ファーストコーポレーションは25年5月期3Q累計大幅増収増益、前橋駅再開発効果で共同事業収入大幅増

2025年4月15日 09:39

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 ファーストコーポレーション<1430>(東証スタンダード)は、4月14日に25年5月期第3四半期累計連結業績を発表した。大幅増収増益だった。完成工事総利益率が一時的に低下したものの、不動産売上高の計画を上回る大幅増収や、前期完成したJR前橋駅北口再開発事業の分譲による共同事業収入の大幅増加が牽引した。そして通期の大幅増収増益予想(24年12月13日付で上方修正)を据え置いた。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化の影響で急落する場面があったが、その後は急反発して戻り高値圏だ。好業績に加え、高配当利回りなど指標面の割安感も評価材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■25年5月期3Q累計大幅増収増益、通期も大幅増収増益予想

 25年5月期第3四半期累計(24年6月~25年2月)の連結業績は売上高が前年同期比66.3%増の347億68百万円、営業利益が50.5%増の18億85百万円、経常利益が46.9%増の18億10百万円、親会社株主帰属四半期純利益が38.7%増の11億99百万円だった。

 完成工事総利益率が一時的に低下したものの、不動産売上高の計画を上回る大幅増収や、前期完成したJR前橋駅北口再開発事業の分譲による共同事業収入の大幅増加が牽引した。なお25年3月末時点の受注高は8件合計266億27百万円(うち造注方式は85億16百万円)となった。

 完成工事高は0.1%増の168億13百万円、完成工事売上総利益は30.8%減の11億55百万円だった。完成工事総利益率は3.0ポイント低下して6.9%だった。資材価格高騰分を期末までに追加受注する予定のため一時的に低下した。

 不動産売上高は6.4倍の149億53百万円だった。事業用地の販売が計画を大幅に上回った。不動産売上総利益は2.8倍の12億54百万円、不動産売上総利益率は11.0ポイント低下して8.4%となった。共同事業収入は1.7倍の27億83百万円、共同事業収入総利益は2.5倍の7億56百万円、共同事業収入総利益率は8.5ポイント上昇して27.2%となった。前期完成したJR前橋駅北口再開発事業の分譲が牽引した。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が76億92百万円で営業利益が5億64百万円、第2四半期は売上高が195億36百万円で営業利益が10億円、第3四半期は売上高が75億40百万円で営業利益が3億21百万円だった。

 通期の連結業績予想(24年12月13日付で上方修正)は据え置いて、売上高が24年5月期比45.7%増の415億円、営業利益が72.0%増の25億円、経常利益が68.7%増の24億円、親会社株主帰属当期純利益が73.6%増の16億40百万円としている。配当予想(24年12月13日付で期末4円上方修正)は24年5月期比11円増配の42円(期末一括)としている。大幅増配で予想配当性向は30.6%となる。

 修正後の通期の事業別計画(24年5月期比)については、完成工事高が5.4%減の208億円、完成工事総利益が10.9%減の17億40百万円、完成工事総利益率が0.5ポイント低下の8.4%、不動産売上高が4.0倍の157億30百万円、不動産売上総利益が2.1倍の13億50百万円、不動産売上総利益率が7.3ポイント低下して8.6%、共同事業収入が2.0倍の47億円、共同事業収入総利益が2.8倍の11億60百万円、共同事業収入総利益率が6.7ポイント上昇して24.7%、その他の売上高が23.5%増の2億70百万円、その他の売上高総利益が▲1億50百万円(24年5月期は▲1億39百万円)としている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は地合い悪化の影響で急落する場面があったが、その後は急反発して戻り高値圏だ。好業績に加え、高配当利回りなど指標面の割安感も評価材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。4月14日の終値は941円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS137円22銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の42円で算出)は約4.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS708円48銭で算出)は約1.3倍、そして時価総額は約126億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

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