12日の香港市場概況:ハンセン1.1%高で4日ぶり反発、不動産セクター相場けん引

2023年12月12日 18:00

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記事提供元:フィスコ

*18:00JST 12日の香港市場概況:ハンセン1.1%高で4日ぶり反発、不動産セクター相場けん引
12日の香港市場は、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比173.01ポイント(1.07%)高の16374.50ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が82.01ポイント(1.48%)高の5614.50ポイントと4日ぶりに反発した。売買代金は866億2850万香港ドルに縮小している(11日は987億2800万香港ドル)。


自律反発狙いの買いが先行する流れ。ハンセン指数はこのところ下落基調を強め、前日はおよそ1年1カ月ぶりの安値を切り下げた。米株高も支え。昨夜の米市場では、米景気懸念の後退を引き続き手がかりに、主要株価指数はそろって3日続伸した。NYダウは2022年1月以来の高値を切り上げている。米金融政策や中国経済対策を見極めたいとするスタンスが強まる中、朝方は上値が重かったものの、中盤から上げ幅を広げた。米国では13日(日本時間14日)、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が発表される。また、翌年の経済政策方針を決める中国の重要会議「中央経済工作会議」は、11日に開幕したもよう。12日に終了する見通しだ。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、江蘇省拠点の翰森製薬集団(3692/HK)が6.9%高、中国政府系デベロッパーの華潤置地(1109/HK)が5.9%高、中国中堅デベロッパーの龍湖集団HD(960/HK)が4.9%高と上げが目立った。華潤置地は昨日、11月の不動産成約額が前年同月比で8.6%増加したと公表。2カ月連続のプラス成長が買い安心感につながった。このほか、スポーツ用品中国大手の李寧(2331/HK)が4.4%高と反発している。同社は自社株買いプログラムを始動すると発表。前日の相場では、香港の商業ビル取得が懸念され14.3%安と急落した。


自動車セクターも高い。小鵬汽車(9868/HK)が4.2%、長城汽車(2333/HK)が2.1%、蔚来集団(9866/HK)が1.9%、吉利汽車HD(175/HK)が1.8%ずつ上昇した。中国汽車工業協会(CAAM)は11日、今年11月の新車販売台数が前年同月比で27.4%増加したと発表。生産台数は29.4%増で過去最多を更新したと報告した。


中国の銀行クターも物色される。中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)が3.4%高、中国農業銀行(1288/HK)が2.9%高、招商銀行(3968/HK)が2.8%高、交通銀行(3328/HK)が2.6%高で取引を終えた。


他の個別株動向では、電子書籍ストア運営の閲文集団(772/HK)が13.1%高。同社は11日、親会社の騰訊HD(700/HK)からアニメ・コミック資産などを取得すると発表した。


一方、本土市場は3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.40%高の3003.44ポイントで取引を終了した。不動産株が高い。銀行株、消費関連株、公益株、エネルギー株、メディア・娯楽株、運輸株、インフラ関連株なども買われた。半面、医薬株の一角は安い。素材株、証券株も売られた。

亜州リサーチ(株)《CS》

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