新型コロナウィルスによる影響、創業 100 年を超える長寿企業 95 社に対して調査を実施
配信日時: 2020-05-29 11:00:00
長寿企業の調査研究を行う一般社団法人100年経営研究機構(本社:東京渋谷区、代表理事:後藤俊夫、以下当機構)では、コロナショックへの長寿企業への影響やその対応に関する調査を実施しました。
先行きの見えない環境に置かれている全国の経営者の一助となる情報発信をすることなどを目的に、5月8日から15日までの7日間で、創業100年以上の長寿企業を対象に、「コロナショックへの長寿企業の対応に関する緊急調査」を行いました。
【経緯・目的】
COVID-19の感染拡大を受けこれまでの日常生活が一変し、緊急事態宣言の発令を受けてさらなる行動の自粛が求められるなか、戦後最大ともいわれる経済危機が発生しています。当機構ではコロナショックに対する初期対応として、日頃から親密な関係にある長寿企業100社に対してお見舞いの連絡を行ないました。そこでは、環境の変化に適応すべく迅速に経営の事業方針を変更する行動を踏み出している企業が非常に多いという事実を確認いたしました。
世界一長寿企業の多い日本の長寿企業がこの度の危機に対しどのような対応をしているのか、また、困難をどのように認識し直面しているのかを把握し発信することは、「100年経営を科学する」ことを掲げ、「長寿企業を日本の国宝」として位置付ける一般社団法人100年経営研究機構の重要な役割であるとの考えから、今回のアンケートの実施に至りました。
【アンケート調査概要】
調査名 :コロナショックへの長寿企業の対応に関する緊急調査
実施期間:2020年5月8日〜15日
実施方法:インターネット上のアンケートフォームによる回収
U R L :https://forms.gle/6Y3yoMqSAHgoyLDp9
質問項目:14項目(うち3項目が記述式)
対 象:創業以来100年以上事業を営む全国の長寿企業
回答企業:95社
【アンケート調査により判明したこと】
今回のアンケート調査では、全国95社の長寿企業から回答を得ることができ
ました。地域別で見ると老舗企業が全国でもトップクラスに多く存在する東京、
京都の企業から約半数の回答がありました。また、回答企業のうち、創業200年
を超える企業が約35%を占め、中には創業1000年を超える企業からの回答も
あり、業種別で見ると製造業が約42%と最も多い割合を占めました。
■8割を超える企業が販売方法を変更。また、3割の企業は新規事業の
立ち上げに取り組む
9項「コロナショックを受けた貴社の対応について教えてください」の問いに
対し、8割を超える企業が「販売方法の変更」を行なったと回答しました。
全体としては、8割の企業で、1つか2つの対策に集中して取り組んでいること
を示唆する結果が得られました。一方で、わずかではありますが、5つの対策に
取組んでいる企業も存在することが明らかになり、そうした企業の割合は、創業
200年以上の企業で大きいという結果が得られました。
■約6割の企業が1年以上事業継続のための資金を確保
7項「貴社の資金繰りについて、現状でどの程度の期間はもたせることができ
ますか?」の問いに対し、全体としては、「1年」と「2年以上」が6割を占め
る結果となった一方で、「1ヶ月」や「3ヶ月」といった比較的短期間しかもた
せることができないという回答も一定数得られました。また、創業200年以上の
企業においては、「2年以上」の回答が最も多く、37.5%の割合となりました。
■約7割の企業が10%以上の売上減。50%以上減少した企業は約3割強
6項「コロナショックの影響は貴社の売上にどのような影響を与えていますか?」
の問いに対し、「50%以上の増加」という回答は得られませんでした。「50%未満~10%以上の減少」と「50%以上の減少」が、全体の7割以上を占める結果となり、長寿企業もコロナショックの影響を受けて売上が減少していることが明らかになりました。
■9割以上の企業が「コロナショックを社会経済の変化の兆し」と捉える
4項・5項では、コロナショックの影響はいつまで続くとお考えか。更にはどのように捉えているかについて回答いただきました。「2年」との回答が最も多く35%を占め、6割以上の企業が2年以上影響を受け続けると考えていることが判明しました。また、9割以上の企業が「コロナショックを社会経済の変化の兆しと捉えている」と回答しました。
【総評・今後の展開について】
新型コロナウィルスにより、一般企業と同様に100年超企業もまた大きな影響を受け、窮地に立たされている状況が今回の調査により判明いたしました。しかしながら、このような危機に対し、世紀を超え経営をしてきた経験を活かし、理念に基づき柔軟に変化に対応する姿勢、更には、常日頃から今回のような不足の事態を想定しながら事業を進めてきた姿も垣間見れる結果となりました。100年経営研究機構では、本アンケート調査を皮切りに志を同じくする全国の大学や研究機関と連携し、100年超企業がコロナ禍で実践しているレジリエンスな経営手法のヒアリング活動、また、創業100年未満の企業との比較研究を今後行なっていく予定です。活動を通じ、永く続く企業経営の要諦を導き出し、企業経営に役立つ情報として広く社会に発信して参りたいと考えております。
尚、今回のレポート内容の詳細につきましては、6月5日に開催する当機構研究会において詳細を発表する予定となっております 。 会員向けの研究会となりますが、参加をご希望のメディアの方は特別ご招待とさせていただきます。 もしくは、ご参加が叶わない場合はレポートをご提供いたします。ご要望の方は事務局までお問い合わせください。(研究会概要:https://100-keiei.org/information0605/)
【組織概要】
一般社団法人100年経営研究機構は、日本に3万社以上存在する100年超企業の実態をデータベース化し管理・運営することで、永続する経営を科学し、企業経営の現場で実践できる情報・ノウハウの発信を行うことを目的として2015年に設立。データベースの運営、100年経営を学ぶことための研究会・視察ツアー、情報発信などの活動を展開している。5年間で約70回のイベント、述べ1,200名のビジネスマン、企業経営者が参加している。
設立 2015年9月9日
所在地 東京都渋谷区恵比寿西2-4-8 ウィンド恵比寿2F
TEL 03-6416-5789 FAX 03-6416-5031 HP https://100-keiei.org/
代表理事 後藤 俊夫(日本経済大学大学院 特任教授)
会長 大髙 英昭(株式会社パソナグループ 副会長)
専務理事 兼 事務局長 藤村 雄志(株式会社VALCREATION 代表取締役)
理 事 石原 明(日本経営教育研究所 代表)
理 事 高梨 一郎(ファミリービジネスネットワークジャパン 理事長)
監 事 小西 孝幸(ワイズ・パートナーズ税理士法人 代表社員)
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