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フォーバル Research Memo(1):2025年3月期中間期はフォーバルビジネスグループがけん引し増収増益
*12:01JST フォーバル Research Memo(1):2025年3月期中間期はフォーバルビジネスグループがけん引し増収増益
■要約
フォーバル<8275>は、中小企業の「ESG経営を可視化伴走型で支援する企業ドクター(次世代経営コンサルタント)集団」を基本戦略として事業を展開している。
1. 事業概要
同社の売上・利益は、主にフォーバルビジネスグループとフォーバルテレコムビジネスグループで構成されている。事業の柱であるフォーバルビジネスグループでは、中小・小規模企業向けに、IP統合システム、情報セキュリティ、Web構築などの情報通信コンサルティングのほか、総合コンサルティング、海外進出、人材・教育、環境、事業承継などの経営コンサルティング、OA・ネットワーク機器の販売、サービスの取り次ぎなどを手掛ける。
2. 業績動向
2025年3月期中間期の連結業績は、売上高が前年同期比10.7%増の33,839百万円、営業利益が同6.6%増の1,596百万円、経常利益が同2.6%増の1,699百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同13.0%減の820百万円となり、堅調な増収とともに、営業利益、経常利益での増益を維持した。売上高に関しては、中小・小規模企業や自治体におけるDX推進の機運の高まりを受けて可視化伴走型経営支援(アイコンサービスなど)など各種サービス・機器販売が成長した。さらに電力サービスの成長、新たに連結に加わったグループ会社の寄与などにより増収となった。利益面では、売上総利益が可視化伴走型経営支援事業の拡大等により伸長した一方、販管費の伸びを一定範囲に抑えたことで営業利益・経常利益ともに増益となった。
2025年3月期の連結業績は、売上高が前期比5.5%増の67,000百万円、営業利益が同11.3%増の3,600百万円、経常利益が同7.0%増の3,700百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同4.4%増の2,100百万円と、売上高・各利益ともに増収増益を見込んでいる(期初予想どおり)。フォーバルビジネスグループがけん引する出だしとなったが、全セグメントを通じて事業環境及び社内体制は良好である。さらに2024年5月には2件(売上規模で約17億円)のM&Aを行っていることから、業績の上積みも確実視される。
3. 成長戦略・トピック
同社は2025年3月期から、それまで「その他」としていたセグメントを「人的資本経営」と改め、戦略的に強化することを示した。2025年3月期は「ESG経営を可視化伴走型で支援する」ことを基本戦略としており、企業内外でESG経営を推進できる人材を育成する。同セグメントの中核企業である(株)アイテックは、これまでDX人材の育成のためにセミナーやeラーニングを展開してきたが、今後はESG推進人材の教育に力を入れる。また、2024年5月に子会社となった(株)タニタヘルスリンクは企業の健康経営の支援を行っており、同社のESG経営支援に大きく貢献することになるだろう。同社は、2023年12月に人的資本の情報開示に関する国際的ガイドライン「ISO 30414」の認証を国内7社目として取得したことから、人的資本経営のトップランナーとして、ESG経営支援を推進する考えだ。
4. 株主還元策
同社は、配当による株主への利益還元を重要な経営課題の1つとして認識している。今後の事業計画や財務状況など、中長期的観点から内部留保と安定した成果配分、双方のバランスに配慮して配当金を決定する方針であり、配当性向は公約していない。同社は、安定的な利益成長を背景に増配を続けており、過去10期の配当金は増配または同額、配当性向はおおよそ30%以上である。2025年3月期は、配当金30.00円(前期比2.00円増配)、配当性向37.4%を予想する。株主優待制度では、毎年9月30日現在で1単元(100株)以上を保有する株主に電子マネーギフトを贈呈しており、株主から好評を得ている。
■Key Points
・アイコンサービスを軸に、中小・小規模企業のGDX(グリーンデジタルトランスフォーメーション)・ESG経営を支援するフォーバルビジネスグループが柱
・2025年3月期中間期は、フォーバルビジネスグループがけん引し増収増益
・2025年3月期は売上高67,000百万円、営業利益3,600百万円を予想
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)《HN》
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