新型コロナウイルス禍における働く個人・企業の意識調査トピックス編
配信日時: 2021-02-17 13:30:00
株式会社リクルートキャリア(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:佐藤 学)は、2020年9月に、働く個人と人事担当者にアンケートを実施しました。2度目の緊急事態宣言を受け、さらに働き方の変化が必要とされる中、昨年の急速なテレワークの広がりに際し起きていた課題に改めて目を向けるきっかけになればと考え、トピックス編として本プレスリリースをまとめました。この困難な状況を乗り越えるための参考になれば幸いです。なお、調査時である2020年9月と、本プレスリリース発信時の2021年2月では、2度目の緊急事態宣言の内容・適用範囲の違いをはじめ、人々を取り巻く状況が異なる点もあることにご留意ください。
■ 概要
1.[TOPIC] テレワークでの働き方の満足度(個人向け調査)
テレワークでの働き方の満足度を8項目で確認。「働く時間(始業・終業時間や休憩など総合的に)」が70.3%で最も満足度が高く、以下「有給休暇の取得しやすさ」(61.2%)、「働く場所(家やサテライトオフィスの中の環境)」(57.4%)と続いた。一方で、不満足の割合が高かった項目は、「勤務環境を整えるための会社からの補助」、「働くためのツール」といった勤務環境の整備に関わるものが目立った。
2.[TOPIC] 世帯形態別でみた満足度とストレス状況(個人向け調査)
世帯形態別での比較では、20代~40代の全ての年代で「夫婦(子どもなし)」、「夫婦(子どもあり)」、「ひとり暮らし」の順にテレワークでの満足度が高かった。また、テレワーク前には感じなかったストレスを最も感じていたのは、20代~40代の全ての年代において「夫婦(子どもあり)」で、「ひとり暮らし」、「夫婦(子どもなし)」が続いた。
3.[TOPIC] 新型コロナウイルス禍の影響で新たに導入した人事制度(人事向け調査)
テレワークを導入している企業において、新型コロナウイルス禍の影響で新たに人事施策を導入したと答えた人事担当者は52.1%。「在宅勤務手当などの支給」「フレックスタイム制の導入」「居住地に関する規定の緩和」など、さまざまな取り組みがされている。
4.解説(HR統括編集長 藤井 薫)
働き方改革から「クラシゴト改革」へ。
100人100様の人事施策が人材求心力の差に。
■ 1.[TOPIC]テレワークでの働き方の満足度(個人向け調査)
「働く時間」や「有給休暇の取得しやすさ」に多くの人が満足。
勤務環境の整備に関わるものに不満。
新型コロナウイルス感染症の影響によってテレワークを経験した人に、テレワークでの働き方の満足度を8項目で確認しました。「大変満足」と「満足」を合計した満足度の指標をみると、全体の70.3%の人が「働く時間(始業・終業時間や休憩など総合的に)」を選択しており、「有給休暇の取得しやすさ」が61.2%、「働く場所(家やサテライトオフィスの中の環境)」が57.4%と続きました。
一方で、不満足(「大変不満足」+「不満足」)の割合が高かった項目は、「勤務環境を整えるための会社からの補助」、「働くためのツール」、「テレワーク環境」といった勤務環境の整備に関わるものが目立ちました。ただし、調査時点(2020年9月)よりは、テレワークの浸透に伴ったテレワーク環境の整備が進んでいる可能性も認識しておく必要があります。
調査結果が示すとおり、働く場所や時間の柔軟性という典型的なテレワークのメリットに加えて、有給休暇の取得がしやすい点を満足に感じている人が多いことが分かりました。この項目について年代別に比較すると、特に20代で満足度が高いことが見受けられ、満足の割合は全体平均の61.2%より6.0pt高い67.2%でした。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/247424/img_247424_1.jpg
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/247424/img_247424_2.jpg
■ 2.[TOPIC]世帯形態別でみた満足度とストレス状況(個人向け調査)
「夫婦(子どもあり)」の世帯は満足度とストレスの両方が高い。
「ひとり暮らし」世帯のコンディションにも注意。
テレワークでの働き方の満足度とストレス状況を、20代~40代の世帯形態別に比較しました。満足度については、全ての年代で「夫婦(子どもなし)」、「夫婦(子どもあり)」、「ひとり暮らし」の順にテレワークでの満足度が高いことが分かりました。また、全ての年代・世帯で不満足の割合は20%を切っており、全体としてテレワークでの働き方に前向きな様子がうかがえます。
画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/247424/img_247424_3.jpg
20代~40代の世帯形態別(「ひとり暮らし」「夫婦(子どもなし)」「夫婦(子どもあり)」)のストレス実感の違いを確認しました。この後のグラフは各年代の世帯形態別にテレワーク前にはないストレスを感じた(「強く感じた」人と「やや感じた」人の合計)人の割合を示したものです。年代によって差異はありますが、ストレス実感は「夫婦(子どもあり)」の世帯が最も高く、「ひとり暮らし」「夫婦(子どもなし)」がそれに続くという傾向でした。
本調査の結果によると、「夫婦(子どもあり)」の世帯はテレワークでの働き方に満足を感じている一方で、ストレスも感じていることが分かります。また「ひとり暮らし」の世帯は、年代を問わずテレワークでの満足度が比較的低く、ストレスは「夫婦(子どもあり)」世帯に次いで高いことが明らかになりました。
画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/247424/img_247424_4.jpg
先述したように、総じてテレワークでの働き方の満足度は高い状況です。しかし、職住隣接が進む中で従業員の世帯形態や家族構成に応じて、新たにケアすべき点があることに留意すべきだといえるでしょう。
2020年4月の緊急事態宣言時には、学校や保育園、幼稚園などが休校・休園になり、子どもをみながら仕事をしなければいけない状態だったことも要因として考えられます。今回の緊急事態宣言とは状況が異なっているところに着目すると、「ひとり暮らし」の世帯に対するケアも考えなくてはいけないかもしれません。
■ 3.[TOPIC]新型コロナウイルス禍の影響で新たに導入した人事制度(人事向け調査)
新たな人事制度を急速導入する動き。働く個人の暮らしに寄り添う施策が必要
新型コロナウイルス禍の影響で、新しい人事制度を導入したと答えた人事担当者は52.1%。導入した制度としては、「在宅勤務手当などの支給」(48.0%)「フレックスタイム制の導入」(38.4%)「居住地に関する規定の緩和」(32.7%)の順に高く、さまざまな取り組みがなされていることが分かります。全体からすると、約20%の企業は在宅勤務手当などの支給を行ったことが分かり、新型コロナウイルス禍でも奮闘している人事の動きがうかがえます。
今回、新しい人事制度を策定していないと答えた人事担当者の中には、元々企業としてテレワークやフレックスタイム制が整備されていたというケースもあるでしょう。その点を考慮しても、柔軟な働き方を実現するために対応している企業は増えてきていると考えられます。何も取り組んでいない企業と、しっかりと取り組んでいる企業の人材の求心力の差は開いていくと考えられます。
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■ 4.解説(HR統括編集長藤井薫)
働き方改革から「クラシゴト改革」へ。
100人100様の人事施策が人材求心力の差に。
新型コロナウイルス禍の影響で、半ば強制的に浸透したテレワーク。そうした急激な変化に即応し、約半数もの企業が、テレワークに関して「新たな人事制度を策定した」ことは注目に値します。中身に関しても、金銭的支援(在宅勤務手当)、働く時間や場所の自由度の付与(フレックス、居住地緩和、ワーケーション)と、働き手の満足(時間や場所の自由度)やストレス軽減(テレワーク勤務環境の整備)に呼応した制度で働く個人にとって良い取り組みが進んでいることが見て取れます。
世帯形態別の調査結果からも明らかになったように、テレワークの満足度・ストレスは、「仕事環境と生活環境の相互作用」で影響を受けると考えられます。100人100様の生き方・暮らし方を持つ働き手に向き合い、一人一人の暮らしの安心と仕事での才能開花をどう支援するか。「働き方改革」から「クラシゴト改革」*へ。コロナ禍で身に付けた企業人事のきめ細かく・スピーディな変革実行力は、今後の人材求心力とその先にある顧客体験価値向上のための大きな武器になるでしょう。
*クラシゴト改革
リクルートキャリアとリクルート住まいカンパニーが2021年に共同発表した、「働く」と「住む」から見える新しい兆し。コロナ禍でのテレワーク浸透をきっかけに生き方そのものを丸ごとデザインし直す人と、それを応援する企業の広がり。そうした「暮らし方」×「働き方」の変化をキーワードにいたしました。
クラシゴト改革 | コレカラ会議ONLINEセミナー
https://www.recruit.co.jp/company/involvement/korekara/seminar/0003.html
画像7: https://www.atpress.ne.jp/releases/247424/img_247424_7.jpg
藤井 薫(ふじい・かおる)
株式会社リクルートキャリア
HR*統括編集長
プロフィール(略歴)
1988年、リクルート(現 株式会社リクルートホールディングス)に入社。以来、人と組織、テクノロジーと事業、今と未来の編集に従事。『B-ing』、『TECH B-ing』、『Digital B-ing(現『リクナビNEXT』)、『Works』、『Tech総研』の編集、商品企画を担当。TECH B-ing編集長、Tech総研編集長、アントレ編集長・ゼネラルマネジャーを歴任。 2016年、リクナビNEXT編集長に就任(現職)、2019年にはHR統括編集長を兼任(現職)。
*HR=Human Resources(人的資源・人材)
■ 調査概要
個人向け調査
実施期間:2020年9月26日(土)~2020年9月28日(月)
調査対象:企業に勤める正規の従業員で2020年1月以降にテレワークを開始した人
回答数 :2,272 名
集計対象:調査期間の2020年9月26日~28日時点においてもテレワークを実施している2,213名
調査方式:インターネット調査
人事向け調査
実施期間:2020年9月26日(土)~2020年9月30日(水)
調査対象:企業に勤める正社員かつ職種が人事である人
回答者数:1,224 名
調査方式:インターネット調査
プレスリリース本編はこちらよりご覧ください
https://www.recruitcareer.co.jp/news/pressrelease/2021/210217-02/
▼リクルートキャリアについて
https://www.recruitcareer.co.jp/
▼新型コロナウイルス感染症関連特設サイト
いま知ってほしい「働く」のこと
https://www.recruitcareer.co.jp/covid19_hataraku/
詳細はこちら
プレスリリース提供元:@Press
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