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トレードワークス Research Memo(5):金融ソリューション事業は期ズレの影響で減収となるも、受注は順調に進捗
*13:05JST トレードワークス Research Memo(5):金融ソリューション事業は期ズレの影響で減収となるも、受注は順調に進捗
■トレードワークス<3997>の業績動向
2. 事業別の売上動向
(1) 金融ソリューション事業
金融ソリューション事業の売上高は前年同期比8.4%減の1,247百万円となった。数千万円規模案件のうち複数件の納品時期が顧客事由により第3四半期以降に期ズレしたことが主な減収要因である。ただ、米国株ネット取引システム及び積立NISA等の受注状況は引き続き順調で、新規顧客も2社獲得しており、通期では増収となる見通しだ。
ここ数年、株式投資への関心の高まりとともに、米国株を中心とした外国株式取引を行う個人投資家が増えていることから、外国株取引システムを導入する証券会社が増加傾向にある。日本証券業協会の調べによると、会員企業のうち外国株式を取り扱う証券会社は2021年3月末の19社から2024年3月末は30社と増加傾向にある。インターネット取引サービスを提供する証券会社は95社あることから、導入余地は大きく今後も拡大が期待される。
(2) FXシステム事業
FXシステム事業の売上高は前年同期比20.5%増の94百万円となった。主力商品である「TRAdING STUDIO」のスマートフォンアプリの開発が遅れ、納品時期が下期にずれ込んだものの、既存顧客向けにCFD(差金決済取引)システムサービスが順調に拡大し増収となった。
(3) デジタルコマース事業
デジタルコマース事業には、デジタルコマース事業やメタバースソリューション事業などの新規事業とセキュリティ診断サービス事業が含まれており、売上高は前年同期比70.7%増の94百万円と順調に伸長した。主たる要因はデジタルコマース事業において、コネクテッドコマースと協業したリアル×デジタル体験型店舗「AZLM」のシステム利用料等の増加による。現在、「AZLM」はFC店も含めて3店舗(池袋、仙台、岩手)を出店しており、今後も店舗数を拡大する考えだ。
メタバースソリューション事業では、学校法人などの教育機関及び金融機関への共同利用及び専用型のメタバースアプリの拡販を積極的に進めている。また、新たな取り組みとして2023年10月に乃木坂46やSKE48などの著名アーティストの運営会社を傘下に持つKeyHolder<4712>、並びにファンダム※の組成・運営を手掛ける(株)BEAMINGと共同で、新たなファン組成のために「ファンダム」企画の検証に向けた業務提携契約を締結したが、2024年8月時点ではまだ企画・検討段階にあり目立った進捗はない。
※ ファンダムとは、タレントやIPに関して所属事務所が定めるルールのもとで、ファンが自らの発案によって応援グッズや告知物の制作等、“自主的且つ組織的”に活動するファン集団を指す。所属事務所は、ファンを信頼し、ファンに任せることで二次創作や応援広告を後押しし、「主客一体」でアーティストを盛り上げる。
セキュリティ診断サービス事業の売上高は前年同期並みの水準に留まったが、2024年4月に(株)ドキドキグルーヴワークスと業務提携契約を締結し、売上高の拡大を目指す。ドキドキグルーヴワークスは主にゲームソフトの開発及びテストサービスを展開する企業で、企画・開発からソフトウェアテスト、運営・サポートまでをワンストップでサービス提供していることが特徴だ。今後、ドキドキグルーヴワークスが有するエンターテインメント・エンタープライズ領域の顧客基盤に対して同社のセキュリティ診断サービスを提案していく。
(4) ソフトウェア受託開発及びITコンシェルジュサービス事業
ソフトウェア受託開発及びITコンシェルジュサービス事業の売上高は、前年同期比4.5%増の116百万円と堅調だった。特に生産管理分野の開発業務が順調に推移した。
(5) 基幹サーバー・ネットワーク設計及び構築、システム運用のコンサルティング事業
前下期から連結対象に加わったペガサス・システムが手掛ける基幹サーバー・ネットワーク設計及び構築、システム運用のコンサルティング事業の売上高は387百万円と前下期の379百万円から若干増加した。官公庁・金融向けパッケージソフトや電力・ガス等のエネルギー分野及び医療分野へのSESが引き続き堅調に推移した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)《HN》
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