静脈内投与から皮下投与へ 慢性疾患の発症率の増加と、治療法・デバイスの開発が、皮下注生物製剤市場の成長を牽引
配信日時: 2020-07-09 11:00:00
株式会社グローバルインフォメーションは、市場調査レポート「皮下注生物製剤の世界市場:技術とドラッグデリバリーシステム(第3版)、2020年~2030年」 (ROOTS ANALYSIS) の販売を7月9日より開始いたしました。
生物製剤は、現代の医療において最も急速に成長している治療分子の一つです。2020年1月に発表された記事によると、世界の生物製剤市場は2024年までに年間約3800億米ドルに達すると予想されており、従来の医薬品と比較して比較的高い成長率(8%)を示しています。胃の負担を回避する必要性から、生物製剤のほとんどは、非経口投与用に設計されています。実際、このような治療法の大部分は静脈内投与用に製剤化されており、通常は病院や輸液センターといった臨床環境で投与されています。しかし、このやり方はコストがかかり、服薬アドヒアランス(患者が治療方針の決定に参加)に関連した問題があることが知られています。皮下投与ルートの薬物送達は、セルフメディケーションやライフサイクル管理の選択肢を含む多くの利点を提供しています。静脈内投与と皮下投与の薬物動態プロファイルは異なりますが、患者や医療提供者には皮下投与の方が好まれており、大幅なコスト削減が実証されています。
現在、皮下投与の選択肢は、多くの臨床候補について検討されています。さらに、静脈内投与用として承認された治療薬のうち、いくつかは皮下投与用に再製剤化され、評価されています。一方、皮下投与には一定の懸念があります。例えば、モノクローナル抗体のようなタンパク質ベースの治療薬の多くは、大量に投与する必要があり、皮下投与用に再製剤化すると、非常に粘性の高い製剤になることが報告されています。この特殊な課題に対処するために、多くの企業が粘性のある製剤の送達を容易にする、新しい技術プラットフォームを多数開発しています。技術革新により、皮下投与への移行が徐々に促進されていますが、これは主に自己投与可能な治療薬の需要に牽引されています。実際、プレフィルドシリンジ、ペン型注射器、自動注射器、無針注射器、大容量のウェアラブル注射器など、様々なユーザーフレンドリーな機能を備えたセルフメディケーションソリューションが利用可能です。ここ数年、こういった薬物と機器の組み合わせによる製品は高い普及率を示し、患者が負担する医療費の大幅な削減を可能にし、治療のアドヒアランスを向上させてきました。この点で、頻繁に投薬を必要とする慢性疾患の発症率の増加と、この分野に携わる治療法・デバイス開発者の継続的な努力が、今後の皮下注生物製剤市場の成長を牽引すると予想されています。
【 当レポートの詳細目次 】
https://www.gii.co.jp/report/root933273-subcutaneous-biologics-technologies-drug-delivery.html
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