韓国人の“不都合な真実”を韓国人みずから明らかにする。『韓国人、韓国を叱る 日韓歴史問題の新証言者たち』
配信日時: 2020-05-30 10:30:00
“いま韓国で最も嫌われる日本人ジャーナリスト”による現地発スクープレポート
慰安婦問題は長らく市民団体の金儲けに利用されてきた――
[画像1: https://prtimes.jp/i/13640/684/resize/d13640-684-866908-0.jpg ]
韓国で元慰安婦の李容洙(イ・ヨンス)氏が記者会見を開き、私欲のために慰安婦問題を利用したとして、「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」(正義連、旧挺対協)や前理事長の尹美香(ユン・ミヒャン)氏を批判している。現在、尹美香氏は補助金の横領や背任などの容疑で検察に告発され、捜査の行方に注目が集まっている。
元慰安婦による市民団体への反逆は驚きをもって伝えられているが、同様の告発は過去にもあった。これは、2004年に沈美子(シン・ミジャ、故人)氏を代表とする13人の元慰安婦たちが起こした裁判についてレポートしたものだ。
«2004年3月13日、沈美子氏ら13人の元慰安婦は、韓国挺身隊問題対策協議会(以下・挺対協。現在は『日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯』と名前を変えている)と『ナヌムの家』(元慰安婦の支援施設)に対して、「募金行為及びデモ禁止の仮処分申請」を申し立てた。慰安婦問題の支援組織に対して元慰安婦らが反旗を翻す行動を起こしたのだ。
その目的は、運動の資金源である募金を止めさせることと、日本大使館前で行われる水曜デモを止めさせることにあった。
準備書面には水曜デモに対する痛烈な批判が記されている。
〈日本軍慰安婦または女子勤労挺身隊ではない、日本政府が言う偽物を動員し、ソウル日本大使館の前や周辺で次のような内容や表現を提唱したり、流布する行為を禁ずる。
一・日本軍慰安婦に対するアジア女性基金は欺瞞だ。日本のカネを受領するのは公娼を認めることだ。
二・その他、被告が日本軍慰安婦の利益を代弁するという趣旨の内容〉(要約)
水曜デモに参加する元慰安婦を「偽物」とまで表現している。沈美子氏の支援者は、裁判に至った経緯をこう解説する。
「多くのハルモニ(元慰安婦)は貧しい境遇にあったのに、挺対協がほとんどのお金を持って行ってしまうことを沈美子はおかしいと感じていたのです。そこで33人の元慰安婦を集めて『世界平和無窮花会』を組織して独自の活動を目指した。そして、挺対協やナヌムの家などの元慰安婦を食い物にしている運動体の解散を目指し裁判を起こしたのです」(彼女の支援者)»(本書「第1章」より)
この告発が事実ならば、慰安婦問題は長きにわたって「政治」や「カネ」の道具として正義連に利用されていたことになる。
本書では、慰安婦問題をはじめ日韓の歴史問題について数々の記事を執筆してきた気鋭のジャーナリストが、多くの韓国人を訪ね歩き、その「本音」と「実態」を取材。
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経済学者は「このまま日本との対立を続けると韓国経済は滅びるかもしれない」と警告し、元慰安婦支援活動家は「慰安婦問題は金儲けになってしまった」と嘆き、徴用工被害者団体代表は、「金を出すべきは日本ではなく韓国政府だ」と訴える。
数々の証言からは、歴史の闇も見えてくる。
元米軍慰安婦は「なぜ日本軍慰安婦だけが」と嘆き、ベトナム戦争犯罪を追及した記者は「韓国軍は何をしたか」と問い、脱北作家は「大統領は脱北者を見捨てた」と告発する。
そしてベストセラー『反日種族主義』の著者は、「塩酸をばらまくぞ」と脅され、ツバを吐きかけられるなどの圧力に遭いながら、「歴史を正すための戦いをする」と決意するのだ。
«本書では多くのテーマについて語ったが、その実、私が知りたかったことはシンプルに「本当の被害者の声を聞きたい」ということに尽きる。
取材を重ねていくうちに、やがて実被害者の声を封殺する市民団体や政治家の欺瞞を解き明かしたいという思いが、膨らんでいった。
一方で本書を執筆するにあたって、日本人である私が韓国を大上段に構えて批判するという手法は取りたくなかった。前述したように韓国人が感じている憂国の言葉、そして真実の証言のほうが鮮烈に心に響いたし、戦争を知らない私が歴史問題について主体的に語ることへの躊躇もあった。だから本書では「韓国人が語る韓国、歴史問題」、という視点で描いたつもりだ。»(本書「長いあとがき」より)
韓国の“知られざる現実”を拾い上げた渾身のレポート。
彼らのリアルな声を埋もれさせないことが、暗夜の灯日になる。
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[表: https://prtimes.jp/data/corp/13640/table/684_1.jpg ]
【著者プロフィール】
赤石晋一郎(あかいし・しんいちろう)
南アフリカ・ヨハネスブルグ出身。講談社『FRIDAY』、文藝春秋『週刊文春』記者を経て、2019年よりジャーナリストとして独立。日韓歴史問題について精力的に取材を続ける。本書が初の著作となる。
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