IIF Research Memo(11):中期ビジョンのもと、既存事業拡大、新規事業展開積極化で成長を加速させる(2)

2024年7月25日 15:11

印刷

記事提供元:フィスコ

*15:11JST IIF Research Memo(11):中期ビジョンのもと、既存事業拡大、新規事業展開積極化で成長を加速させる(2)
■インターネットインフィニティー<6545>の中期的な経営方針

セグメント別の利益計画と成長戦略は以下のとおり。

(1) レコードブック事業
2028年3月期に売上高2,196百万円、営業利益809百万円を計画している。直近の稼働率回復状況に伴う稼働率の見通しの変更や、直営店のFC化の時期の変更に伴う直営店舗数の想定の見直しなどにより、売上高及び利益計画を上方修正した。「レコードブック」の出店戦略に関しては、FC加盟店の業績向上支援に注力することで、2店舗目・3店舗目の出店を促し、3〜4年後を目途にフランチャイズを中心に総店舗数を400店舗まで増店する計画である(2030年代には店舗数を約1,000店舗にする計画)。また、物件開発体制も強化し、出店スピードを加速させる。利用者数は足元で過去最高の月間利用者数を更新するなど、順調に増加している。利用者が増加するなかで稼働率を高位安定させるとともに、段階的に直営店をFC化することにより業務の効率化を図り、事業としての収益性も高める方針だ。

(2) Webソリューション事業
2028年3月期に売上高402百万円、営業利益132百万円を計画している。仕事と介護の両立支援サービスの導入企業数拡大に注力することで売上と利益を積み上げていく。シルバーマーケティング支援とメディカルソリューションに関しては、引き続き顧客プロジェクトの川上から関与することによって、案件単価の大型化と収益性の向上を目指す。

また、基盤となるケアマネジャーネットワーク強化のため、「ケアマネジメント・オンライン」の登録者増加施策を継続し、会員ネットワークの価値向上を図る。具体的には、業務支援ツールのブラッシュアップ、他企業とのタイアップ、介護保険法についての最新情報の発信など、ケアマネジャーにとってメリットのある情報やツールの提供を引き続き強化する方針だ。

前回開示と比較して、売上高及び利益の計画を下方修正したが、これは新規事業の開発に注力するためだ。具体的には、レコードブック派生DXソリューション、中堅介護事業者向けDXソリューションなどの各種新規事業を開発していく。レコードブック派生DXソリューションでは、現場で蓄積したデータを活用し、個人ごとに最適な運動プログラムを自動生成することや、そうした運動プログラムを他社へ販売することを計画している。中堅介護事業者向けDXソリューションでは、同社が蓄積してきた介護事業所運営ノウハウ、各種データ、ネットワークを活用し、中堅介護事業者に対してシステム連携やコンサルティングサービスを提供していく。

(3) アクティブライフ事業
2028年3月期に売上高1,519百万円、営業利益161百万円を計画している。既存事業である福祉用具貸与事業を着実に成長させながら、正光技建の構造改革を完遂することにより業績を拡大させる。正光技建に関しては、今後もトップライン拡大と収益性向上に資する構造改革を推進し、早期に利益貢献できる体制の構築を目指す。さらに、フルケアと正光技建の連携によるシナジー創出により、住宅改修案件数の増加と単価の上昇に注力する。住宅リフォーム事業を展開している正光技建の子会社化は、同社グループの事業ポートフォリオを介護保険外の領域へ分散させ、介護保険制度の改定に左右されづらい収益基盤を構築するという狙いもあった。また、レコードブックX(クロス)などの新規事業も開発していく。レコードブックXでは、レコードブック利用者への福祉用具貸与・販売を行う方針で、これにより、店舗の非滞在時間にも転倒骨折予防などの介護予防を推進し、健康寿命の延伸に貢献するとともに、介護・医療費の増大を抑制していく考えだ。レコードブックXは現在、2店舗を出店しているが、2028年3月期までに75店舗に拡大する計画である。今後も新規事業開発やM&Aによって、さらなるサービスの多角化を目指す方針だ。

(4) 在宅サービス事業
2028年3月期に売上高2,175百万円、営業利益410百万円を計画している。既存サービスの利用者数の着実な増加により、売上と利益を拡大する。2022年12月に住宅型有料老人ホーム2施設を事業譲受したことにより、中重度要介護サービスのラインナップが強化・拡充された格好だが、多様化するニーズに寄り添うために今後も、M&Aを活用した新規事業所の開設や周辺事業領域への進出を積極的に模索していく。

(5) その他
将来的には、同社の介護サービス提供ノウハウを、アジアを中心とした海外へと展開することも視野に入れているようだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)《HN》

関連記事