ブリッジ Research Memo(2):企業の売上成長支援サービスを提供

2024年10月8日 14:02

印刷

記事提供元:フィスコ

*14:02JST ブリッジ Research Memo(2):企業の売上成長支援サービスを提供
■会社概要

ブリッジインターナショナル<7039>は、インサイドセールス事業と、子会社であるアイ・ラーニングを主軸とした研修事業の2つの事業で、クライアント企業への支援サービスを提供していたが、2024年12月期より事業セグメントを見直し、インサイドセールスアウトソーシング事業、C&S事業、研修事業の3つの事業に再編した。従来のインサイドセールス事業から、インサイドセールスアウトソーシング事業はアウトソーシングサービス部分を、C&S事業はコンサルティングサービス及びシステムソリューションサービス部分を引き継いだ。事業ポートフォリオの変革を推進し、成長領域への投資を高めることで、クライアント企業の法人営業改革・支援ソリューションをさらに強化し、中期的な成長を実現する。なお、C&S事業については、2024年12月期第2四半期から「プロセス・テクノロジー事業」に名称変更している。

インサイドセールスアウトソーシング事業では、インサイドセールスのアウトソーシングサービスをクライアント企業から受託し、営業支援の形でクライアント企業の売上目標達成に向けたプロセス管理強化をサポートする。インサイドセールスとは、直接顧客を訪問せずに電話やメールまたはSNSなどの様々な営業チャネルを活用し、法人営業プロセスの一部を担当して実行する営業活動、または営業担当者のことである。従来型の訪問営業を非対面の営業活動と分業化することで、営業の効率化・生産性の向上を図るセールス手法である。プロセスを分業化することにより属人的となっている営業活動の課題を解決し、企業の法人営業部門を支援する。

多くの企業において営業活動は、その成長を支える重要な活動の1つである。新規顧客の獲得、既存顧客の維持・取引拡大、各顧客における売上を伸ばすことで、企業の成長にとって重要な役割を担う。日本企業は、従来1人の法人営業担当者がすべてのプロセスを1人で担当し、訪問型でその営業活動を行うという属人的な営業モデル(営業担当者の人数に依存する営業モデル)を採用してきたが、同社は法人営業のプロセスをインサイドセールスと訪問営業のそれぞれ得意なプロセスに分担して担当し、営業効率を高める営業モデルを提唱している。

分業による効率化を進めてきた企業においては、売上を創出するマーケティング部門、セールス部門、カスタマーサクセス部門がそれぞれの目標を追い効率化を目指すことによる弊害も生まれてきている。そうした中で、プロセス・テクノロジー事業は売上にかかわるプロセスの全体最適を支援するコンサルティングサービス、テック選定・構築・伴走を手掛けるサービスを提供する。インサイドセールスアウトソーシング事業が法人営業改革のために外側から支援するサービスで、プロセス・テクノロジー事業はクライアント企業内部の仕組みを変革して内側から支援するサービスと言える。プロセス・テクノロジー事業はこれまで主に子会社であるClieXito(株)(クライエクシート)が担ってきたが、2024年3月にB2Bマーケティング分野において戦略策定からマーケティングオペレーション力の提供を通じて企業を支援してきた2BC(株)を吸収合併し、強化を図った。同年2月にはホテル・旅館、キャンプ場などにネットワークソリューションやSaaS型のソフトウェアソリューションを提供するトータルサポート(株)を子会社化した。プロセス・テクノロジー事業において、クライアントカバレッジの拡大、及びネットワークインフラに関する技術・サービス・製品の提供という両側面から体制強化を図っている。

インサイドセールス導入により法人営業改革を推進する場面において、同社はAIを中心とした様々なデジタルツールを駆使し、より高度で生産性の高い営業活動を支援している。いわゆる「営業(Sales)」と「技術(Technology)」を融合した「Sales Tech.(セールステック)」を実現している。なお、企業活動における業務プロセスの一部を一括して専門業者に外部委託するBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)とは一線を画する。

研修事業は、2021年3月に総合研修会社のアイ・ラーニングを子会社化し、新規セグメントとして開始した。アイ・ラーニングは1990年に日本アイ・ビー・エム(株)の研修部門から子会社として設立された経緯があり、以前からIT研修や新入社員研修のほか、営業職向け研修プログラムにおいて多数の企業に対する実績を持つ。アイ・ラーニングの連結子会社化を契機に、同社は従来のインサイドセールス関連やオンライン営業研修などに加えて、DX研修などアイ・ラーニングの研修プログラムを幅広く提供することが可能となった。これにより企業向け研修サービスプロバイダーとして、法人営業改革支援におけるそれぞれのサービスラインを相互補完するサービス提供体制の構築が進んだ。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)《HN》

関連記事