アイフリークモバイルは反発の動き、24年3月期営業増益予想

2024年1月16日 14:31

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 アイフリークモバイル<3845>(東証スタンダード)は、電子絵本アプリや知育アプリなどのコンテンツ事業、および人材派遣のコンテンツクリエイターサービス(CCS)事業を展開し、成長戦略としてブロックチェーン技術を活用したNFTコンテンツ分野やe-Sports関連サービスなども強化している。24年3月期は営業増益予想としている。コンテンツ事業では既存サービスの顧客拡大や販路拡大など、CCS事業ではエンジニア育成などを推進する方針だ。積極的な事業展開で収益改善基調を期待したい。株価は23年12月の安値圏から切り返して反発の動きを強めている。こども関連のテーマ性も評価材料であり、出直りを期待したい。

■コンテンツ事業とコンテンツクリエイターサービス事業を展開

 携帯電話・スマートフォン向けコンテンツ企画・開発・配信のコンテンツ事業、WEBコンテンツ制作・システム受託開発・人材派遣のコンテンツクリエイターサービス(CCS)事業を展開している。

 効率的な事業体制構築に向けて、21年1月に孫会社ファンレボの全株式を譲渡、21年2月に子会社アイフリークGAMESを吸収合併、21年6月に子会社リアリゼーションを吸収合併、22年12月にグラングループ(グランディール、グランソル、グランデュオの3社)から技術開発部門の一部を譲り受けた。また24年4月1日付(予定)で子会社のアイフリークスマイルズを吸収合併する。

 23年3月期のセグメント別売上高構成比はコンテンツ事業が11%、CCS事業が89%、利益構成比(全社費用等調整前営業利益)はコンテンツ事業が2%、CCS事業が98%だった。

 成長戦略としては、CCS事業を基盤にコンテンツ事業の収益化を目指す方針としている。重点施策として、コンテンツ事業におけるユーザー数の拡大、20万点以上のデジタルコンテンツ資産の有効活用、CCS事業における人材確保、専門領域に特化したエンジニアチームの育成、協業先の開拓などを推進する。

■コンテンツ事業は電子絵本アプリや知育アプリなど

 コンテンツ事業は、デコメ・絵文字・スタンプ・壁紙などのデジタル素材「デココレ」のほか、電子絵本アプリ「森のえほん館」や知育アプリ「あそびタッチ」などの低年齢層向けファミリーコンテンツ、オリジナル絵文字やグループチャットを搭載したウォレットアプリ「Challet」なども展開している。絵本アプリ「森のえほん館」は500冊以上の作品を収録し、累計130万ダウンロードを記録している。なおデジタルコンテンツは、クリエイター支援WEBサイト「CREPOS」によって約1万人の外部登録クリエイターを組織化し、20万点以上のデジタル資産を有している。

 22年12月には、子会社アイフリークスマイルズが運営(18年1月よりサービス開始)するYouTubeチャンネル「Popo Kids(ポポキッズ)」で配信している絵本動画が、トーハンが運営する全国書店ネットワーク「e-hon」内に新たに設置されるコーナー「読み聞かせ動画から広がる絵本の世界」に提供開始された。なお23年6月には「Popo Kids」のチャンネル登録者数が10万人を突破した。

 23年1月には、絵本を読んで語学学習ができるアプリ「なないろえほんの国」の一部機能の無料開放を開始した。定期購読すれば単語帳機能やシール帳機能などの追加機能が利用可能になり、より学習に特化したアプリとして利用できる。23年4月には小学校低学年向けの計算学習アプリ「九九のトライ」iOS版のリニューアルを実施した。

 23年8月には吉本興業とのコラボ企画として、吉本興業に所属する人気芸人「kento fukaya」氏と「山崎おしるこ(ムームー大陸)」氏の両名が制作した絵本2作品を、絵本読み放題のアプリ「森のえほん館」で配信するとリリースしている。

■CCS事業はWEBコンテンツ制作・システム受託開発など

 CCS事業は、WEBコンテンツ制作・システム受託開発および人材派遣を展開している。22年10月には、NHN JAPANグループのNHN テコラス社が提供する「テコラス パートナープログラム」に参画した。NHN テコラス社は日本に12社しかないアマゾン ウェブ サービス(AWS)の最上位プレミアティア サービスパートナーとしてAWSを中心としたITインフラ総合支援サービスを提供している。NHN テコラス社が提供する多様なサービスを活用することでビジネス拡大を推進する。

■NFTコンテンツ分野

 次世代ブロックチェーン技術を活用したNFT(非代替性トークン)コンテンツ分野も注力している。

 20年9月にはミャンマーの新興通信事業者GALAXIA社と、ミャンマーにおけるモバイルコンテンツサービス分野およびシステムインテグレーション分野で業務提携した。20年10月にはRPA導入コンサルティングサービスのITSO社と業務提携、20年11月にはITエンジニア育成EdTechサービスのヒートウェーブと業務提携、20年12月にはAI CROSS社とセールスパートナー契約を締結した。

 21年10月には、UUUM<3990>の子会社で次世代ブロックチェーン技術を活用したデジタルトレーディングカード専門のNFTマーケットプレイス「HABET(ハビット)」を運営するFORO社(現NUNW社)と、戦略的業務提携契約を締結した。そして21年11月にはFORO社が運営するNFTマーケットプレイス「HABET」を活用し、クリエイター向けNFT出品支援プログラム「CREPOS NFT 支援プログラム」第1弾を本格始動した。

 22年2月には有信アクロス(大阪府吹田市)と障がい児向け知育アプリ提供事業に関する業務提携に向けた基本合意書を締結した。有信アクロスは全国219カ所で放課後等デイサービス「ウィズ・ユー」をフランチャイズ展開するとともに、児童発達支援も行っている。そして22年10月には具体的内容として、知育アプリに特化したタブレットのリース事業「知育アプリ提供サービス」の開始を発表した。

 22年3月にはJリーグクラブ「ジュビロ磐田」を運営するジュビロとサポーティングカンパニー契約を締結した。同クラブのマスコットキャラクターが登場する電子絵本を共同制作する。

 22年6月にはアーティストのためのXRクリエイティブプラットフォーム「STYLY」を運営するPsychic VR Lab社と、メタバース・VR・AR・MR技術を包括する「XR領域」において、アーティスト/クリエイターの発掘・育成支援を目的とする連携を開始した。メタバース事業領域への新たな取り組みとして「CREPOS」クリエイターに向けた特別講義を提供する。

 23年7月には、クリエイター支援WEBサイト「CREPOS」と、NFT/XRクリエイターOmayu氏とのコラボ制作アバターの無料配信を開始した。

■e-Sports関連サービス

 23年2月には、日本のe-Sports業界における受託事業に特化したウェブサイト開設を発表した。ゲーム関連事業が有するノウハウを活用したe-Sports関連サービス(イベント企画・運営・配信・機材貸出・スタッフ派遣等)の提供を通じて、e-Sportsの発展に貢献する方針としている。23年4月には、e-Sportsプロプレイヤーとして世界的に活躍するaMSa(アムサ)選手とスポンサー契約を締結した。

 23年5月には子会社I-FREEK GAMESを設立した。そしてI-FREEK GAMESがエスティーエーグループの一部事業(ITエンジニアリング部門の一部)を譲り受けた。23年8月にはI-FREEK GAMESがe-Sportsコミュニケーションスタジオをオープンした。また23年8月にはI-FREEK GAMESが、スマートテックグループより技術開発事業の一部(スマートテクノロジーおよびその他グループ会社等の計9社)を譲り受けた。

■24年3月期営業増益予想

 24年3月期の連結業績予想については、売上高が23年3月期比12.5%増の29億31百万円、営業利益が8.9%増の92百万円、経常利益が42.5%減の86百万円、親会社株主帰属当期純利益が44.4%減の82百万円としている。配当予想は未定としている。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比1.2%増の12億62百万円、営業利益が52百万円の損失(前年同期は34百万円の利益)、経常利益が40百万円の損失(同64百万円の利益)、親会社株主帰属四半期純利益が40百万円の損失(同63百万円の利益)だった。コンテンツ事業におけるサービス改修費用やCCS事業におけるエンジニアのベースアップなどの影響で営業赤字だった。

 コンテンツ事業は売上高が21.8%減の1億06百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が21百万円の損失(前年同期は7百万円の利益)だった。既存コンテンツにおけるユーザー数減少、サービス改修、イベント出展に伴う費用増加などで減収・営業赤字だった。「森のえほん館」や「九九のトライ」での他社とのコラボレーション作品の配信、「CREPOS」とクリエイターとのコラボアバターの配信などの施策を推進した。

 コンテンツクリエイターサービス(CCS)事業は、売上高が4.0%増の11億56百万円で、セグメント利益が30.6%減の1億07百万円だった。比較的高い水準で稼働率が推移したことに加えて、エヅティーエーグループからの事業一部譲受も寄与して増収だが、エンジニアのベースアップなどの影響などで減益だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が6億49百万円で営業利益が4百万円の損失、第2四半期は売上高が6億13百万円で営業利益が48百万円の損失だった。

 通期連結業績予想は据え置いて増収・営業増益予想としている。第2四半期累計はコンテンツ事業におけるサービス改修費用やCCS事業におけるエンジニアのベースアップなどの影響で営業赤字だったが、通期ベースではコンテンツ事業における既存サービスの顧客拡大や販路拡大など、CCS事業におけるエンジニア育成などを推進する方針だ。積極的な事業展開により、通期ベースで収益改善基調を期待したい。

■株価は反発の動き

 株価は23年12月の安値圏から切り返して反発の動きを強めている。こども関連のテーマ性も評価材料であり、出直りを期待したい。1月15日の終値は98円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS4円63銭で算出)は約21倍、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS45円98銭で算出)は約2.1倍、そして時価総額は約17億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

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