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31日の香港市場概況:ハンセン0.8%高で3日続伸、テック指数は1.9%上昇
*18:15JST 31日の香港市場概況:ハンセン0.8%高で3日続伸、テック指数は1.9%上昇
週明け31日の香港市場は、主要80銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比162.38ポイント(0.82%)高の20078.94ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が90.84ポイント(1.33%)高の6899.31ポイントとそろって3日続伸した。ハンセン指数は約3カ月ぶりの高値水準を回復している。売買代金は1825億6140万香港ドルに拡大した(28日は1377億2760万香港ドル)。
内外の好材料が投資家心理を上向かせる流れ。中国経済政策の期待感が持続していることに加え、米インフレ率が鈍化していることも材料視された。米商務省が公表した6月の個人消費支出(PCE)統計では、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ動向の目安とするコア価格指数の伸びが前年同月比で4.1%にとどまり、2021年9月以来で最小を記録している。中国の経済対策に関しては、国家発展改革委員会が7月31日、「消費の回復と拡大に向けた措置」を発表した。寄り付き直後に公表された中国の今年7月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.3。前月実績と市場予想(ともに49.0)を上回っている。(亜州リサーチ編集部)
「ニューエコノミー」関連銘柄に買いが先行。ハンセン科技指数は1.9%高と他の指数をアウトパフォームした。個別では、新興EV(電気自動車)メーカーの蔚来集団(9866/HK)が6.2%高、電子商取引(Eコマース)大手の京東集団(9618/HK)が4.2%高、動画配信プラットフォームのビリビリ(9626/HK)が4.0%高と上げが目立った。
デベロッパーや管理サービスなど中国不動産セクターも一部銘柄を除き急伸。広州富力地産(2777/HK)が11.0%高、融創中国HD(1918/HK)が8.0%高、世茂服務HD(873/HK)が5.9%高、融創服務HD(1516/HK)が5.8%高で引けた。政策支援の動きを好感。上述した「消費の回復と拡大に向けた措置」では、保障性賃貸住宅の供給拡大、大規模都市における「城中村」(都市の中の農村)の再開発などを進める方針が示されている。
レストランチェーンなど外食関連も高い。海底撈国際HD(6862/HK)が12.2%、呷哺呷哺餐飲管理HD(520/HK)が7.3%、海倫司国際HD(9869/HK)が5.7%ずつ上昇した。販売回復が期待される。海底撈が7月30日に公表した中間業績見通しでは、純利益が前年同期比で30%強に膨らむ計算だ。
半面、半導体と通信の銘柄群はさえない。上海復旦微電子集団(1385/HK)が3.9%、ASMPT(522/HK)が2.6%、華虹半導体(1347/HK)が2.0%、中国電信(728/HK)が1.5%、中国移動(941/HK)が1.4%ずつ下落した。
他の個別株動向では、約1年4カ月ぶりに取引再開した不動産デベロッパーの世茂集団HD(813/HK)が前営業日比65.6%安。同社株は決算遅延などにより22年4月1日付で売買を一時停止していたが、決算発表の遅延解消など全条件を満たしたことから株式売買が再開された。同社が28日引け後に公表した21年通期、22年通期決算はいずれも赤字となっている。
一方、本土マーケットも続伸。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.46%高の3291.04ポイントで取引を終了した。不動産株が高い。自動車株、インフラ関連株、金融株、ハイテク株、小売株なども買われた。半面、医薬品株は安い。エネルギー株、軍事関連株、通信株も売られた。
亜州リサーチ(株)《NH》
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