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「リンシュウ」2024秋冬コレクションを発表 ネオ・シックな世界観を表現
デザイナー山地正倫周と山地りえこがデザインする「リンシュウ(RYNSHU)」は2024年2月6日、東京・港区のアニヴェルセル表参道で2024秋冬コレクションを発表した。“Eyes On Fire”をテーマにした今シーズン。「リンシュウ流 ネオ・シックな世界観」を表現した。
会場に入ると聞こえてきたのは空港のターミナルやラウンジのけん騒のような音。その音が消え、次回の2025春夏コレクションからニューヨークファッションウィークでの発表となることがアナウンスされた後、教会の鐘が鳴り響く中、ショーは「リンシュウ」の原点であるメンズからスタートした。
黒いマキシ丈のロングコートに白いシャツ、細いネクタイを身に着けた男性モデル。クラシックなハットとワイルドな髭が目を引く。続くのは衿部分を光らせたドレスを着た女性モデル。そして、タキシード風のロングジャケットと細身のパンツ、前からはミニ、後ろからはロングに見えるドレスなど、メンズとそれに対応したようなデザインのウィメンズが交互に現れる。
ここ数シーズン、東京でショーを行い、ウィメンズのパリファッションウィーク初日にパリ現地プレスから世界に発信しているためか、ウィメンズを打ち出しているように見えた「リンシュウ」。だが、今シーズンは「リンシュウ」ならではの日本刀のようにそぎ落とされた無駄のないデザイン、力強さが感じられた。色も美しい色や鮮やかな色から、永遠の色である黒のバリエーションに戻り、白や光、赤などをプラスしている。
また、六角形の亀甲が重なったオリエンタルなジャガード素材を使ったジャケットとパンツ、日本の伝統工芸にインスパイアされたという籠のようなムードのジャケットやドレス、「RYNSHU」という文字が斜めに織り込まれたフクレジャガードのテーラードジャケットなど、凝りに凝った素材を駆使したデザインは今回も登場。絶妙なバランスで仕上げられたジャケットやドレスはこれまで同様に重さを感じさせないが、今シーズンは前半のスーツやドレスと同じように色は黒と白が使われている。そして、メンズからスタートしたコレクションはフォノグラムを加工してうろこ状にカットし、フィルムフリンジに縫い付けたという、美しいクチュールドレスでフィナーレを迎えた。
メンズという同ブランドの原点に戻りながら、ニューヨークファッションウィークでの発表という新たな展開に向けた方向性を示したコレクション。
「新しい出発をここからしたかったし、本格的にメンズをやるということを示した」と山地正倫周。次回からニューヨークでの発表となることについては「新しいエンターテインメントビジネスにチャレンジするにはニューヨークで発表した方がいいし、自分らしいもの、信念を貫くための場所としてもニューヨークがいいと思った。ニューヨークでもメンズを中心にメンズとウィメンズの両方を見せる」と話した。
取材・文:樋口真一
Courtesy of RYNSHU
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※この記事はアパレルウェブより提供を受けて配信しています。
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