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新晃工業 Research Memo(10):営業活動を活性化したばかりだが、データセンターの受注が絶好調
*14:50JST 新晃工業 Research Memo(10):営業活動を活性化したばかりだが、データセンターの受注が絶好調
■新晃工業<6458>の業績動向
2. 重要ターゲット別の状況
5つの重点ターゲットは、動きにややまちまち感はあるものの、それぞれある程度順調に進展したと言える。
5つの重点ターゲットのうち、専任部署を置いて営業活動を拡充したばかりの大規模・高速・大容量ハイパースケールデータセンター向け受注が絶好調である。独STULZ GmbHがほぼ独占していた市場に、ほかにない大風量と短納期設計、国内メーカーによるオーダー製品・サービスの一貫提供体制を武器に食い込み、既に一定のプレゼンスを発揮しているもようである。なお、STULZの売上が(一社)日本冷凍空調工業会の統計に含まれていないことからシェアは算出されておらず、統計的には同社が受注するに伴って市場が拡大していることになるようだ。また、データセンターが減収となっているが、ハイパースケールデータセンターの受注が始まったばかりであること、売上計上までのリードタイムが長いこと、サーバーの納期遅れなどにより工期が長期化していることが要因で、受注状況から、2025年3月期以降の売上高は大きく増加する見込みである。
そのほか、産業向けは国内への製造回帰にアフターコロナの景気回復が加わって、更新につながる新規工場案件が増加するなど好調に推移した。国内経済に不透明感が残るものの、サブコンなど業界動向から外部環境はネガティブなわけでもなく、今後もシェアを維持しつつ成長していくことは可能と考えられる状況である。大型オフィスビル向けは、オフィス用途の上層と商業用途の下層で構造が異なり、上層は比較的価格競争が厳しいが、同社が得意とする下層はオーダーメイドの強みを発揮することができるうえ、大型商業施設向けに新ラインナップも開発したことで、一定の受注を確保しているもようである。前期に横ばいだった個別空調は、2024年4月にヒートポンプエンジニアリング事業部を新設して、機器の販売だけでなくエンジニアリングサービスも提供していく。更新向けは、コロナ禍が明けて一気に工事が始まったことで捌ききれないほどの工事を受注、売上高も大きく伸びた。2024年問題以降はキャパシティ面で売上を必要以上に伸ばせなくなるが、高収益のため引き続き利益への貢献は大きくなるようだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)《SO》
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