取締役であるオラフ・ウォルターはSID分野へのオクタファルマの関与について、次のように述べています。「血液悪性腫瘍とSIDを患った患者さんにとって感染症は依然として重大な懸念事項であり、オクタファルマは生命を脅かす可能性があるこのような合併症のリスクを最小限にとどめる方法への理解を深めるため、一貫して奮闘しています。」
PRO-SID試験について
PRO-SID試験(NCT04502030)は、慢性リンパ性白血病(CLL)と低ガンマグロブリン血症(IgG濃度5 g/L未満)を患い、抗腫瘍薬治療を受けている患者でPanzyga®の有効性と安全性を検討する前向き二重盲検ランダム化多施設プラセボ対照介入第3相試験です。本試験は欧州(イタリア、ポーランド、デンマーク、ハンガリー、ドイツ、ロシア)と米国の複数の施設で実施中であり、240人以上の患者を募集する計画です。
Panzyga®について
Panzyga®は10%ヒト正常免疫グロブリンの静注用溶液です。Panzyga®は米国、欧州、カナダで原発性免疫不全症と突発性血小板減少性紫斑病の治療用に承認されています。また欧州とカナダで続発性免疫不全とギランバレー症候群、欧州で川崎病、慢性炎症性脱髄性多発神経根障害(CIDP)、多巣性運動ニューロパチー(MMN)の治療用に承認されています。
オクタファルマについて
スイス・ラッヘンに本社を置くオクタファルマはヒトタンパク質の世界最大級のメーカーで、ヒト血漿およびヒト細胞株に由来するヒトタンパク質の開発と製造を行っています。
オクタファルマは世界で9000人以上の従業員を擁し、血液疾患、免疫療法、集中治療の3治療領域における製品を通じて118カ国の患者の皆様の治療を支えています。
オクタファルマは、7軒の研究開発施設と6軒の最先端生産施設をオーストリア、フランス、ドイツ、メキシコ、スウェーデンに有しており、160軒以上の血漿献血センターを欧州と米国で運営しています。
References
Patel SY, Carbone J, Jolles S. The Expanding Field of Secondary Antibody Deficiency: Causes, Diagnosis, and Management. Frontiers in Immunology 2019; 10 (DOI: 10.3389/fimmu.2019.00033).Kyle RA, Remstein ED, Therneau TM, Dispenzieri A, Kurtin PJ, Hodnefield JM, Larson DR, Plevak MF, Jelinek DF, Fonseca R, Melton LJ, Rajkumar SV. Clinical course and prognosis of smoldering (asymptomatic) multiple myeloma. N Engl J Med 2007; 356:2582-90.Blimark C, Holmberg E, Mellqvist UH, Landgren O, Bjorkholm M, Hultcrantz M, Kjellander C, Turesson I, Kristinsson SY. Multiple myeloma and infections. Haematologica 2015; 100:107-13.Compagno N, Malipiero G, Cinetto F, Agostini C. Immunoglobulin replacement therapy in secondary hypogammaglobulinemia. Frontiers in Immunology 2014; 5:626.Benbrahim O, Viallard J-F, Choquet S, Royer B, Bauduer F, Decaux O, Crave J-C, Fardini Y, Clerson P, Lévy V. The use of octagam and gammanorm in immunodeficiency associated with hematological malignancies: a prospective study from 21 French hematology departments. Hematology 2019; 24:173-82.EMA. Guideline on core SmPC for human normal immunoglobulin for intravenous administration (IVIg) 2019; https://www.ema.europa.eu/en/documents/scientific-guideline/guideline-core-smpc-human-normal-immunoglobulin-intravenous-administration-ivig-rev-5_en.pdf (EMA、「静脈注射用ヒト正常免疫グロブリン(IVIg)のコアSmPCに関するガイドライン」)Agostini C, et al. Prophylactic immunoglobulin therapy in secondary immune deficiency – an expert opinion. Expert Rev Clin Immunol 2016; 12:921-926.本記者発表文の公式バージョンはオリジナル言語版です。翻訳言語版は、読者の便宜を図る目的で提供されたものであり、法的効力を持ちません。翻訳言語版を資料としてご利用になる際には、法的効力を有する唯一のバージョンであるオリジナル言語版と照らし合わせて頂くようお願い致します。
businesswire.comでソースバージョンを見る:https://www.businesswire.com/news/home/20210225005653/ja/
連絡先
Ivana Spotakova
Communications Manager
ivana.spotakova@octapharma.com
Tel.: +41793474607
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