ミュベール 2024年リゾートコレクション - 「ヒアシンスハウス」は永遠に

2023年7月6日 08:32

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記事提供元:ファッションプレス

 ミュベール(MUVEIL)の2024年リゾートコレクションが発表された。

■立原道造が描く叙情的な世界観を投影

 昭和初期に活躍しながら、24歳という若さで急逝した詩人・立原道造。文学的才能を若くから開花させた立原は、将来を嘱望される建築家でもあった。進学先であった東京帝国大学工学部建築学科の1学年下には、国立代々木競技場など日本の建築史に名を刻む有名建築の設計を手掛けた丹下健三が在籍していたという。

 そんな立原道造を着想源とした今シーズン。〈繊細〉や〈透明〉という言葉をもって語られる彼の詩と、 生前に構想され、死後半世紀以上を経て建てられた週末住宅「ヒアシンスハウス(HAUS-HYAZINTH)」に想いを馳せながら、立原道造が描く叙情的な世界観をワードローブに投影していく。

■靄がかかったようなフラワープリント

 まず最初に注目したいのは、繰り返し差し込まれたフラワーモチーフ。大判のオリジナルフラワープリントは、ゆらぎのある靄がかかったようなデザインで、立原道造の詩を可視化したよう。カーディガンのボタンやイヤリングには本物の押し花を閉じ込めて、遊び心とフレッシュさをプラス。身に着けるだけで春のそよ風を纏えそうな、軽やかなムードに満ち溢れている。

■詩『燕の歌』着想のツバメプリント

 立原道造の詩『燕の歌』から着想を得たツバメプリントも、今季を語る上で欠かせないもの。細かなシャーリングが施されたワンピースやトップスに、ヴィンテージライクなツバメのモチーフが落とし込まれている。ミュベールがこれまで光を当ててきた動物の中でも珍しい、和の趣を感じさせるツバメのモチーフは、春の訪れを告げると同時に新鮮な風をコレクションに吹き込んでいく。

■ネコとヒアシンスのセーター

 もちろんミュベールでお馴染みの“もふもふ”動物が主役のアイテムも。今季は「ヒアシンスハウス」を訪れたネコを表現したセーターをリリース。こちらを見つめるネコの隣には、立原道造が愛したヒアシンスの花が添えられている。

■ヒアシンスのパープルとグリーンをテーマカラーに

 カラーは、ヒアシンスのパープルとグリーンが基調。「ヒアシンスハウス」の大きな出窓をイメージして、アザミ・ヒナゲシ・ヒヤシンスの花をモチーフを取り入れたカットレースのコートは、優しい印象のパープルで。ドット柄と花柄を交互に表現したドレスには、はっとさせるほど鮮やかでみずみずしいグリーンを採用した。

※本記事はファッションプレスニュースから配信されたものです。ファッションプレスでは、ブランド、デザイナー情報、歴史などファッション業界の情報をお届けしています。

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