3日の香港市場概況:ハンセン2.1%高で3日ぶり反発、吉利汽車6.3%上昇

2023年7月3日 18:00

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記事提供元:フィスコ

*18:00JST 3日の香港市場概況:ハンセン2.1%高で3日ぶり反発、吉利汽車6.3%上昇
週明け3日の香港市場は、主要80銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比390.16ポイント(2.06%)高の19306.59ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が165.94ポイント(2.58%)高の6590.82ポイントとそろって3日ぶりに反発した。売買代金は897億3570万香港ドルと低い水準が続いている(6月30日は811億4770万香港ドル)。


米インフレ鈍化が好感される流れ。米商務省が公表した5月の個人消費支出(PCE)統計では、総合価格指数の伸びが約2年ぶりの低い水準に落ち着いている。米金融引き締めの長期化観測もやや後退した。中国経済対策の期待感も根強い。経済の持ち直しをサポートするため、中国当局は景気刺激策を強めるとの見方が広がっている。人民元安進行の懸念も和らぐ。中国人民銀行(中央銀行)は3日、人民元レートの対米ドル基準値を8営業日ぶりに元安方向で設定した。6月30日に開催された人民銀行貨幣政策委員会では、人民元相場の合理的な水準で安定させる方針が確認されている。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が6.3%高、コンテナ海運大手の東方海外(316/HK)と中国自動車ディーラー大手の中升集団HD(881/HK)がそろって5.7%高と上げが目立った。吉利については、電気自動車(EV)の新ブランド「ZEEKR」の6月納車が前年比で2.4倍に拡大した点を材料視している。


セクター別では、空運が高い。中国3大エアラインの中国南方航空(1055/HK)が8.4%、中国国際航空(753/HK)が7.5%、中国東方航空(670/HK)が6.8%、空港運営・管理の海南美蘭国際空港(357/HK)が6.3%、同じく空港運営の北京首都国際機場(694/HK)が4.3%ずつ上昇した。航空会社については、米ドル建て債務が多いことに加え、米メーカーからの機材購入費が米ドル建てのため、人民元安の一服で、実質負担の増加懸念が薄らいでいる。また、夏季の空運需要増も意識された。


自動車セクターも急伸。上記した吉利汽車のほか、小鵬汽車(9868/HK)が16.5%高、理想汽車(2015/HK)が8.5%高、長城汽車(2333/HK)が7.5%高と値を上げた。小鵬汽車に関しては、6月の新車販売台数が好調に推移し、4〜6月の販売台数が5月時点の自社見通しを上回ったと伝わっている。理想汽車は2日、6月納車が3万台の大台を突破し、上半期の累計納車台数が22年通年を超えたと報告した。ほか、ディーゼルエンジン生産のイ柴動力(2338/HK)が5.7%高。同社は2日、1〜6月期決算の純利益が最大70%増加するとの見通しを発表した。


マカオのカジノ関連も物色される。美高梅中国HD(2282/HK)が6.2%高、新濠国際発展(200/HK)が4.5%高、永利澳門(1128/HK)が4.1%高で引けた。業績の改善が期待されている。マカオ政府は1日、今年6月の域内カジノ売上高が前年同月比246.9%増の127億3800万パタカ(約1740億円)に拡大したと報告。プラス成長は6カ月連続だ。


一方、本土市場は続伸。主要指標の上海総合指数は、前営業日比1.31%高の3243.98ポイントで取引を終了した。金融株が上げを主導。エネルギー株、空運株、消費関連株、海運株、インフラ関連株、公益株、不動産株なども買われた。半面、医薬品株は安い。メディア・娯楽株、ハイテク株の一角も売られた。

亜州リサーチ(株)《CS》

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