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AndDo Research Memo(8):2025年6月期に売上高700.0億円、経常利益40.0億円を目指す
*11:08JST AndDo Research Memo(8):2025年6月期に売上高700.0億円、経常利益40.0億円を目指す
■中長期の成長戦略
And Doホールディングス<3457>は2022年3月、一層の成長と発展による企業価値向上を目指し、2025年6月期を最終年度とする3ヶ年の中期経営計画を策定した。これまで積極投資を行ってきたフランチャイズ事業、ハウス・リースバック事業、金融事業に加え、不動産売買事業を成長強化事業に位置付け、(1) 成長強化事業のさらなる拡大、(2) 「不動産×金融」サービスの深化、(3) 高収益体質化の促進を成長戦略とした。2025年6月期の業績に関して同社は、売上高で700億円、営業利益で40億円、経常利益で40億円、親会社株主に帰属する当期純利益で26.4億円を見込んでいる。売上高に関しては、不動産売買事業が中期経営計画の想定を大幅に上回って推移したことで、目標値を大きく上回って着地する見込みだ。その他、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益に関しても目標値に達する見込みだ。なお、経常利益率に関しては、トップライン伸びが想定を大きく上回る水準で推移したため、目標値を若干下回る着地を見込む。
同社は、2026年6月期以降の成長イメージとして、2029年6月期に売上高900~1,000億円、経常利益60~70億円に拡大することを目指している。次期中期経営計画(2025年6月期が終了した時点で公表予定)期間においても、フランチャイズ事業、ハウス・リースバック事業、金融事業、不動産売買事業の成長強化事業を中心に成長を加速させる構えだ。
(1) 成長強化事業のさらなる拡大
これまで積極投資を行ってきたフランチャイズ事業、ハウス・リースバック事業、金融事業のさらなる成長に加え、不動産売買事業も収益源として堅持することで、2025年6月期の売上高成長率25.2%(2022年6月期比)、経常利益成長率35.7%(同)を目指している。期初予想を達成した場合、売上高成長率は69.1%、経常利益成長率は35.7%となることが見込まれる。
a) フランチャイズ事業
首都圏を中心に開発を強化することで、2025年6月期に売上高41.8億円(2022年6月期比23.4%増)、営業利益29.0億円(同26.0%増)、累計加盟店舗数865店舗(2022年6月期末比182店舗増)を目指してきた。
b) ハウス・リースバック事業
人員及び広告費を投下し、加速度的に事業を拡大することで、2025年6月期に売上高214.2億円(2022年6月期比47.4%増)、営業利益28.3億円(同64.8%増)、年間仕入契約数1,440件(2022年6月期比350件増)、月間仕入契約件数150件を目指してきた。2025年6月期の同事業の売上高及び営業利益は、それぞれ26,528百万円、3,250百万円を見込んでおり、売上高、営業利益ともに計画値を上回って着地する見通しだ。仕入契約件数が計画値を下回る見込みではあるものの、これは好調な不動産売買事業にリソースを重点的に割いていることが要因であり事業環境自体は良好である。今後は、不動産売買事業とのバランスを取りつつ、時期をみて取扱件数を拡大する考えだ。
c) 金融事業
引き続き、リバースモーゲージ保証事業に注力する。提携金融機関の新規開拓に注力するほか、既存の提携金融機関と新規顧客開拓を推進することで、2025年6月期に売上高14.1億円(2022年6月期比83.8%増)、営業利益6.0億円(同338.0%増)、リバースモーゲージ累計保証残高506億円(2022年6月期末比474.7%増)、提携金融機関100行を目指してきた。中期経営計画と比べると、業績拡大スピードは若干遅くなっているものの、リバースモーゲージ保証事業の業績は右肩上がりで成長している。今後も首都圏を中心に提携金融機関を開拓することにより、保証残高積み上げを加速させる構えだ
d) 不動産売買事業
資産の回転率を維持しつつ、仕入強化によって商品在庫の充実を図ることで、2025年6月期に売上高207.6億円(2022年6月期比12.6%増)、営業利益18.0億円(同6.4%増)、棚卸資産残高140億円(2022年6月期末比13.2%減)を目指してきた。同事業に関しては、売上高、営業利益、棚卸資産残高、全ての計画値を2024年6月期に達成している。仕入れの積極化によって棚卸資産残高が計画を上回るペースで積み上がるなか、コロナ禍に割安で仕入れた大型物件の売却が好調だったことや同社が注力している住宅系不動産の販売が伸びたことなどで、1年前倒しでの目標達成となった。今後も仕入れの強化と同時に回転率を意識し売却を推し進めることによって、資本効率を改善しながら業績の拡大を追求する。
(2) 「不動産×金融」サービスの深化
金融サービスと不動産事業を連携させ、シナジーを強化することで、さらなる事業拡大を目指す。具体的には、リバースモーゲージ保証事業で保証不動産処分時の収益獲得スキームを構築するほか、住宅ローン困窮者向けなど顧客ニーズの開拓を推進する。併せて、その他不動産事業で入口(資金ニーズ)と出口(不動産処分)のシナジーを強化する。リバースモーゲージ保証に関しては不動産の処分が段階的に開始されており、ハウス・リースバック事業での買い取りや一般媒介での売却などの実績ができている。
(3) 高収益体質化の促進
DX推進による業務効率化、成長強化事業への投資拡大、事業ポートフォリオの最適化を推進することで、高収益体質化を促進する。収益性の高い中古買取再販事業に注力しており、同社の収益性向上に寄与すると弊社では見ている。
なお、フロー事業については非中核事業であることから横ばいの計画を立てている。不動産流通事業は2025年6月期に売上高20.4億円(2022年6月期比12.2%減)、営業利益6.4億円(同12.3%減)、リフォーム事業は売上高27.0億円(同1.6%増)、営業利益2.3億円(同17.9%増)を目標に事業を推進してきた。
上記の成長戦略に加えて、同社は資本コストと株価を意識した経営に引き続き取り組んでいく。同社のROEは15%程度で推移しているものの、財務レバレッジ上昇の影響が大きい。そのため、営業利益率と総資本回転率の上昇に注力する方針だ。金融事業の業績拡大やDX推進による業務効率化などにより営業利益率を高めるほか、在庫回転率を意識した売却の促進で総資本回転率を高め資本収益性の向上を図る。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)《HN》
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