百貨店とSCの5月売上、引き続き好調 新型コロナの5類移行で来店客が増加

2023年6月27日 08:14

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 日本百貨店協会と日本ショッピングセンター協会が5月度の売上高を発表。どちらも新型コロナウイルスの5類移行などにより、全国的に好調な売上が続いている。特にショッピングセンターでは全ての大都市、地域で前年同月を上回る状況が4カ月連続となった。

【前月は】百貨店とSC4月売上、好調続く 好天とマスク着用緩和で外出機会増加

■百貨店は15カ月連続で前年上回る

 23日、日本百貨店協会が5月度の全国百貨店売上高概況を発表した。売上高は前年同月比(店舗数調整後)6.3%増の4,111億2,088万9,000円となり、15カ月続で前年同月を上回った。

 新型コロナが5類に移行したことで外出客が増えたことに加え、インバウンド需要の急増も売上増加につながった。物産展や催事が好調に推移し、本格化しつつある中元商戦でも趣向を凝らした商品の提案を行っている。

■西日本の都市や地域で大きく伸びる

 都市別は10都市中7都市で前年同月を上回った。特に京都(前年同月比:11.0%増、以下同じ)、大阪(14.7%増)、神戸(10.9%増)、福岡(11.0%増)と西日本の都市で2桁割合の増加。一方、仙台(0.6%減)、横浜(0.3%減)、広島(5.3%減)の3都市で前年同月を下回った。

 都市以外の地区で前年同月を上回ったのは、こちらも西日本の近畿(3.4%増)、四国(1.5%増)、九州(3.0%増)の3地域。反対に東北(8.2%減)、関東(1.1%減)、中部(1.6%減)、中国(1.6%減)の4地域が前年同月を下回った。

 商品別売上高で比較的大きく伸びたものは、婦人服・洋品(前年同月比:8.1%増、以下同じ)、身の回り品(11.1%増)、化粧品(15.8%増)、家電(23.0%増)、菓子(8.9%増)など。前年を下回ったものの中では、子供服・洋品(4.1%減)、その他衣料品(4.6%減)、家具(3.9%減)、サービス(4.3%減)、商品券(6.7%減)でマイナス幅が大きめだった。

■ショッピングセンターも好調が続く

 26日、日本ショッピングセンター協会が5月度のSC販売統計調査報告を発表した。売上高は前年同月比7.6%増の5,387億1,605万1,000円となり、百貨店同様に15カ月連続で前年同月を上回った。

 新型コロナの5類移行と全国旅行支援により来客が増加。中でもゴールデンウィークの外出や旅行客により大都市が好調だった。業態別ではファッションが軽衣料はサンダルなどの夏物商材が大きく稼働し、外出客の増加で飲食やサービスが好調だった。

■都市別や地域別は4カ月連続で全て前年同月上回る

 売上のうち、テナントが前年同月比8.3%増の4,325億1,986万3,000円、キーテナントが同4.7%増の1,061億9,613万8,000円となり、全体同様15カ月連続で前年同月を上回っている。

 百貨店と異なり、大都市やその他の地域は4カ月連続で全て前年同月を上回った。都市では札幌市(前年同月比:23.5%増、以下同じ)、東京区部(13.0%増)、京都市(17.4%増)、大阪市(13.8%増)、福岡市(21.6%増)で2桁割合の増加。その他の地域では北海道(15.6%増)と九州・沖縄(12.0%増)の2地域で2桁割合の伸びだった。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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