地域特性を考慮した津波避難の施策検討支援 ~ 鎌倉市の導入事例 ~
配信日時: 2013-07-01 12:00:00
株式会社構造計画研究所は、鎌倉市 防災安全部 総合防災課に対し、津波避難シミュレーションを用いて、津波避難に関する施策検討のコンサルティング業務を実施しました。
報道関係各位
2013年 7月 1日
地域特性を考慮した津波避難の施策検討支援
~ 鎌倉市の導入事例 ~
株式会社構造計画研究所(本社:東京都中野区、代表取締役社長CEO:服部正太)は、鎌倉市 防災安全部 総合防災課に対し、津波避難シミュレーションを用いて、津波避難に関する施策検討のコンサルティング業務を実施しました。
■ 背景
【ソフト面の施策による「減災」の必要性】
平成23 年 東北地方太平洋沖地震で発生した巨大津波は、東北地方の沿岸部を中心に甚大な被害をもたらしました。この教訓から、「たとえ被災した場合でも、被害を少しでも軽減する」という「減災」の観点からの津波対策は、防潮堤や湾口防波堤の設置といったハード面の施策だけで安心するのではなく、早期避難の啓発や避難経路の周知といったソフト面の施策が必要不可欠です。
【鎌倉市への提案】
鎌倉市では、津波避難タワーの設置といったハード面の施策を検討するとともに、ソフト面の施策を最優先に実施する必要がありました。ソフト面の施策検討においては、対象とする地域の様々な避難者や避難行動、および避難時の状況等を考慮しなければなりません。特に鎌倉市は年間延べ約2,000 万人の観光客が、夏季には延べ約110 万人(平成24 年)の海水浴客が訪れる観光地です。津波避難に対する施策を検討する上では、これら観光客や海水浴客の避難行動による影響も大きいと考えられ、避難時の行動がどのようなものとなるか、検証する必要がありました。
また、ソフト面の施策は、住民の意識を高め、行動に移すことが肝要であり、その実現のためには住民の理解が不可欠です。そのため、検討・立案したソフト面の施策案の効果について、住民が視覚的に理解しやすいように配慮して提供する必要がありました。
以上のことから、当社は鎌倉市に対して、津波避難シミュレーションを活用した地域課題の抽出と、地域特性を考慮した施策立案を提案させていただきました。また、住民説明用の資料として、避難状況のシミュレーション動画を作成しました。
■ 実施内容
【現地調査、津波避難シミュレーションによる課題の抽出】
鎌倉市の地域特有の問題を考慮するため、現地調査を実施しました。現地調査では、複数の被験者が観光客および住民の視点で模擬的な避難行動を行い、避難行動途中で気付いた点を記録しました。それら記録を整理することで、様々な立場の避難者の避難行動モデルを作成しました。
作成した避難行動モデルを用いて、津波避難シミュレーションを実施しました。津波解析の結果と避難シミュレーションの結果を時系列に重ね合わせることで、津波からの避難が困難となる箇所(避難困難地域)を抽出し、その課題を整理しました。
【施策案の立案と効果検証】
避難困難地域における課題点を整理し、それらに対する施策案を立案しました。また、施策の効果は、施策前後のシミュレーション結果を比較することで評価しました。本施策案とシミュレーション結果は、施策実施時における市から住民への説明根拠として貢献することが期待されます。
■ アウトプット
【動画の提供】
鎌倉市公式ウェブサイトにて、本業務で実施した津波避難シミュレーションの動画が公開されています。
○鎌倉市公式ウェブサイト
http://www.city.kamakura.kanagawa.jp/sougoubousai/tsunami_simulation.html
■ 会社情報( http://www.kke.co.jp )
構造計画研究所は1956年に建物の構造設計業務からスタートし、それら人工構築物を取り巻く自然現象(地震、津波、風など)の解析やシミュレーションを行う業務を手がけ、さらにはソフトウェア開発をはじめとする情報通信分野、CAD/CAEなどの製造分野、そして人間の意思決定支援分野にまで事業領域を広げてきました。
当社は知の循環から生まれる「工学知」を用いてより高い付加価値を提供する知識テクノロジー企業として、また「Professional Design & Engineering Firm」として、組織や社会が抱える課題を解決いたします。現在は、特に「安心・安全ソリューション」「スマートビジネス」「合意形成支援ビジネス」を重点テーマとしてとらえ、高い品質を強く意識したエンジニアリングコンサルティングを展開しています。
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プレスリリース情報提供元:valuepress
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