ビューテHD Research Memo(1):2024年6月期は計画を上回る増収ながら減益決算

2024年10月2日 11:11

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記事提供元:フィスコ

*11:11JST ビューテHD Research Memo(1):2024年6月期は計画を上回る増収ながら減益決算
■要約

1. 会社概要
ビューティカダンホールディングス<3041>は、葬儀の際に利用される生花祭壇等の企画・制作・設営を主力として、生花卸売やブライダル装花を含めた生花事業をコア事業としている。また、M&Aを活用した周辺事業の取り込みによる規模拡大と提案力向上にも積極的に取り込んできた。同社の特長は、広く一般的に普及してきた生花祭壇の先駆者として、長年培ってきた技術力や高いデザイン性に加え、独自の流通システムや大量仕入れを生かした価格競争力にある。葬儀業界においては家族葬や1日葬などへの移行による葬儀の縮小化、ブライダル業界では、少子化による婚姻件数の減少傾向が続いているが、コア事業である生花事業(生花祭壇事業、生花卸売事業、ブライダル装花事業)に最大限注力する事業方針の下、物流量の拡大や業務プロセスの効率化、事業間シナジーの創出により、「業界のコストリーダー」としてシェア拡大と持続的な成長を実現していく考えだ。2024年1月1日にさらなるグループ連携強化と次世代経営者育成に向けて持株会社体制へと移行すると、2024年7月1日からは新たな中期経営計画(2025年6月期〜2027年6月期)をスタートさせており、グループ収益力の強化とサステナビリティ経営の推進により、企業価値向上を目指している。

2. 2024年6月期の業績
2024年6月期の業績は、売上高が前期比8.9%増の6,982百万円、営業利益が同31.8%減の84百万円と増収ながら減益となった。主力の「生花祭壇事業」及び「生花卸売事業」の伸びが増収に寄与した。特に、「生花祭壇事業」の売上高は生花祭壇件数及び平均単価ともに増加し、2期連続で2ケタの伸びを実現した。一方、「ブライダル装花事業」はコロナ禍からの反動増の落ち着きにより減収となった。「その他事業」はシステム開発事業が好調に推移した。利益面では、円安の影響や輸送費の高騰により原価率が悪化したことに加え、人件費増で販管費が膨らんだことで減益となった。

3. 2025年6月期の業績予想
2025年6月期の業績について同社は、売上高を前期比8.8%増の7,600百万円、営業利益を同29.6%増の110百万円と増収増益を予想している。引き続き、「生花祭壇事業」及び「生花卸売事業」の伸びが増収に寄与する見込みだ。利益面では、エネルギー価格の高騰や人件費増、為替相場の変動など不安定な収益環境が続いているものの、利益率の高い「生花祭壇事業」の伸びやコスト削減などにより、増益を確保する見通しである。

4. 新中期経営計画の方向性
新たにスタートした3ヶ年の中期経営計画では、1) 経営基盤の強化、2) 各事業の売上拡大(グループ収益力の強化)、3) サステナビリティ経営の推進と企業価値向上を重点戦略に掲げるとともに、最終年度の目標として、売上高8,600百万円(年平均成長率7.2%)、営業利益200百万円(営業利益率2.3%)、ROE 18.5%を目指している。M&A(事業承継を含む)も視野に入れた「生花祭壇事業」及び「生花卸売事業」のシェア拡大や、DX推進による業務効率化が収益の伸びをけん引する想定である。

■Key Points
・2024年6月期は増収ながら円安の影響を含む原価増や人件費増により減益決算
・主力の「生花祭壇事業」は件数及び単価ともに上昇し、2期連続で2ケタ成長を実現
・2025年6月期は引き続き「生花祭壇事業」及び「生花卸売事業」の伸びにより増収増益を見込む
・新中期経営計画では、M&Aを視野に入れたシェア拡大とグループ収益力の強化を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)《HN》

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