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一正蒲 Research Memo(3):1世帯当たりの年間消費支出は2018年を底に緩やかに上昇
*15:03JST 一正蒲 Research Memo(3):1世帯当たりの年間消費支出は2018年を底に緩やかに上昇
■一正蒲鉾<2904>の事業概要
1. 経営環境
水産練製品は1975年には約100万トンを生産していたが、1977年の200海里ショック(水域制限)を契機に、以降生産量が漸減してきているのが大まかな潮流だ。2022年の生産量は471千トンと2013年比では10.8%減少しているが、直近のトレンドという観点では緩やかながら下げ止まり感がうかがえる。1世帯当たりの年間消費支出も1992年をピークに、2002年に10千円を割り漸減傾向にあったが、直近では2018年の8,233千円を底に2022年には8,908千円まで緩やかに増加してきている。この背景には、水産練製品の高い栄養価と手軽さの再認知も影響しているとみられ、ヘルシー食品としての位置付けから、再評価の機運が見られる。なお、風味かまぼことして登場したカニかまは、業界でもロングランを続けている。業界全体としても、料理時間の短縮、手軽さを求める消費者の行動、健康・安全・安心を求める消費者の嗜好、電化製品の進化など生活様式の変化などにマッチした新しい商品開発によるさらなる需要喚起に取り組んでいる。
2. 全国の販売・生産拠点
同社の販売拠点は、新潟・札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡の8主要都市に支店と、各地域をカバーする11の営業所を設置している。各地域の市場の実情に合わせた専任営業担当が取引先とのコミュニケーションの密度を高めている。生産拠点は、新潟県に5工場、北海道小樽市に1工場、滋賀県守山市に1工場、新潟県にまいたけ栽培センター1ヶ所と計8工場を展開する。2023年4月に本格稼働した本社第二工場は、カニかまの主力商品「サラダスティック」の専用工場として複数工場での生産を集約し、「サラダスティック」の全社生産量の20%増強を実現した。第1位のシェアとなっている商品に集中投資し、優位性を確立する同社の戦略だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)《MY》
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