TrueData Research Memo(3):2025年3月期は増収増益を計画。構造改革で利益率向上を加速

2024年12月24日 17:03

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記事提供元:フィスコ

*17:03JST TrueData Research Memo(3):2025年3月期は増収増益を計画。構造改革で利益率向上を加速
■True Data<4416>の今後の見通し

1. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の業績は、売上高1,791百万円(前期比12.4%増)、営業利益100百万円(同56.4%増)、経常利益98百万円(同57.6%増)、当期純利益87百万円(同46.5%増)と期初の通期業績予想を据え置いている。2025年3月第2四半期終了時点の進捗率は、売上高42.8%、営業利益38.9%、経常利益38.8%、当期純利益7.1%と、最終利益を除けば若干のビハインドでの進捗となっている。売上面については当初計画したストック型売上高の着実な積み上げに加え、小売業を中心に計画を上回る新規大型案件を複数受注した。第4四半期以降に順次稼働させる見込みで業績面への貢献が期待できる。小売業については、メインのサービスである「ショッピングスキャン」に加え、同一プラットフォーム上で利用可能な「販促AI」や「SalesSensor」といった、AIを活用したサービスを売り込み、収益基盤を拡大させていく。消費財メーカーについては、同社が「ホワイトゾーン」と呼ぶ準大手・中堅企業の開拓を全国的に通期で積極的に進める。これら施策により、通期計画達成は狙えると弊社では見ている。同社としても新規案件の売上面への寄与が第4四半期から始まることで、上期のビハインドは十分カバー可能と考えている。

利益面では2026年3月期の数値目標として掲げている営業利益率8.0%超実現に向けて、採算性を重視した事業運営を進める。2025年3月期については前期のような大規模な人材投資やシステム投資は現時点では計画しておらず、利益率を高めながら事業の成長に合わせて必要な投資を進める。販管費に関しては、適正な利益率確保に向けコントロールし、利益率向上を後押しする。売上原価については既存契約の採算性の見直しのほか、案件受注に際しても採算性を考えて取り組むことから、計画達成の確度は高いと弊社では見ている。

2. 2025年3月期の重点施策の状況
同社は2025年3月期の重点施策として、2024年3月期まで推進してきた4つの施策をこれまでの進捗に合わせる形で目標を引き上げ、施策内容を再設定し推進している。

(1) クライアントに選ばれるデータプラットフォームとして小売業のDXを推進【リテールDX領域】
リテールDX領域の施策の一環として、2024年12月には大手小売業であるウエルシアホールディングス株式会社(以下、ウエルシア)へのリテールDXサービス導入を発表した。現在はその稼働に向けた作業を進めており、第4四半期以降の売上への寄与を見込んでいる。並行して大型案件の受注に向けた活動を進めており、成約につながれば第4四半期から来年度にかけて売上に貢献する見通しである。小売業向けには既存サービスに加えてAIを活用した新サービスを両輪に推進し、「面」での顧客開拓を図る方針の下、施策を進めている。「ショッピングスキャン」に加えて「販促AI」や「SalesSensor」等のAI活用サービスを推進ツールとするほか、大口顧客企業との取り組みやパートナーとの協業も準備を進めている。

(2) 将来の成長のタネである新領域の立ち上げ【ビジネスアナリティクス領域・広告領域】
ビジネスアナリティクス領域においては、上期に今後のスケール化に向けたサービス導入・運用プロセスの効率化に取り組んだ。スケール化にあたっては大手企業等との協業も重要なポイントとなるが、協業に向けた協議は順調に進んでいるようだ。また2024年11月にはアドバンテージ・パートナーズ株式会社から事業を譲受し、中小企業向けのコンサルティングサービスを開始する旨を発表した。あらゆる産業の中小企業向けに、間接費の最適化やバックオフィス業務の効率化で、生産性向上を支援する。広告領域では、2024年3月期より楽天グループ<4755>の購買データに基づくIDマーケティングソリューションと連携し、高精度なターゲティングと事後分析の提供を開始しており、売上面での業績寄与が進んでいる。海外領域については、2024年11月にベトナムのIT通信企業であるFPTコーポレーションの中核企業「FPT IS COMPANY LIMITED」及び「TECHUP COMMUNICATION JOINT STOCK COMPANY」と共同で、日本国内の消費財メーカー向けに、ベトナム市場におけるオンラインテストマーケティングサービスの提供を開始すると発表した。経済成長の続くベトナムと日本との商流拡大に貢献することが期待される。当面は同社の収益に大きな貢献は見込めないが、将来の成長に向けた「タネ」としての期待は大きい。また、2024年11月には東京海上スマートモビリティ株式会社と業務提携に向けた基本合意を締結し、「無駄の削減DX」の展開を発表するなど、協業企業との具体的な取り組みのリリースが相次いでいる。

(3) 消費財メーカーのDXに貢献(データ活用ステージに進むホワイトゾーン)【データマーケティング領域】
2024年8月、データ活用に不慣れな準大手・中堅の消費財メーカーをメインターゲットとして「Eagle Eye Dashboard」の販売を開始した。販売推進策として、Eagle Eye Dashboard利用から、データ活用が進んだ段階でEagle Eyeへの切り替え提案や、両サービスの並行利用等、顧客のデータ活用に関するリテラシーや利用目的に応じてバリエーションを持たせることで、拡販を推進する。また、同社が「ホワイトゾーン」と呼ぶ準大手・中堅メーカーの開拓に向け、大手企業との協業計画も進展しており、2025年3月期第3四半期以降の動向が注目される。

(4) 「人と組織の成長」「事業運営基盤の整備」による成果の最大化
「人と組織の成長」については、次世代リーダー育成に向けて組織長などリーダー層を対象に、外部専門家によるコーチングプログラムを導入している。また従業員の専門性を高めるため、資格取得支援を従来から実施している。定期的に対象資格を増やし、有力な資格については同社で活用していない場合も取得を支援する。ほかにも、資格取得後の資格手当を見直すことで、従業員の自発的な学びを支援するなど、体制強化を図っている。「事業運営基盤の整備」については、関連システムの整備により、開発のほか案件進捗や営業活動状況の管理精度が向上し、業務効率化に貢献している。既存契約解約の事前防止にも効果が出ており、引き続き改善に取り組んでいく。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)《HN》

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