クリーク・アンド・リバー社は24年2月期2Q累計が計画水準の営業・経常増益と順調

2023年10月6日 09:29

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

(決算速報)  クリーク・アンド・リバー社<4763>(東証プライム)は10月5日の取引時間終了後に24年2月期第2四半期累計連結業績を発表した。概ね計画水準の増収、営業・経常増益と順調だった。日本クリエイティブ分野が牽引し、新卒採用増加に伴う研修費増加や子会社新設など戦略投資によるコスト増加を吸収した。四半期別に見ると、第1四半期は新卒社員の未稼働人件費やワクチン接種関連スポット案件の反動などの影響を受けたが、第2四半期は新卒社員の稼働進捗なども寄与して、売上高・営業利益とも過去最高だった。そして通期増収増益予想を据え置いた。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化も影響して上げ一服の形となったが、好業績を評価して出直りを期待したい。

■24年2月期2Q累計は概ね計画水準で順調、通期増収増益予想据え置き

 24年2月期第2四半期累計連結業績は売上高が前年同期比13.1%増の252億56百万円、営業利益が3.6%増の26億02百万円、経常利益が4.1%増の26億26百万円、親会社株主帰属四半期純利益が3.9%減の17億18百万円だった。

 概ね計画水準の増収、営業・経常増益と順調だった。日本クリエイティブ分野が牽引し、新卒採用増加に伴う研修費増加や子会社新設など戦略投資によるコスト増加を吸収した。親会社株主帰属四半期純利益は前期計上の特別利益(段階取得に係る差益95百万円)の反動により減益だった。計画達成率は売上高が100%、営業利益が102%、経常利益が103%、親会社株主帰属四半期純利益が101%だった。なおグループ全体で新卒社員344名入社(旧C&Rグループで299名、23年1月に子会社化したシオン・グループで45名、22年はグループ合計160名)した。

 日本クリエイティブ分野は、売上高が15.6%増の173億01百万円で営業利益(調整前)が1.3%減の14億60百万円だった。利益面は人件費・研修費やDXなど戦略投資の影響で小幅減益だったが、売上面はゲーム・WEB関連のプロデュース事業が好調に推移し、シオン・グループの新規連結も寄与した。

 韓国クリエイティブ分野は売上高が3.5%減の17億08百万円で、営業利益が14百万円の損失(前年同期は3百万円の損失)だった。TV局への派遣稼働数が減少し、Webtoonへの投資増加も影響して赤字拡大した。

 医療分野は売上高が5.1%増の33億47百万円で営業利益が2.5%増の11億75百万円だった。ワクチン接種関連スポット案件の反動影響(営業利益へのマイナス影響は第1四半期1億28百万円、第2四半期45百万円)を受けたものの、全体として医師紹介事業が伸長した。

 会計・法曹分野は売上高が13.2%増の12億68百万円で営業利益が47.4%増の92百万円だった。紹介事業が伸長した。

 その他事業(新規事業合計16社)は、売上高が25.8%増の16億30百万円で、営業利益が1億13百万円の損失(同1億81百万円の損失)だった。投資段階(新規設立・グループ化7社、連結除外1社)のため全体として営業損失だが、売上面は16社のうち8社が増収(合計2億68百万円増収)となり、利益面は5社が増益(合計1億55百万円)だった。特にIT分野の収益が改善した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が127億45百万円で営業利益が15億80百万円、第2四半期は売上高が125億10百万円で営業利益が10億22百万円だった。第1四半期は新卒社員の未稼働人件費やワクチン接種関連スポット案件の反動などの影響を受けたが、第2四半期は新卒社員の稼働進捗なども寄与して、売上高・営業利益とも過去最高だった。なお医療分野の収益は第1四半期に偏重する季節特性がある。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が23年2月期比13.3%増の500億円、営業利益が13.7%増の45億円、経常利益が12.4%増の45億円、親会社株主帰属当期純利益が3.5%増の30億円としている。配当予想は23年2月期比14円増配の41円(期末一括)としている。連続大幅増配で、予想配当性向は30.4%となる。

 日本クリエイティブ分野を中心に各セグメントが好調に推移し、成長に向けた戦略投資を吸収して増収増益予想としている。

 日本クリエイティブ分野は売上高が18%増の358億円で営業利益(調整前)が13%増の31億円、韓国クリエイティブ分野は売上高が横ばいの34億60百万円で営業利益が0百万円の利益(23年2月期は16百万円の損失)、医療分野は売上高が8%増の56億40百万円で営業利益が5%増の14億円、会計・法曹分野は売上高が11%増の25億60百万円で営業利益が19%増の1億90百万円、その他は売上高が34%増の41億円で営業利益が50百万円の損失(同2億75百万円の損失)の計画としている。

 第2四半期累計の進捗率は売上高51%、営業利益58%、経常利益58%、親会社株主帰属当期純利益57%である。医療分野の利益が上期偏重(特に第1四半期)であることを考慮しても概ね順調と言えるだろう。新中期経営計画では最終年度26年2月期の計画を売上高605億円、営業利益56.5億円、営業利益率9.3%としている。売上高・営業利益の着実な成長とともに、利益率の向上を目指す方針だ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は出直り期待

 株価は地合い悪化も影響して上げ一服の形となったが、好業績を評価して出直りを期待したい。10月5日の終値は2030円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS135円04銭で算出)は約15倍、今期予想配当利回り(会社予想の41円で算出)は約2.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS637円32銭で算出)は約3.2倍、そして時価総額は約467億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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