日鉄エンジニアリング、ごみ発電の地産地消で東久留米市と連携

2023年8月28日 07:40

印刷

柳泉園クリーンポート(画像: 日鉄エンジニアリングの発表資料より)

柳泉園クリーンポート(画像: 日鉄エンジニアリングの発表資料より)[写真拡大]

  • 8月24日に行われた事業開始式の様子。左:東久留米市の富田竜馬市長(左、柳泉園組合管理者)と日鉄エンジニアリングの鈴木隆常務取締役(右)(画像: 日鉄エンジニアリングの発表資料より)

 日鉄エンジニアリング(東京都品川区)は25日、ごみ発電の地産地消事業に向けて、東京都東久留米市と基本協定書を締結したと発表した。同社がごみ焼却の熱エネルギーを使って発電された電力を買い取り、同市の公共施設に供給する。ごみ発電は、二酸化炭素を排出しない「CO2フリー」の電力となる。

【こちらも】イオンモールの「まちの発電所」、第2弾の約650カ所が今秋から順次稼働へ

 東久留米市を含む5市で構成される一部事務組合の柳泉園組合も協定に参画している。同組合が運営するごみ処理施設の「柳泉園クリーンポート」がごみ焼却する際の、余剰電力を日鉄エンジニアリングが買い取る。

 買い取ったCO2フリーの電力を供給するのは、小中学校や庁舎を含む24の公共施設。

 東久留米市は「ゼロカーボンシティ宣言」を発表しており、地域のごみの焼却からうまれる電力を「地産地消」で活用し、達成に役立てる。年間2400トンのC2削減効果を見込んでいる。

 風力や太陽光など再生可能エネルギーは、天候や時間帯に発電量が影響される。だが、ごみは地域で日々発生するため、安定性がある。電気価格の乱高下もない。

 電気の供給期間は2023年10月1日から2027年3月31日まで。柳泉園クリーンポートの発電能力は6000キロワットで、焼却能力は1日あたり315トンだ。

 日鉄エンジニアリングは、地域の電力地産地消を支援に力を入れており、今回が自治体として7つ目の事例。これまでに千葉県君津市や広島県東広島市、埼玉県さいたま市などと連携している。

 電力自由化当初から電力事業を手掛けており、同社は老舗のひとつ。発電所の操業ノウハウなどを活かして、企業や自治体にソリューションを提供している。国内では2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする目標が掲げられており、こうした取り組みへの注目が高まっている。

 尚、今回の協定は、「柳泉園クリーンポートのごみ発電余剰電力を活用した電力地産地消事業に関わる公募型プロポーザル」の優先交渉権を、日鉄エンジニアリングが獲得し実現したもの。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事