GameWith Research Memo(4):市場拡大が予想されるeスポーツへ経営資源を積極的に投下

2024年10月23日 14:04

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記事提供元:フィスコ

*14:04JST GameWith Research Memo(4):市場拡大が予想されるeスポーツへ経営資源を積極的に投下
■GameWith<6552>の事業概要

2. eスポーツ・エンタメ
eスポーツ・エンタメは、eスポーツチームの運営、クリエイターマネジメント、その他イベント企画運営や配信スタジオ事業などに大別される。2024年5月期のeスポーツ・エンタメの売上高は828百万円(前期比4.8%減)と、連結売上高3,497百万円に占める構成比は23.7%となっている。このうちeスポーツの売上高が651百万円、クリエイターマネジメントが175百万円という内訳であり、2021年10月に実施したDetonatioNの子会社化をきっかけにeスポーツの売上高が拡大している。クリエイターマネジメント市場は、広告単価の低いショート動画市場の拡大や広告単価下落などから逆風下に置かれており、同社としては現状のクリエイター数を維持しつつ、経営資源をクリエイターマネジメントからeスポーツ事業へシフトしている。

(1) eスポーツ
同社が運営する「DetonatioN FocusMe」は、世界大会出場経験豊富な国内トップレベルのプロeスポーツチームであり、名古屋にホームスタジアムを据えて活動を行っている。所属人数は50名を超えており、チームとしてのブランド力はMOBA(マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナの略称で、複数のプレイヤーが2つのチームに分かれ、各プレイヤーが1人のキャラクターを操作、味方チームと協力しながら敵チームの本拠地を破壊するか降参させることで勝利となるゲーム)、FPS(ファーストパーソンシューターの略称で、1人称視点でアクションを行うゲーム)、TPS(サードパーソンシューターの略称で、第3者視点でアクションを行うゲーム)、TCG(トレーディングカードゲーム)、格闘ゲーム、対戦アクション、サッカーゲームなど幅広い。eスポーツの売上高はスポンサー収入、タイアップ・イベント収入、大会賞金・支援金、ファンビジネスなどに大別されており、同社ではチームの価値向上やSNSでの認知度向上等を通じて今後はスポンサー収入とファンビジネスに最も力を入れていきたい考えである。

(2) クリエイターマネジメント
クリエイターマネジメントでは、当初はゲーム攻略情報をユーザーによりわかりやすく伝える手段として動画配信を行っていたが、現在は当該役割だけでなく、専属のクリエイター及びeスポーツ選手によるリアルタイムでのゲーム実況プレイ動画の配信等、動画ならではのコンテンツの企画・運営を行うことにより、ゲームの楽しみ方をユーザーに提供しているのが特徴である。動画編集、動画の企画・立案、コラボ配信のアレンジなどのノウハウを生かして、組織としてクリエイターの活動をサポートし、YouTube上での配信収益をクリエイターとレベニューシェアするビジネスモデルとなっている。現在は20名程度のクリエイターが同社へ所属し、総チャンネル登録者数は700万人以上(2022年9月28日時点)となっている。なお、過去においては動画の視聴回数と視聴単価を経営上の重要なKPIとしていたが、現在はショート動画が増えていること、また、同社の事業計画上、経営資源の配分としてクリエイターマネジメントは優先順位が高くないこともあり、現在は開示を行っていない。

(3) GWC(GameWith Cup)運営・配信スタジオ事業
GWCは「GameWithCup」の略称であり、国内最大級の視聴者数を誇る賞金制eスポーツ大会のことである。同大会では同社所属のeスポーツ選手、人気インフルエンサー、プロゲーマーなど総勢50名以上が戦いを繰り広げ、同社はこの大会の運営を行っている。また、配信スタジオ事業では合弁会社GameWith ARTERIAを通じてeスポーツに特化した配信スタジオ事業を行っている。高品質な通信インフラと同社のeスポーツ業界における知見やコネクション、企画・制作力を強みに事業を展開しているのが特徴である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)《HN》

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