日本人はかつて「未知の病」といかに闘ってきたか?『幕末からコロナ禍まで 病気の日本近代史』

プレスリリース発表元企業:株式会社小学館

配信日時: 2021-02-05 11:30:00

新たな疫病が猛威を振るう今こそ知るべき“闘病と克服の日本史”



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新型コロナ克服のヒントは「歴史」にあり!
現代史家の労作を新書化!
明治天皇や陸海軍兵士たちが悩まされた脚気から、軍民に蔓延したスペイン風邪などの伝染病、「亡国病」と恐れられた結核やマラリア、患者が増える中で治療法の模索が続いてきた精神疾患、現在死因トップのがんまで、日本人は多くの病気に悩まされてきた。
そして今また、「新型コロナウイルス」という未知の病が襲来している。果たして、この新たな感染症といかに向き合うべきなのか。

«人類の歴史は、一面では感染症(伝染病)との戦いの歴史でもあった。だが戦うと言っても、一方的な防戦と敗北の連続で、十四世紀のペスト流行では欧州大陸の住人の半分近くが倒れ、人々は絶滅の恐怖におののいた。
ようやく勝機が訪れたのは、病原である細菌やウイルスの正体が見え始めた、たかだか二百年前からである。〈中略〉

だが戦いが終ったわけではない。»
(「第八章 新型コロナ禍の春秋」より)

こちらは本書の内容の一部です。


盲腸炎――切るか? 散らすか?
庶民から天皇までなぜ日本人は脚気に悩まされたのか?
あばたもえくぼの“あばた”とは?
昭和18年の死因第1位(17万人余)は?
戦死より戦病死が多かった?
明暗を分けた日米マラリア戦
精神障害歴を報じられた著名人
受動喫煙と肺がんの関連性に疑問符
コロナとの戦いのなかで見えてきた争点


本書は、医師や医療専門家ではなく、政治史や軍事史を中心に研究・執筆を重ねてきた現代史家の手になる医学史である。そのため、医学の研究書とは異なり、歴史家の視点から「難病の制圧をめざす国家的な総力戦」の過程を検証しつつ、「人間の生死をめぐって運と不運、喜びと悲しみが交錯するドラマ」を描きだしている。

«日本における近代医療の歴史は各種の病気、とくに脚気、伝染病、結核、がんなど難病の制圧をめざす国家的な総力戦の過程でもあった。
それは人間の生死をめぐって運と不運、喜びと悲しみが交錯するドラマでもあったから、文学の感性を借用しないと、全容は描きにくい。»
(本書「あとがき」より)

同名単行本(2011年刊)に新型コロナに関する新章などを大幅加筆した決定版。

〈目次〉
第一章 黎明期の外科手術
第二章 脚気論争と森鴎外
第三章 伝染病との戦い
第四章 結核との長期戦
第五章 戦病の大量死とマラリア
第六章 狂聖たちの列伝
第七章 肺がんとタバコ
第八章 新型コロナ禍の春秋
巻末付表
あとがき
新書版あとがき


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【著者プロフィール】
秦 郁彦(はた・いくひこ)
1932年山口県生まれ。歴史学者(日本近現代史・軍事史)。1956年東京大学法学部卒業。同年大蔵省入省後、ハーバード大学、コロンビア大学留学、防衛研修所教官、大蔵省財政史室長、プリンストン大学客員教授、拓殖大学教授、千葉大学教授、日本大学教授を歴任。法学博士。1993年に第41回菊池寛賞を受賞、2014年に第68回毎日文化賞、第30回正論大賞を受賞。

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