日産と東京消防庁、「ニッサン180型消防ポンプ自動車」を再生 戦中戦後に活躍

2023年5月9日 08:46

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再生が終了し、テスト走行するニッサン180型消防ポンプ自動車(画像:日産自動車発表資料より)

再生が終了し、テスト走行するニッサン180型消防ポンプ自動車(画像:日産自動車発表資料より)[写真拡大]

 東京消防庁と日産自動車は、本格的な国産消防ポンプ自動車の第1号と言われ、東京消防庁が長年保管してきた「ニッサン180型消防ポンプ自動車」を走行可能な状態にする再生を行い、6月15日から18日に開催の「東京国際消防防災展 2023」にて展示する。

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 今回の再生を担当したのは、日産の名車再生クラブだ。名車再生クラブは、日産社員たちが業務以外で名車を再生するクラブとして、2006年に発足。これまで、スカイラインGT、2000GT-R、サニー、シルビア 240RS、バイオレットといった名車を復活させてきた。

 技術力があるメンバーの集まりとはいえ、今回のニッサン180型消防ポンプ自動車は戦前から活躍していた車だったことから、作業は難航が見込まれていた。日産のテクニカルセンターのライブラリーで、この車の整備要領書が見つかったことから、作業の進行が可能となったという。

 当初は可能な部分までできればとの考えもあったが、職人技により細かい部分もレストアされ、ほんの些細な塗装の剥げまで修正するなど、完璧な状態として完成した。

 4名の有志による再生作業は、当時の塗装やへこみを活かしつつ、走行実現までには2年間の期間を費やしたという。

 今回のレストア作業は、現在広報車の1台として展示されている高輪消防署二本榎出張所の敷地内で行われた。学校帰りの小学生が見学に訪れ、一緒にねじを締める作業をするなど、地域との交流も深めたという。

 レストアが行われたニッサン180型消防ポンプ自動車は、6月15日に東京ビッグサイトで行われるお披露目式で、最後のパーツとしてホーンの取り付けが行われ完成する予定だ。(記事:小泉嘉史・記事一覧を見る

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