兵機海運 Research Memo(6):2024年3月期は減収・営業減益、取引形態の見直しや特需のはく落が影響

2024年6月24日 15:26

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記事提供元:フィスコ

*15:26JST 兵機海運 Research Memo(6):2024年3月期は減収・営業減益、取引形態の見直しや特需のはく落が影響
■業績動向

1. 2024年3月期の業績概要
兵機海運<9362>の2024年3月期の業績は、売上高で前期比20.3%減の14,636百万円、営業利益で同7.2%減の519百万円、経常利益で同10.9%増の678百万円、当期純利益で同16.8%増の512百万円だった。売上高に関しては、内航事業は増収を確保したものの、外航事業と港運事業が減収となったことが響いた。ただ、港運事業の減収は、取引形態の見直しにより従来売上高として計上していた項目を立替金に振り替えたことが主因であり、事業自体は安定して推移したと言える。外航事業では、前期に発生した建機類のスポット特需がはく落したことが響いた。利益面に関しては、燃料価格の高止まりなどコスト上昇圧力があるなか、値上げを確実に実施したものの、外航事業において前期の特需はく落したことや、倉庫事業において人員拡充を推進したことなどを受け営業利益が減益となった。一方で、子会社の清算を受け、経常利益と当期純利益は増益を確保した。子会社の清算に関しては、建機類の輸送を行っていた極東ロシア向け航路が中長期的に再開出来ないとの経営判断から同航路の運航を担っていたK.S.LINES S.Aの清算を2024年3月に完了している。これを受け、営業外収益に貸倒引当金戻入額89百万円、特別利益に子会社清算益30百万円を計上したことが利益を押し上げた。期初時点の業績予想と実績を比較すると、売上高はマイナス8.5%、営業利益はマイナス0.2%、経常利益はプラス23.3%、当期純利益はプラス28.0%となった。売上高に関しては既述の通り、取引形態の見直しを受け未達となったものの、営業利益に関しては概ね想定通りの着地となった。子会社清算の影響により、経常利益と当期純利益は予想を大きく上回る着地となった。なお同社は、業績の見通しに関して2023年11月と2024年2月の計2回修正を行っている。2023年11月は取引形態の見直しを受け売上高予想を下方修正し、2024年2月には子会社清算を受け、営業利益、経常利益、当期純利益を上方修正した。直近の業績見通し(2024年2月)と実績を比較すると、営業利益は僅かながら予想を下回ったものの、経常利益、当期純利益は予想を上回る着地となった。

2024年3月期の取扱輸送量は、前期比8.0%減の3,625千トンであり、輸送品目別数量では主力の鉄鋼が同4.5%減の1,921千トンだった(構成比53.0%)。売上高に占める輸送品目別の割合は、主力の鉄鋼が同3.5%減の7,477百万円(構成比51.1%)だった。なお、K.S.LINES S.Aの清算により連結子会社が存在しなくなったことから、同社は2024年3月期から非連結決算に移行している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)《SI》

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