プロディライト Research Memo(8):上期は業績未達も、戦略は順調に実行

2024年6月24日 18:48

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記事提供元:フィスコ

*18:48JST プロディライト Research Memo(8):上期は業績未達も、戦略は順調に実行
■業績動向

1. 2024年8月期第2四半期の業績動向
プロディライト<5580>の2024年8月期第2四半期の業績は、売上高1,048百万円(前年同期比9.4%増)、営業利益62百万円(同0.2%減)、経常利益61百万円(同2.0%増)、四半期純利益36百万円(同5.1%減)となった。期初の業績予想に対して、売上高で64百万円、営業利益で14百万円、経常利益で14百万円、当期純利益で13百万円の未達となったが、売上高の期ズレが主な要因であることから、下期で取り返せる範囲と考えられる。なお、特別損失で、上位回線キャリアの障害及び販売端末のファームウェア不具合の発生に伴う損害補償金を計上した。

日本経済は、新型コロナウイルス感染症の5類への移行により社会経済活動の正常化が進み、雇用・所得の改善を背景とした個人消費の増加やインバウンド需要の回復などもあって、緩やかに回復している。しかし、ロシア・ウクライナ情勢の長期化や中東情勢の緊迫化といった地政学リスクの高まり、世界的な金融引締め、中国経済の先行き懸念などによる海外景気の下振れがリスクとなっており、また、円安や物価上昇、人手不足などの国内の課題もあり、依然として先行き不透明な状況が続いている。一方、クラウドPBX及びIP電話サービスの市場は、テレワークやフリーアドレスなど働き方改革やオフィス環境の変化に関連したDX需要などを取り込んで、好調を維持している。このような環境下で同社は、自社開発のクラウドPBX「INNOVERA」を中心に様々なIP電話回線、スマートフォンアプリ、ネット回線、固定端末をワンストップで提供することにより顧客の「電話のDX」実現に向けて、「INNOVERA」の継続的進化、AI技術を応用したオプションサービスの開発、パートナーシップの強化及びターゲットの拡大、情報発信やスポンサーイベントによるブランド力強化といった中期経営計画に沿った事業戦略に取り組んだ。また、後述するように、さらなる収益力の向上を目指し、顧客利便性を重視したサービスの追求や新たな顧客創出に努めた。

売上面では、クラウドPBX市場の成長を背景に、据え置き型からスマートフォンがあればどこでも受信可能なクラウド型へのシフトが進むなか、「INNOVERA」の売上高が順調に伸長した。特にシステム、回線、端末をワンストップで提供できることが強みとなってパートナーの動きが活発化、パートナー経由でクラウドを要望する顧客が増えているようだ。また、上場を機に大手企業を紹介されるケースが増えたことで、使い勝手の優位性が評価されることが多くなり、そうした大手企業のラインナップに加えてもらう機会も増えたようだ。なお、顧客属性は、ビジネスフォンのためどのような業界もどのような顧客も対象となるが、同社のサービスは大手企業であるほどメリットが大きくなる傾向があることから、大手顧客が増え始めたことは自然な流れと言うことができよう。一方、元々、中長期的に見込んでいた現行の「INNOVERA」とは別のプラットフォームで動作するアウトバウンド架電システムの縮小が想定よりやや早まった影響を受け、未達となった。

利益面では、システムや回線の利益は増加したが、大手パートナーが増えたことで初期費用やインセンティブが発生して売上総利益率が低下した。販管費は体制強化に向けて人件費や採用教育費が増加したものの、コントロールを徹底したことで販管費率は改善した。この結果、営業利益率はやや低下して微減益となった。一方、当初業績予想に対して未達となった主な要因は、先述のアウトバウンド架電システムの縮小が想定よりも早かったこと、さらにそれが回線との相関が強いシステムであるため回線も未達になったことである。なお今後、拡張性が高い新型プラットフォーム「INNOVERA 2.0」の成長加速及び第3四半期以降の着実な刈り取りによるアカウント数増加を背景に、この縮小をソフトランディングさせる考えである。なお、売上総利益率は足元では既に取り返しつつあるようだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)《SO》

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