FB Research Memo(2):5G生活様式支援事業をはじめ3事業すべてが増益

2024年4月8日 14:12

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記事提供元:フィスコ

*14:12JST FB Research Memo(2):5G生活様式支援事業をはじめ3事業すべてが増益
■フリービット<3843>の業績動向

2. 2024年4月期第3四半期のセグメント別業績動向
(1) 5Gインフラ支援事業
固定回線網はサービス利用の減少やネットワーク原価の高止まりにより厳しい事業環境が続いている。一方でモバイル回線網は、独自型MVNOサービス事業者が大手モバイル通信キャリアの格安プランなどによる影響を受けてはいるものの、IoTやインバウンド向けなどモバイル市場全体の成長は継続していることから、MVNE(仮想移動体通信事業者(MVNO)の支援事業者)としてのMVNO向け支援事業が順調に拡大した。さらに、スタートアップ企業や中小企業といった新たな小口客にリーチするため、法人向けICTパッケージ「freebit Business」のサービスを開始しており、第1弾「どこでもIP」提供開始に続いて第2弾「freebit mobile Biz」の提供を発表した。この結果、売上高は7,424百万円(前年同期比4.4%増)、セグメント利益は1,341百万円(同15.6%増)となった。

(2) 5G生活様式支援事業
主力の5G Homestyle(集合住宅向けインターネットサービス)では、建物の資産価値や入居率の向上を目的に高速ブロードバンド環境が標準化している事業環境を踏まえ、より高速なインターネット接続サービスや多目的施設へのインターネット接続サービス、戸建賃貸住宅向けサービスなどの提供を拡大した。このため、サービス提供戸数が2023年12月末累計で10.6万戸増(ギガプライズ前期末比)の115.7万戸と順調に推移した。5G Lifestyle(個人向けのモバイル通信サービスやインターネット関連サービス)では、固定回線網サービスの利用は減少したものの、新端末発売のためのマーケティングコスト一巡や顧客獲得コストのコントロールにより「トーンモバイル」の利益改善が進んだ。この結果、売上高は19,903百万円(前年同期比18.7%増)、セグメント利益は2,578百万円(同68.0%増)となった。なお、GPG決算期変更の影響を除いた実質ベースにおいても、事業自体が順調に推移したため、売上高・セグメント利益ともに増加となった。

(3) 企業・クリエイター5G DX支援事業
新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴う行動制限の緩和により広告需要が回復したが、同分野ではクッキー規制などにより時代の転換点にあるとも言われている。そのなかで、フルスピードが展開するインターネットマーケティングやアドテクノロジーサービスにおいてこれまで培ってきたインターネットマーケティングのノウハウを生かすとともに、注力ジャンルの強化や海外顧客の獲得を行いアフィリエイト事業が好調に推移した。また、フルスピードの完全子会社化に伴うリソースの最適化といったPMI効果により販管費の抑制が進んだ。一方、新規事業である「Stand Alone」のサービス展開が進み、2024年2月20日には騎手・坂井瑠星氏のアプリ「RS Jockey Room」を、同年3月28日には俳優・窪塚愛流氏のアプリ「AiRu」をそれぞれリリースし、そのほかにも俳優・山本舞香氏のアプリリリースに向け準備を進めるなど、中期的な取り組みとして同社が目指す5G/web3時代のファンコミュニティの形成が順調に進捗した。この結果、売上高は14,654百万円(前年同期比18.0%増)、セグメント利益は767百万円(同59.3%増)となった。

(4) One Visionの進捗
2023年12月8日に発表した、web3によるステークホルダーコミュニティー実証実験「One Vision」も順調に進展している。まず、「トーンモバイル」の顧客向けに「TONE Coin」のリアル価値交換(トーンモバイルの利用料金への充当)を、2024年2月1日に開始した。この価値交換のアナウンス後に「TONE Chain」ノード数の増加に弾みがつき、3月時点でノード数世界第3位の規模となり、同社ブロックチェーンの信頼度が着実に高まった。また、株主向けには2024年3月8日に「One Vision」の株主還元施策に関するロードマップを発表した。4月末時点の株主名簿に記載された株主に対し、6月を目途に「フリービット株主DAOアプリ」及び「フリービット株主DAO」参加権となる「株主NFT」の提供を開始する予定である。これにより、株主は「TONE Chain」のシーリングに参加可能となり、報酬として「TONE Coin」を獲得することができるようになる(株主の価値交換については検討中)。また、株主掲示板への投稿などを通して、株主同士やIR担当者との交流も可能となる見込みである。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)《SO》

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