イレニサ 2024年春夏コレクション、“曖昧さ”から生まれる大人の色気

2023年9月1日 08:27

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記事提供元:ファッションプレス

 イレニサ(IRENISA) 2024年春夏コレクションが発表された。

カラーフィールド・ペインティングのように
 1950年代から60年代にかけてアメリカで発展した抽象絵画の動向、カラーフィールド・ペインティング。焦点も境界線もない、そんなアートにうかがえる“曖昧さ”を、コレクションの上で表現した。それは例えばひとつのフルーツをとっても、時間帯や光、国や地域によって“見え方”が異なるように、曖昧な色と形が混ざりあうことで生まれるかすかな機微を、丁寧にすくい取ること。そして微かな境界線に生まれる色気を、ひとさじのエッセンスとして、差し込んでいるのが特徴だ。

“曖昧な”ストライプ模様
 まず目に留まるのは、セットアップに浮かぶ春夏らしい“ストライプ柄”だ。涼し気な寒色を組み合わせたモチーフだが、そのピッチや配色はおそらくランダム。手書きで線をひいたようなラフな表情に仕上げているだけでなく、生地の切り替えであえてストライプ柄を絶妙にずらすなど、さり気ない境界線を生み出しているのが、いかにも今季らしい。またジャケットの前合わせはボタン一つのみ、パンツはハーフ丈に仕上げるなど、ノンシャランなムードも印象的だ。

パステルトーンのレイヤードスタイル
 複数のジャケットを重ねたレイヤードスタイルは、異なるカラーでありながら、淡いパステルトーンでまとめることで、野暮ったさをそぎ落とした表情に。また洋服そのものは、ややオーバーサイズでありながら、シルエットはあくまで端正にカット。都会の男性に似合う、洗練された表情へと導いている。

ディテールにエッジをきかせて
 シンプルなデザインに、ひっそりと息をひそめるエッジィなディテールもポイントだ。オーバーサイズの白パンツに合わせた、ベージュのジャケットは、左胸に切り込みを入れたかのように、斜めに走るシャープなポケットがアクセントに。

 また無駄な装飾を一切そぎ落とした、クリーンな佇まいのロングコートには、袖元にレザーのベルトを通すことで、マニッシュな色気を醸し出していた。

※本記事はファッションプレスニュースから配信されたものです。ファッションプレスでは、ブランド、デザイナー情報、歴史などファッション業界の情報をお届けしています。

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