【初公開】テクノロジービルディングNefrock Lab Ookayamaに、藝大生によるアート作品が新登場。AIベンチャーで開催されたアートプロジェクトとは。
配信日時: 2020-10-07 13:46:48
東工大発AIベンチャーの株式会社ネフロックは、大岡山に設立したテクノロジービルディング「Nefrock Lab Ookayama」にて初のアートプロジェクトを開催しました。コンペを経て選出された若林岬さん(東京藝術大学1年生)によるアート作品がついに完成。本日ここに初公開いたします。
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2020年10月7日、大岡山に立つテクノロジービルディングNefrock Lab Ookayamaに、幅約4m × 高さ約2mの大きなアート作品が登場しました。制作は東京藝術大学油画専攻1年生の若林岬さんによるもの。
本日、作品を初めて公開するとともに、アートプロジェクトが開催された背景と、プロジェクトに参加した制作陣の想いをご紹介します。
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■なぜ、AIベンチャーでアートプロジェクトを開催したのか
「Nefrock Lab Ookayama」は、東工大発AIベンチャーの株式会社ネフロックが、大岡山の実験的空間として2015年に設立したビルです。”場” を設けることで、ヒト・モノ・情報が交流し、企業と大学と街の間で良い循環が生まれることを目指しています。
ここではネフロックのオフィスの他に、新しい技術の勉強会や交流イベントの開催、東工大生専用シェアハウスやファブスペースの運営などを行っており、クリエイティビティを刺激しあう場づくりに取り組んでいます。
特に東工大生とのつながりは強く、常に学生がフローし、交流が起きる状態をつくっています。
また、このビルでは若手作家を支援するプロジェクトに賛同し、芸大生・美大生の作品展示も行っています。
その中で、作品を「展示する場」の提供だけではなく、「制作を通じて場づくりに関わる体験」も提供できるのではないかと考え、学生を対象とした公募制でのアートプロジェクトの開催に至りました。
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■プロジェクト概要
取り組んだのは、ビル2階にある東工大生シェアハウス前の「フェンス壁デザイン(上記写真中央)」。
半分外でもあるこの空間を従来はうまく使えていませんでしたが、シェアハウスのエントランスであり、近隣からも見える場所であるため、「明るい空間」「1階から見ても楽しめる」「遊びごころ」をキーワードに、学生からのアート提案を募集しました。
■制作は若林岬氏(東京藝術大学)、アートディレクターは里見隼汰氏(ARTELL Inc.)
書類審査からプレゼン審査を経て、最終選考会には、シェアハウスや上階のマンションフロアの住人達も一緒に審査に参加し、制作体制が決定しました。約2ヶ月の制作期間を経て、ついに本日作品公開を迎えた制作陣を、インタビュー形式でご紹介します。
■制作:若林 岬 氏 / 東京藝術大学 油画専攻 1年生
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「人と関わり合って制作する
楽しさを発見」
ーー 今回応募したきっかけを教えてください。
今年大学へ入学し、オンラインで講義を受ける状況が続く中、一人で課題をこなしたり、個人的な制作活動に取り組んだりしていました。そんなときにこの話を聞き、面白そうなプロジェクトだと思ったのと、幅約5mの壁への制作というのは個人ではなかなかできるものではないため、ぜひチャレンジしてみたいという思いで応募しました。
ーー 初挑戦な点も多かったと思いますが、得られたことはありましたか。
大きさはもちろん、外に設置するような作品を作ることも、そのために今回採用したアクリル板を扱うのも初めてのことでした。制作を始めるとやはり大変で、6畳半の自宅兼アトリエのほとんどをアクリル板が占拠してしまい、緊張感のある毎日を過ごしました。また、人と関わり合って制作することも初めての体験で、今回その楽しさを知ることができたのは大きかったです。審査の際も、異なる分野の方々から初めて評価をいただき、知識ベースではない純粋な目線での意見がとても嬉しかったです。
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「表現したかったのは、
イマジネーションとユーモア」
ーー 作品について教えてください。
今回表現したいと考えたのは、イマジネーションやユーモアです。それも、木の幹のように確固として定まったものではなく、まだ形になっていない、浮遊感のあるもの。その変化し続ける様子を、蔦のような図像で表しました。
ーー そのアイディアはどのように生まれたのでしょうか。
ネフロックラボを見学したとき、イマジネーションやユーモアが飛び交っているようなイメージが浮かびました。ここはものをつくる場所で、でも決められたものを作るのではなく、ボツでもいいからどんどんアイディアを出してみよう、つくってみようという場所なのではないかな、と。自分自身、作品をつくるときはたくさんのボツがあります。でもそれをどんどん出すことが好きで、大事なことだと思っているので、そんな思いから今回のコンセプトが生まれました。
「絵を見るとき、
意味を探さなくてもいいと思う」
ーー この作品は「無題」ですが、形がないというコンセプトをそこでも表現しているのでしょうか。
はい。でも実は、僕の作品は今までもほとんどタイトルがありません。付けたほうがいいかと正直悩むこともあります。ただ、僕は絵を見るときに「これはどういう意味かな」と考えなくてもいいのではないかなと思っているんです。その考えが、タイトルを付けないことにつながっています。
ーー ”美術鑑賞”と言うと、意味を考えて味わうというイメージがありますね。
アートってそんなに高尚に考えなくても良いのでは、と個人的には思っています。僕は絵を見て、「探らない状態」を作りたいんです。草木を見ているとき、意味を探ったりしないですよね。探ろうと思わないまま見ている状態を作りたくて、最近は今回の作品のように、一見無意味に見える形の連続という表現方法に挑戦しています。
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「画家になりたいわけではない
”つくる人” でありたい」
ーー 最後に、この先の夢や展望について聞かせてください。
現在は大学で油画を専攻していますが、油絵画家になりたいわけではないんです。ただし、「つくる人」でありたい。そのための一つの手法として、今は油絵を強みとして磨いていますが、これから先は例えばアニメーションにも興味があるし、何でもやってみたいという気持ちです。
■アートディレクター:里見 隼汰 氏 / ARTELL Inc. 代表
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「まだ知られていない若手作家を
世の中へ伝えたい」
ーー 昨年6月にARTELLを立ち上げたそうですが、普段はどのような活動をしているのでしょうか。
ARTELLのコンセプトは、若手作家を見つけ、その人と作品を世の中へ伝えていくことです。そのために、作品を気に入る方と作家をつなぐ仕組みづくりに取り組んでいます。最初の1年は主に、作家の自宅やアトリエに眠ったままの作品をオフィスや雑貨店などへ展示する、アートのサブスクリプションサービスに力を入れてきました。
ーー ネフロックでもその活動に賛同し、展示は社内外からも好評です。今回はアートディレクターということで、どのような活動となりましたか。
昨今の状況によりアートが不要不急という見方もある中、このプロジェクトの話を聞いたときは嬉しかったです。まず人選にあたってはすぐに若林君の顔が浮かび、彼に打診して応募が決まりました。始まってからはプロジェクトの解釈に努め、作家側とネフロック側の想いをつなぐことに意識して取り組みました。またリスクケアも重視して、想定しうるリスクを洗い出して作家に伝え、制作前の実験などを行ってきました。
「ネフロック
= 一生懸命に遊ぶ人たちの場所」
ーー 若林さんを推薦した理由は何だったのでしょうか。
僕の中でネフロックといえば、「一生懸命に遊ぶ」というイメージがまずあります。それにぴったり合う、と浮かんだのが若林君です。彼はとても研究熱心で、いつも色々なことを楽しみながら実験しています。そんな姿がネフロックにつながると感じて、今回若林君を推薦しました。
ーー テクノロジーを全力で遊ぶというのが我々のモットーなので、そういう部分でマッチングしていただいたのは、なんだか嬉しいです。
このビルを訪れると、皆さんいつも和気あいあいと楽しそうです。学生やさまざまな背景の人達も集まって来て、アイディアを出して何かをつくって、というのが良いですよね。次の世代への良い循環を生み出していきたいので、自分でもこんな場所を作れたらなと思っています。
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「ソフトウェアの力で、
アートの楽しみ方の奥行きを広げる」
ーー 以前はエンジニアリングの世界にいたそうですが、アートの世界へ踏み出したきっかけは何ですか?
在学中に、ブロックチェーン技術で起業しました。昔から美しいものが好きで、ブロックチェーンも技術そのものより、思想の美しさに惹かれていたように思います。そんな中たまたま行った展示会で、芸術の持つ力、時代を経ても本質に変わらないものを持つパワーに、心を動かされました。誰かによって日々更新される技術の規約を追い続けるより、積み上げてきた自分の感覚で正面から向き合える可能性を、芸術の分野に感じたのかも知れません。自分はこっちをやってみたい、と飛び込みました。
ーー ARTELLの方は全員エンジニアリングの背景があるそうですね。
実はメンバー全員プログラミングができるため、ソフトウェアの力を使ったアプローチも考えています。例えば、作品には通常タイトルや作家名などのキャプションが掲示されますが、ARTELLではそれをQRコードにしています。絵を見るときに答えを求めるようにすぐキャプションを見る人が多いことが分かり、もっと絵を純粋に楽しんでもらいたいと考えた仕掛けですが、この利点はそれだけではありません。キャプションをソフトウェア側に置くことでどこまでも奥行きを深くすることができ、例えばその作家の別の作品を閲覧したり作家と接点を持ったりなど、アートの楽しみ方を広げることができるのです。
ーー 最後に、今後の夢や展望について教えてください。
若手作家を発信していくには、ARTELL自体のブランド力を高める必要があると思っています。ARTELLが紹介するならと信頼してもらえるように、これからも良い作家を見つけ、良い作品を伝え続けていきたいと思います。まず直近では、ポートフォリオのプラットフォームのような仕組みを作って、様々な作品との出会いのきっかけを生み出したいと考えています。
▶オフィス・店舗等へのアート展示や、今回のようなアート制作等に興味のある方は、ぜひARTELLさんへご相談ください。お問合せはHPへ: https://artell.life/
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<会社情報>
会社名: 株式会社 ネフロック
『テクノロジーで世の中をもっと楽しくする』というビジョンを掲げる、2011年創業の東工大発ベンチャー。ディープラーニングを用いた人工知能の研究開発・システム構築(ソフト+ハード)・アルゴリズムライセンス事業を行う。
代表者: 代表取締役 靎見 敏行
所在地: 東京都大田区北千束3-35-5 Nefrock Lab Ookayama 101
公式サイト:https://nefrock.com
※当アート作品はビル内にあるため、一般公開はしておりません。
※取材は受け付けておりますので、ネフロックまでお問合せください。
[画像9: https://prtimes.jp/i/51421/8/resize/d51421-8-947892-12.jpg ]
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