上新電機 Research Memo(5):2024年3月期は期初計画に対して売上高、営業利益ともに下振れて着地

2024年6月6日 16:05

印刷

記事提供元:フィスコ

*16:05JST 上新電機 Research Memo(5):2024年3月期は期初計画に対して売上高、営業利益ともに下振れて着地
■業績動向

1. 2024年3月期の業績概要
上新電機<8173>の2024年3月期の業績は、売上高が前期比1.2%減の403,692百万円、営業利益が同0.6%増の8,364百万円、経常利益が同0.8%減の8,251百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同1.6%減の4,891百万円となり、期初に発表した業績予想である売上高410,000百万円、営業利益9,000百万円、経常利益9,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益6,000百万円に対しては、全ての項目において下振れての着地となった。期初の営業利益率の計画値である2.2%に対して実績は2.1%であったことから、営業利益以下の未達要因の大半は売上高の未達に起因する。また、売上高が未達となった最大の要因はインターネット販売の減少にある。同社では実店舗とインターネット販売に分けた売上高の予想は開示していないが、2024年3月期の実店舗売上高が同1.3%増の331,418百万円だったのに対し、インターネット販売は同14.5%減64,618百万円へと大きく落ち込んだ。コロナ禍からの経済正常化の流れのなか、顧客がECからリアル店舗への来店・購入に再シフトするなか、同業他社に比べてECに対して積極的に取り組んできたことが、短期的に同社業績の向かい風になったとも言えよう。また、同社も含めた家電業界全体として、主力取り扱い商品であるテレビ、パソコン、ゲーム機などがコロナ禍で在宅頻度が増えたことによる需要の先食いも過去数年間であったとみられ、その反動による調整の影響もあったとみられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)《HN》

関連記事