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米国株式市場見通し:FOMC通過までは長期金利に振らされる地合いが継続か
*14:14JST 米国株式市場見通し:FOMC通過までは長期金利に振らされる地合いが継続か
来週の米国株は、米雇用関連の経済指標を受けた長期金利動向を睨んだ展開となろう。6月11-12日に開催される連邦公開市場委員会(FOMC)前のブラックアウト期間入りとなり、経済指標への関心はより高まると考える。特に週末の5月雇用統計は要注目だ。5月上旬から中旬にかけて長期金利が低下したきっかけを作ったのが、5月3日に発表された4月雇用統計だ。市場予想ほど労働市場の過熱感を示す内容ではなかったことから、4月雇用統計発表前に4.58%水準だった米10年国債利回りはじりじりと下げ、15日の4月消費者物価指数(CPI)発表後、4.30%まで下落した。この間、金利低下を背景に米国株は上昇したが、CPI以降に発表された米経済指標が予想よりも強かったことや、政府要人からタカ派な発言が相次いだことで、長期金利は上昇。5月20日に史上初めて終値ベースで40000ドル台に乗せたNYダウは調整色を強めている。
エヌビディアの強い動きでナスダックは今週、史上最高値を更新したが、本来、金利上昇局面は、ハイテクが多いナスダックにとってネガティブ材料となる。エヌビディア一強に映るナスダックは注意が必要だ。実際、エヌビディアは5月29日の1148.25ドルをピークにやや調整していることで警戒しておきたい。
週末のNYダウは、大幅反発したが、25日移動平均線、75日移動平均線はともにクリアできていないことで、下を意識した地合いは継続中と考える。足元38000ドル割れは回避したが、この水準を下回ると4月17日につけた足元の安値37611.56ドルの攻防となろう。長期金利を睨んだ神経質な地合いが続くことから、FOMCを通過するまで、米国株は長期金利に一喜一憂する方向感に乏しい展開となろう。
経済指標では、3日に5月製造業PMI(改定値)、ISM製造業景気指数、4日に4月JOLTS求人件数、製造業新規受注、耐久財受注(確報値)、5日に5月ADP雇用者数、サービス業/総合PMI(改定値)、ISM非製造業景気指数、週間原油在庫、6日に週次新規失業保険申請件数、4月貿易収支、7日に5月雇用統計、4月卸売在庫(確報値)などが予定されている。
主要企業決算は、4日にヒューレット・パッカード・エンタープライズ、5日にダラー・ツリー、6日にシエナ、ドキュサインなどが予定されている。《FA》
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