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シンバイオ製薬 Research Memo(9):2023年12月期は後発医薬品の浸透や薬価下落の影響で大幅減収に
*13:19JST シンバイオ製薬 Research Memo(9):2023年12月期は後発医薬品の浸透や薬価下落の影響で大幅減収に
■業績動向
1. 2023年12月期の業績概要
シンバイオ製薬<4582>の2023年12月期の連結業績は、売上高が前期比44.1%減の5,589百万円、営業損失が811百万円(前期は1,963百万円の利益)、経常損失が736百万円(同1,999百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純損失が1,962百万円(同1,179百万円の利益)となり、4期ぶりの減収、3期ぶりの損失計上となった。
売上高は、新型コロナウイルス感染症拡大により、悪性リンパ腫患者への感染リスク増大と、ベンダムスチン治療中もしくは治療後における感染の蔓延や重症化リスクを懸念して、ベンダムスチンの処方が控えられる状況が続いたことに加えて、後発医薬品の浸透による「トレアキシン(R)」の市場シェア低下や薬価下落もあって大幅減収となった。
売上総利益率は前期の75.9%から78.9%に上昇したが、これは「トレアキシン(R)」の販売マイルストーン支払い550百万円が前期の売上原価に含まれていたためで、同要因を除いた前期の売上総利益率は約81%であり実質は若干低下したことになる。これは2023年6月に「トレアキシン(R)」の品質不良問題が発生し、一時費用が膨らんだことが主因である。なお、「トレアキシン(R)」の販売マイルストーン支払いに関しては2022年12月期ですべて終了している。
販管費のうち研究開発費は、BCVの臨床試験費用や共同研究費用の増加により同3.3%増の2,638百万円となった。その他の販管費は同16.1%減の2,584百万円となったが、主には「トレアキシン(R)」に関連する販促費の減少(同543百万円減の937百万円)による。また、特別損失として有形固定資産やソフトウェア資産等の減損損失560百万円を計上したことに加えて、繰延税金資産744百万円を取崩したことにより、親会社株主に帰属する当期純損失が膨らむ格好となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)《HH》
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