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サンワテクノス Research Memo(1):高付加価値新商品の開発や海外拠点の拡充等の成長戦略が着実に進展
*15:01JST サンワテクノス Research Memo(1):高付加価値新商品の開発や海外拠点の拡充等の成長戦略が着実に進展
■要約
サンワテクノス<8137>は産業用エレクトロニクス・メカトロニクス関連の装置・機器・部品を取り扱う独立系技術商社である。電機・電子・機械の3分野にまたがって事業を展開し、それを生かした「双方向取引」(顧客メーカーに生産ラインの機器を納入し、そこで生産された製品を仕入れる)の2つの特長により業容を拡大してきた。国内30拠点、海外39拠点で事業を展開している(2024年11月末現在)。
1. 2025年3月期第2四半期(中間期)は減収減益となるも各段階利益は予想数値を上回る
2025年3月期第2四半期(中間期)(2024年4月-9月)の連結業績は、売上高で前年同期比21.9%減の69,426百万円、営業利益で同52.1%減の1,650百万円と減収減益となった。市況低迷による設備投資の減少や手配調整が続き、国内外でFA業界向けの電子部品や電子機器、制御機器などが減少したほか、前年同期に伸張したアジア地域での太陽光関連業界向け電機品の売上が減少した。ただ、利益重視の営業活動に取り組んだことで売上総利益率が前年同期から1.0ポイント上昇したほか、期中平均為替が152.25円/米ドルと前提レート(137.90円/米ドル)よりも円安で推移したこと、経費抑制に取り組んだことなどにより予想数値(売上高67,600百万円、営業利益1,030百万円)は上回った。なお、受注高は64,027百万円と同15.6%減と減少傾向が続いたものの、前下期比では4.9%増と2022年3月期下期以来の増加に転じた。
2. 2025年3月期は減収減益見込みだが、受注は日本で緩やかな回復局面に入る
2025年3月期の連結業績は売上高で前期比6.7%減の155,070百万円、営業利益で同50.4%減の3,080百万円と予想数値を据え置いた。第2四半期までの通期業績予想進捗率は売上高で44.8%、営業利益で53.6%と利益ベースで好進捗となっているが、海外拠点の業績回復が遅れていることや為替変動、地政学的リスクの動向を考慮した。実際、足元の受注状況については日本で回復基調となっているものの、海外向けについては力強さがまだ見られず、第3四半期の売上高は前四半期比で若干減少する見通しだ。ただ、為替前提レート137.9円/米ドルに対して、現在の為替水準は円安水準で推移していることもあり※、利益ベースでは予想数値を上振れする可能性が高いと弊社では見ている。
※ 1.0円/米ドルの変動による年間の収益影響額は売上高で421百万円、営業利益で46百万円(他通貨も米ドルと同じ変動率と仮定)。
3. 高付加価値新商品の開発、海外戦略等の成長戦略が着実に進展
同社は成長戦略として、1) 営業戦略(組織再編による顧客密着型営業戦略、顧客セグメント戦略の強化)、2) 商品戦略(環境に優しい商品の拡販によるGXの推進)、3) 技術戦略(高付加価値新商品の開発と拡販)、4) 海外戦略(顧客セグメント戦略を見据えた海外拠点の拡充)、5) DX戦略(DX推進による業務効率向上)に取り組んでいる。このうち、技術戦略では、(株)エムテックとの協業により開発し、2023年に発売したロボットソリューションパッケージの引き合いが好調なほか、2024年10月に資本業務提携を締結した(株)ロジック・アンド・デザインが持つ高度な画像処理技術を活用したソリューション開発にも着手しており、2年後の商品化を目標としている。これら付加価値商品の売上規模が拡大すれば、利益率上昇に寄与する見通しだ。
4. PBR1.0倍超の早期実現に向け株主還元を拡充
同社はPBR(株価純資産倍率)1.0倍超を早期実現するための施策の1つとして、株主還元の充実を打ち出している。配当方針は従来、連結配当性向25~35%を目標としてきたが、2025年3月期よりDOE(連結株主資本配当率)4.0%以上を目途に継続的かつ安定的配当を行う方針とした。2025年3月期は普通配当金110.0円と設立75周年記念配当10.0円を加えた120.0円とし、前期から25.0円の増配とする予定だ。また、株主優待制度として毎年3月末時点の株主に対して、保有株数及び保有期間に応じてQUOカードを贈呈する(100株以上500株未満保有で保有期間2年未満の場合は1,000円相当、2年以上保有で2,000円相当、500株以上保有で保有期間2年未満の場合は2,000円相当、2年以上保有で3,000円相当)。
■Key Points
・2025年3月期第2四半期(中間期)は減収減益となるも各段階利益は予想数値を上回る
・2025年3月期業績は為替変動や地政学的リスクを考慮し、予想数値を据え置くが各段階利益では上振れ余地あり
・成長戦略の実行により2026年3月期以降は収益拡大ステージに入る見通し
・DOE4.0%以上を目標に配当を実施、株主優待も加味した投資利回りは魅力的水準
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)《HN》
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