クリーク・アンド・リバー社は24年2月期3Q累計順調、通期増収増益予想据え置き

2024年1月12日 15:28

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

(決算速報)  クリーク・アンド・リバー社<4763>(東証プライム)は1月11日の取引時間終了後に24年2月期第3四半期累計連結業績を発表した。増収、営業・経常増益(純利益は前期計上の特別利益の剥落で減益)と順調だった。日本クリエイティブ分野の順調な拡大が牽引し、新卒採用増加やDX投資増加の影響を吸収した。四半期別に見ると、第1四半期は新卒社員の未稼働人件費やワクチン接種関連スポット案件の反動などの影響を受けたが、第2四半期と第3四半期は新卒社員の稼働進捗なども寄与して、いずれも過去最高の営業利益だった。そして通期の増収増益予想を据え置いた。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は戻り高値圏だ。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。

■24年2月期3Q累計順調、通期増収増益予想据え置き

 24年2月期第3四半期累計連結業績は売上高が前年同期比13.9%増の378億28百万円、営業利益が4.9%増の34億82百万円、経常利益が5.2%増の35億24百万円、親会社株主帰属四半期純利益が4.4%減の22億77百万円だった。

 増収、営業・経常増益と順調だった。日本クリエイティブ分野の順調な拡大が牽引し、新卒採用増加やDX投資増加の影響を吸収した。四半期純利益は前期計上の特別利益(投資有価証券売却益、子会社株式売却益、段階取得に係る差益)の剥落により減益だった。なおグループ全体での23年4月入社新卒社員は344名(日本クリエイティブ分野277名、医療分野9名、会計・法曹分野6名、その他52名、22年4月はグループ合計160名)だった。

 日本クリエイティブ分野は売上高が16.3%増の261億76百万円、営業利益(全社費用等調整前)が6.1%増の22億60百万円だった。ゲーム・WEB関連を中心にプロデュース事業が好調に推移し、人件費・研修費やDXなど戦略投資に伴う費用増加を吸収した。

 韓国クリエイティブ分野は売上高が4.8%増の27億35百万円だが、営業利益が25百万円の損失(前年同期は11百万円の損失)だった。Webtoonが伸長して増収だが、TV局への派遣稼働数が減少し、Webtoonへの投資増加も影響して損失拡大した。

 医療分野は売上高が4.1%増の44億60百万円、営業利益が1.3%減の12億78百万円だった。医師紹介・イベント事業は順調だったが、ワクチン接種関連スポット案件の反動影響(第1四半期1億28百万円、第2四半期45百万円、第3四半期50百万円)により小幅減益だった。

 会計・法曹分野は売上高が10.3%増の18億87百万円、営業利益が9.0%増の1億21百万円だった。紹介事業が伸長した。

 その他事業(新規事業合計16社)は売上高が22.0%増の25億69百万円、営業利益が1億52百万円の損失(同2億11百万円の損失)だった。投資段階事業が多いため全体として営業損失だが、前年比では損失縮小した。売上面の内訳は16社のうち8社で合計3億36百万円増収、新規設立・グループ化7社で合計1億74百万円増収、連結除外1社で60百万円減収、利益面の内訳は5社で合計2億20百万円増益、投資が増加した5社で合計80百万円減益、新規設立・グループ化7社で合計59百万円減益だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が127億45百万円で営業利益が15億80百万円、第2四半期は売上高が125億10百万円で営業利益が10億22百万円、第3四半期は売上高が125億72百万円で営業利益が8億80百万円だった。第1四半期は新卒社員の未稼働人件費やワクチン接種関連スポット案件の反動などの影響を受けたが、第2四半期と第3四半期は新卒社員の稼働進捗なども寄与して、いずれも過去最高の営業利益だった。なお医療分野の収益は第1四半期と第2四半期に偏重する季節特性がある。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が23年2月期比13.3%増の500億円、営業利益が13.7%増の45億円、経常利益が12.4%増の45億円、親会社株主帰属当期純利益が3.5%増の30億円としている。配当予想は23年2月期比14円増配の41円(期末一括)としている。連続大幅増配で、予想配当性向は30.4%となる。

 日本クリエイティブ分野を中心に各セグメントが好調に推移し、成長に向けた戦略投資を吸収して増収増益予想としている。事業別の計画は、日本クリエイティブ分野の売上高が18%増の358億円で営業利益が13%増の31億円、韓国クリエイティブ分野の売上高が横ばいの34億60百万円で営業利益が0百万円の利益(23年2月期は16百万円の損失)、医療分野の売上高が8%増の56億40百万円で営業利益が5%増の14億円、会計・法曹分野の売上高が11%増の25億60百万円で営業利益が19%増の1億90百万円、その他の売上高が34%増の41億円で営業利益が50百万円の損失(同2億75百万円の損失)としている。

 第3四半期累計の進捗率は売上高76%、営業利益77%、経常利益78%、親会社株主帰属当期純利益76%である。医療分野の利益が上期(特に第1四半期)偏重であることを考慮するとやや低水準の形だが、新卒社員の稼働が下期に本格化して収益貢献していることを勘案すれば、通期会社予想の達成は可能と考えられる。

 また新中期経営計画では、最終年度26年2月期の計画を売上高605億円、営業利益56.5億円、営業利益率9.3%としている。売上高・営業利益の着実な成長とともに、利益率の向上を目指す方針だ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は戻り高値圏だ。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。1月11日の終値は2211円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS135円04銭で算出)は約16倍、今期予想配当利回り(会社予想の41円で算出)は約1.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS637円32銭で算出)は約3.5倍、時価総額は約509億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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